2011-11-02

GREE、モバゲーを逆転?SNS市場のまとめ(2011年9月版)

このエントリーをはてなブックマークに追加

◆ 「オリンパスや大王製紙のような問題はわれわれの業界にもある」 GREE田中社長が会見でDeNA社を痛烈に批判

田中社長:「インターネット企業の商慣行を良くしたい。オリンパスや大王製紙のような問題は我々の業界にもある。今、GREEは(DeNA社に対し)2件の訴訟を起こしています。1件は我々のゲームのコピーについてで、もう1件が問題なのですが、ソーシャルゲーム業界で違法な圧力をかけながらビジネスをやっている事実があることについてです。これは日本のしかるべき公的機関(公正取引委員会)から問題があると指摘されていて、これが事実かどうかは国が決めることですが、現在もそういうことが続いていると、いろんな会社さんからご意見をいただいている。
モバイル端末でのプラットフォーマーとして圧倒的な力を持つDeNAとGREEが仲良く喧嘩しているようです。

この両者に加えmixiを加えたSNS3社の2011年9月時点での決算が出揃いました。詳細は後日お伝えしますが、本日はその第一報をお伝えしたいと思います。というのも、「事件」が起きたからです。

◆ GREE、DeNAを猛追!

四半期ごとの売上の推移(08Q4-2011Q3)
まずは四半期ごとの売上の推移、2011年に入りGREEがDeNAを急追しています。

直前の四半期と比較すると、横ばいだったDeNAに比べ、GREEは44%増(!)の304億円。

SNS各社の売上は①課金②広告宣伝から構成されています。GREEの場合、①の課金が大きく伸びています。その額275億円と直前の四半期に比べ91億円も伸びています。これがわずか3ヶ月の間に起こったことです。ただただ驚くばかりです。

これに対しDeNAは課金売上が純減しています・・・いったい何があったのでしょうか?

mixiは・・・そっとしておいてあげましょう。携帯課金という仕組みを持っていないmixiは、その売上がほとんど②広告に依存しており、完全に置いてきぼりです。ウェブでのSNSとしてGREEを退けたのが遠い過去のようです。

◆ GREE、逆転劇の真相!

次に、営業利益の推移を見てみることにしましょう。
四半期ごとの営業利益の推移(08Q4-2011Q3)
売上ではDeNAを急追しながらも及ばなかったGREEですが、営業利益ではDeNAを逆転しています。この逆転劇には2つの要因があります。それはGREE自身の要因、そしてDeNAの要因です。

まずは、GREE自身の要因。先ほど述べたように課金売上が大きく伸びていました。課金売上はボッタクリ度利益率の高いビジネス。売上の伸びがダイレクトに利益に繋がります。

次に、DeNAの要因。DeNAは投資をしたことによるコスト増を売上でカバーすることが出来ず、減益となってしまったのです。

◆ SNS3社のバランスシートを比較すると…

さて、2011年度の本決算時点の各社のバランスシートを比べてみたのが下記の図です。
SNS各社のBS(2011年本決算)

総資産の大きい順に、DeNA、GREE、mixiとなっています。


いわゆる財務の健全性という意味では3社とも全くもって健全です。唯一、DeNAは灰色の「のれん」が重いように見えますが、四半期の利益と比較すれば問題とはなりません。

しかし、SNSのように資産を抱えないビジネスの場合、バランスシートを見てもあまり意味がないかもしれません。SNS各社のとって「投資とは何か?」を考えた場合、開発用の人件費であり、広告宣伝費ということになるでしょう。

◆ ハードルは低くしておくものよ

さて、営業減益の決算発表を受けた11月1日、DeNAの株価は20%以上も下落しました。株主からの成長期待が高すぎたのです。現在の株価水準はほぼ妥当な水準といえるでしょう。DeNAの投資の意味合いを確認できるのであれば参入のチャンスかもしれません。


気になった方は各社の個別の財務ページを見てみてください!

★ ディー・エヌ・エー[2432]の詳細はこちらから
★ グリー[3632]の詳細はこちらから
★ ミクシィ[2121]の詳細はこちらから



★ 注目の銘柄・気になる投資情報をピックアップしてお届けします。 最新情報は 無料会員登録 からのメルマガでチェック!
SharesBLOGをフォローしましょう