今回の内閣改造で「知る人ぞ知る」2人が初入閣した。法相の小川敏夫参院幹事長(63)と、国家公安委員長兼拉致問題担当相の松原仁国交副大臣(55)だ。野田内閣の頼もしい戦力になるのか、新たな火種になってしまうのか…。
小川氏は立教大卒で、22歳で司法試験に合格。東京地検の検事を経て、1981年に弁護士登録した。88年には女優の市毛良枝さんと結婚したが、その後、離婚している。中央競馬と地方競馬の馬主でもあり、93年にはイタリアンカラーがGIIの日経賞で2着に入っている。
小川氏は死刑制度廃止論者との声もあるが、13日の就任会見では死刑について「職責をしっかりと果たしたい」と述べ、執行に前向きな姿勢を示した。また、小川氏は外国人参政権に前向きといい、その意味では民主党的な法相といえそうだ。
一方、松原氏は、野党時代から拉致問題に積極的に取り組んできたことで知られ、超党派による議員連盟の事務局長を務める。昨年9月に国交副大臣と兼務の形でいったん拉致担当副大臣に就任したが、「拉致担当副大臣の認証を受けていない」と指摘を受けて幻に終わっていた。
尖閣諸島での中国漁船衝突事件についても、菅内閣の弱腰ぶりを批判しており、国家公安委員長としても、前任の山岡賢次氏よりは適任とみられる。
ただ、松原氏の選挙区が東京3区で、東京都の石原慎太郎知事の3男、宏高氏=自民党=と激突している。このため、「慎太郎氏は、息子の対立候補が大臣に就任したことを快く思わないはず。今後の政界再編にも影響するかもしれない」(自民党中堅)との観測もある。