韓国の与野党が4月の総選挙を前に、党の代表選をめぐる買収疑惑で揺れている。昨年10月のソウル市長選で示された既成政党への有権者の不信がさらに高まるのは必至で、総選挙や12月の大統領選にも影響を与えそうだ。
与党・ハンナラ党の疑惑は、党代表を選ぶ2008年の党大会を前に、候補者だった朴●(●は火へんに喜)太(パク・ヒテ)・現国会議長側が現金入りの封筒を同党議員らにばらまいたというもの。与党議員の1人が今月、300万ウォン(約20万円)が入った封筒を受け取ったと暴露し、検察が捜査に乗り出した。
同党では、ソウル市長選で公認候補が市民派候補に敗れたことなどを受け、昨年12月に党代表が辞任を表明。次期大統領選の有力候補である朴槿恵(パク・クネ)・元党代表をトップとする非常対策委員会を立ち上げ、党の立て直しに着手した直後だけに、今回のスキャンダルは大きな痛手だ。