政治・社会 

なぜ無能な首相に皆従っているか だから無能役人がノサばるのだ- ゲンダイネット(2012年1月14日10時00分)

 <歴代首相の中で野田と同程度は自民・麻生と民主・菅ぐらいで、自民・宇野、海部の方が少しは上等だっただろうと笑う声>

 

  無能のくせに狂気の増税にひた走り、ひとりでコーフンしている野田首相を見ていると、よくもまあ、周囲が何も言わずについていくものだと思ってしまう。

  野田の無教養と底の浅さは、寒いダジャレしか出てこない演説を聞いてりゃよく分かるが、政治手腕もなきに等しい。臨時国会の政府提出法案の成立率はたった34%。過去20年間で最低だ。政治の動かし方そのものがてんで分かっちゃいないのである。

  だから、官僚に頼る。頭が上がらなくなる。国会の審議日程を仕切っているのは実は財務官僚なのである。

  このバカぶりはおそらく、歴代首相の中でも最低レベルじゃないか。ピンクスキャンダルであっという間に消えた宇野元首相や、小沢一郎に小バカにされていた海部元首相の方がまだマシに見える。寒々しい話だ。

  政治評論家の浅川博忠氏もこう言った。

 「宇野元首相は衆院議員を12期務め、防衛庁長官や通産相、外相を経験して総理になった。海部元首相も当選回数を重ね、文相や蔵相を経験している。党内では両者とも最大派閥、竹下派を味方につけた。キャリアに加えて党内人脈があったのです。宇野さんはスキャンダルで失脚したが、政策通で俳句やピアノ、絵画などでは玄人はだしだった。海部さんだって、内閣支持率は最低でも5割を超えていて、首相在任818日は戦後の首相では10位です。教養、政治経験、人脈とも、野田さんとは比較になりません」

  宇野は行政管理庁長官時代、18の特殊法人を整理していて、その交渉では政治主導を貫き、官僚が来ると追い返したというエピソードもある。海部はピンク首相の宇野が参院選で惨敗した後のねじれ国会で苦労したが、PKO法案などを通した。剛腕・小沢が幹事長だったとはいえ、野田より政治を動かした。

  当時は2人とも、とんでもない首相と見られていたし、実際、ろくでもないのだが、いま、振り返るとマシに見えるのは、それだけ野田がひどいことの裏返しだ。日本の政治家の劣化は目を覆うばかりで、とくに野田、菅、麻生は無能、無教養、浅学では同レベル。ついに総理大臣も落ちるところまで落ちてしまった。

 「野田首相は消費税引き上げを勝手に国際公約してきて、最近は周辺がその国際公約を盾に『増税しなきゃ国際的信用を失い、国債が暴落する』と言い出している。自民党政権がいくらひどくても、こんな卑劣な脅しで、増税を迫った政治家はいません。それもこれも財務省の振り付けだから、どうしようもない。首相動静を見ると、勝栄二郎事務次官がしょっちゅう、官邸に出入りしている。事務次官が官邸に行くのは異例で、だから、勝政権などと言われる。完全に財務省に牛耳られているのですよ」(政治評論家・森田実氏)

  日本をデタラメにしたA級戦犯、財務官僚が我が物顔でのさばる異様。宇野や海部の方が良かったなんて、まったく、シャレにもなりゃしない。

 (日刊ゲンダイ2012年1月11日掲載)



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