仏など9か国の国債一斉に格下げ
K10052630811_1201140717_1201140720
NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

仏など9か国の国債一斉に格下げ

1月14日 7時5分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

大手格付け会社の「スタンダード・アンド・プアーズ」は、13日、信用不安の広がるユーロ圏各国の国債について、最上位のフランスも含め9か国の格付けを一斉に引き下げる異例の対応に踏み切りました。

スタンダード・アンド・プアーズは、13日、ユーロ圏9か国の長期国債の格付けを一斉に引き下げ、このうち、最上位の「AAA」だったフランスとオーストリアを1段階ずつ引き下げました。また、信用不安が飛び火しているイタリアとスペインをそれぞれ2段階引き下げるほか、去年、財政危機に陥ったポルトガルも2段階引き下げ、投機的とされる水準としました。一方、ドイツについては最上位の格付けを維持しました。スタンダード・アンド・プアーズは、ヨーロッパの信用不安が一向に収束する兆しを見せないなか、先月にはユーロ圏各国の国債の格付けを引き下げる方向で見直すと発表していました。今回の一斉格下げの理由について、格付け会社側は、先月の首脳会議で合意されたユーロ圏の財政規律の強化など、ここ数週間に各国が打ち出してきた対応策が現在の危機的状況を完全に押さえ込むには不十分とみられることなどを挙げています。ドイツと並び信用不安対策を引っ張ってきたフランスの国債の格付けが引き下げられたことで、今後、単一通貨ユーロや、財政状況の厳しいユーロ圏の国の国債が売られるなど、市場の動揺がさらに広がるおそれがあります。また、各国政府の保証で成り立っているヨーロッパの「金融安定化基金」の支援規模に影響が出る可能性もあり、ヨーロッパの信用不安問題は新たな難局に直面することになります。