秋田市の弁護士、津谷裕貴さん(当時55歳)が同市の無職、菅原勝男被告(67)に殺害された事件で、懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡した秋田地裁の裁判員裁判判決に対し、秋田地検は22日、「量刑不当」として仙台高裁秋田支部に控訴した。菅原被告も21日に控訴している。
秋田地検の門野坂修一検事正は臨時の記者会見を開き「遺族の悲痛な気持ちや、被告の法廷での傍若無人な言動などが、判決では言及がなかった」と指摘。「(裁判員による)国民目線での判決だということを承知した上でも、納得いくものではない」と控訴理由を説明した。
津谷さんの妻、良子さん(54)は「私たち遺族の心情などを踏まえ、控訴審では十分に審理していただきたい」とコメントした。
これまで秋田地裁では裁判員裁判が8件行われたが、検察側が控訴したのは初めて。【加藤沙波】
毎日新聞 2011年12月23日 地方版