2011年11月15日 20時23分 更新:11月15日 22時54分
東京都世田谷区八幡山のスーパー敷地と周辺で高い放射線量が計測された問題で、文部科学省は15日、地表の線量が最大だった毎時170マイクロシーベルトの場所の掘削調査を行い、地中約75センチから瓶1本(直径約5センチ、高さ約10センチ)を発見、中に茶褐色の塊状になったラジウム226が入っていたと発表した。瓶を除去すると毎時40マイクロシーベルトまで下がった。また約1メートル東側の地中55センチの場所からも、直径2~4センチのラジウム226の塊3個が見つかった。
このスーパーでは、線量が2番目に高かった毎時110マイクロシーベルトの場所でもラジウムが見つかっている。これで毎時100マイクロシーベルト以上の高線量だった2地点で原因がいずれもラジウムと判明し、線量源が除去された。文科省は、15日に見つかったラジウムを、放射線を遮る鉛製容器2本に入れ、敷地内の倉庫に保管した。後日、専門業者が引き取る。また除去後の土壌は、瓶から出て混ざったとみられるラジウムで線量がやや高いため、引き続き土壌を除去する。
この土地の所有者は全国農業協同組合中央会(JA全中)で、73年に、廃校した協同組合短大から購入し、職員寮や駐車場として利用してきたという。【野田武】