上杉隆が明かす「ジャーナリスト無期限休止」宣言の真相

[2012年01月13日]


昨年11月、来日したダライ・ラマ氏を呼び会見を行なった自由報道協会代表の上杉隆氏(右)。昨年末からジャーナリストを無期限休止中だが、その真意は?

「2011年12月31日をもってジャーナリストとしての活動を無期限休止する」

半年前、こう宣言した自由報道協会代表のフリージャーナリスト、上杉隆氏。過去、数々の政治家のスキャンダルを追求してきた一方で、同業者ともいえる日本の記者クラブを批判するなど、世にはびこる“権力”とペンの力で戦ってきた上杉氏が、なぜ今、ジャーナリストとしての活動を休止するのか。その真意について、1月6日売りの『週刊プレイボーイ』誌上で明かしている。

AKB48の指原莉乃と峯岸みなみが、巷(ちまた)で話題のニュースのポイントについて上杉氏に質問するという「AKB48でもわかるニュースの言葉」という連載コーナー。そこで上杉氏は、まずふたりに「ジャーナリストの定義」をこう説明した。

「実は、ジャーナリストっていう職業の定義は日本では曖昧(あいまい)なんだ。海外の基準では、どんな分野でもいいんだけど、取材して、その事実に基づいて記事を書いたり報道したりする人だね」

続けて上杉氏は、「評論家」や「コメンテーター」とは異なる、と説明する。

「評論家は取材をしなくてもいい。テレビや新聞や雑誌、インターネットを見て、情報を分析して、自分の頭の中で組み立てて発信できる。一方コメンテーターは、評論家よりももっと一般的な意見を言う人のことだよね。評論家は専門的な知識があるけど、コメンテーターは一般的な感覚で言うことが許される。一般人の代表というカテゴリーで日本に特有の職業だね」

上杉氏の定義では、ジャーナリストとは「意見を発信する人」ではなく「取材をした事実のみを発信する人」。つまり、ジャーナリストでなくなれば、取材していないことも「個人的な意見」として発言できることになる。

「ジャーナリストは休業するって言ったけど、ジャーナリスト以外は休業するって言ってないから、これからは取材をしてないことでもバンバン発信しようと思ってるんだ。ジャーナリストを名乗らなければもっと過激な意見も言えるからね」(上杉氏)

上杉氏は、権力と戦うことを放棄したわけではなく、むしろ今までより過激に意見を発信するため、あえて「ジャーナリスト」という肩書きを捨てたということ。“ジャーナリスト魂”はまだまだ健在だ。

(取材/村上隆保、撮影/井上賀津也)

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