- 概要
C400 は C300 の正常進化型で Micron 製 25nm プロセスの 2bitMLC NAND フラッシュメモリと 88SS9174-BLD2 という新型のコントローラー(詳細不明、-BJP2 と大きな差は無く高クロック化し転送速度を向上させ、機能を追加し 25nm に対応したものであるとの事)を搭載している。基板は C300/P300 に良く似ているが NAND フラッシュメモリチップが TSOP パッケージになったのに合わせた新設計。ケース形状や Crucial 版が Micron 版のケースにステッカー (水色) を貼っただけのものである点やスペーサーにて 7.0mm 厚版と 9.5mm 厚版を作り分けている点も C300 と同じ。64GB 版のみ名称が C400V となり保証書き込み量と DRAM キャッシュ容量が半分となる。また 512GB 版は DRAM キャッシュが 512MB になっている。従来通りMicron ブランド品は OEM とバルク (三月から国内で流通が開始しているがメーカー保証無しの平行輸入品) のみ供給し、リテールパッケージはレキサーメディア (Crucial) からのみ m4 という名称で四月末から販売された。(国内代理店は C300 に引き続き ST-Trade、JDS、ITC) Crucial は C300 では Micron 版と似た名称・型番を使用していたが、C400 ベースの m4 からは名称・型番共に Crucial 独自色の強いものとなった。(google で "C300" を検索すると自動車の 「Mercedes Benz C300」がヒットしていた事や "C400"で検索すると DELL のノート PC "Latitude C400"がヒットしていた事が原因の可能性がある。また"m4"とわざわざ小文字になっているのは大文字だと米軍の正式ライフル"M4 Carbine"と紛らわしい為と言われている。型番の方は Micron に似た長いものではなく短く覚えやすいものにされている。C300 ではフリーズするバグを抱えたまま白を切って一年間売り続ける等、レキサーメディア /Crucial のマーケティング能力は高い。)
- C300 登場時は高いシーケンシャル速度で注目を集めたものの、C400 登場時には既により公称スペックが上の Intel SSD 510、PLDS M2S、Vertex 3 等が登場しており注目度は低い。また、やはり日本語のサポートページなどは用意されていない。
- GC と速度低下
C300 同様 GC の頻度が少なすぎる問題があり Trim が使用できない環境では大幅に速度低下を起こすので
Trim 対応環境が必須かつ書き込み量が多い・常にドライブに何らかのアクセスが発生するような用途に適さない。
(AnandTech によると他の SSD は空きページ・ブロック断片化を解消する為にリアルタイムで GC を行い、その為にベンチ上でレイテンシが平均・最大共に高くなる傾向にあるが C300/C400 はこれを行わないためにベンチマークでレイテンシが低くなり一見高速に見える。しかし GC が開始されるタイミングが遅すぎる為空きページ・ブロックの断片化が起こりやすく速度低下が大きいとしている。また速度低下している状態でのランダムライト中には最大で 1.4 秒の遅延が発生している。AnandTech は殆どのユーザーの環境ではここまで速度低下はしないと思うと言っているが、同時に何ヶ月も継続使用テストを行うことは難しいので断言も出来ないとしている。)
- パフォーマンス
C300 はランダムリード・ライト共に 4KB に最適化され 512byte の IOPS がリード・ライト共に 4KB IOPS 以下と非常に低かったが、C400 ではランダムリード IOPS は 512byte < 4KB で 4KB に最適化されている点では C300 と変わらないものの、それでも SSD 510 や PLDS M2S よりも ランダムリード 512byte IOPS が上回っており、ランダムライト IOPS に関しては C300 と異なりブロックサイズ 4KB よりも 512byte の方がスコアが高くなっている為 C300 の重大な弱点のひとつが解決され体感速度が向上している可能性がある (また C300 程は極端にパーティションアライメントの影響を受け辛くなっている可能性がある)。但し実使用系のベンチマークのスコアは C300 と大差ないか下がっているものもあり、SSD 510 や Vertex3 に劣っている場合が多い。シーケンシャルは高速 (読み出しが速く書き込みは遅い非対称な性能) なのでどちらかというとデータドライブ (読み出し専用) に最適である。
- 25nm
NAND フラッシュメモリが 25nm にシュリンクされたが、Micron は NAND フラッシュメモリに関しては本業でありフラッシュメモリに対するテストは万全な為寿命についてはそれなりに期待出来る。AnandTech によると Micron の 25nm は保障書き換え回数が 3000 回だが同じシリコンを使用する Intel は 5000 回であり、回数の違いはテスト・検証方法の違いによるもので品質に違いは無いとの事。
- 各種トラブル
公式フォーラムには各種トラブル報告が上がっており、そのうちいくつかは C400/m4 固有のものである可能性がある。なんらかのトラブルが発生したら公式フォーラムの似た事例を探す事。C300 同様 SATA LPM の問題が発生しており C300 同様の対処方法を行う事。C300 同様 MacBook へ搭載した場合に動作が不安定になるが、これも C300 同様 MacBook 側に問題がある可能性が高い。
- 2011/5/13 M4 Dell XPS 17 Blue Screen
RealSSD C400/ Crucial m4 が他の SSD よりも優れているポイント
- Intel の SSD 510 や Vertex 3、PLDS の M2S 等はケースが 9.5mm 厚固定だが、C400/m4 はなんとスペーサーを外すと手軽に 7.0mm 厚に!
ブランド・型番※ |
容量 (user/ 搭載量) |
形状 |
シーケンシャル リード/ライト (MB/s) |
RR4KB/RW4KB (IOPS QD=32) |
保証 書き込み量※2 |
保証 |
価格 |
Micron MTFDDAC064MAM-1J1 Crucial CT064M4SSD2 Crucial CT064M4SSD2CCA |
64GB /64GiB |
2.5"SATA (厚さ 9.5mm) |
415/95 MB/s |
40,000/20,000 |
36TBW |
三年 |
- |
Micron MTFDDAC128MAM-1J1 Crucial CT128M4SSD2 Crucial CT128M4SSD2CCA |
128GB /128GiB |
415/175 MB/s |
40,000/35,000 |
72TBW |
Micron MTFDDAC256MAM-1K1 Crucial CT256M4SSD2 Crucial CT256M4SSD2CCA |
256GB /256GiB |
415/260 MB/s |
40,000/50,000 |
Micron MTFDDAC512MAM-1K1 Crucial CT512M4SSD2 Crucial CT512M4SSD2CCA |
512GB /512GiB |
Micron MTFDDAK064MAM-1J1 |
64GB /64GiB |
2.5"SATA (厚さ 7.0mm) |
415/95 MB/s |
40,000/20,000 |
36TBW |
Micron MTFDDAK128MAM-1J1 |
128GB /128GiB |
415/175 MB/s |
40,000/35,000 |
72TBW |
Micron MTFDDAK256MAM-1K1 |
256GB /256GiB |
415/260 MB/s |
40,000/50,000 |
Micron MTFDDAK512MAM-1K1 |
512GB /512GiB |
Micron MTFDDAA064MAM-1J1 |
64GB /64GiB |
1.8"SATA (厚さ 5.0mm) |
415/95 MB/s |
40,000/20,000 |
36TBW |
Micron MTFDDAA128MAM-1J1 |
128GB /128GiB |
415/175 MB/s |
40,000/35,000 |
72TBW |
Micron MTFDDAA256MAM-1K1 |
256GB /256GiB |
415/260 MB/s |
40,000/50,000 |
Micron MTFDDAA512MAM-1K1 |
512GB /512GiB |
※1 Crucial ブランド型番末尾"CCA"のものは C300 に引き続きパーティションコピーソフトと USB 変換アダプタ付属。今のところ Crucial は 1.8"版は扱っていない
※2 ドライブ全域、シーケンシャル 50% + ランダム 50% (内訳 128k 35% + 64k 35% + 32k 10% + 16k 10% + 8k 5% + 4k 5%) 時のもの
コントローラーチップ |
製品版 /88SS9174-BLD2 P3T0370.5 / P3T0370.6 ES /88SS9174-BKK2 P6B5960D.1 |
ファームウェア |
0001 |
フラッシュメモリ |
256GB 版 /Micron 29F128G08CFAAB (25nm 2bitMLC 16GB)* 16 512GB 版 /Micron MT29F256G0CJAAB (25nm 2bitMLC32GB) * 16 |
訂正不能エラーレート |
1/10^15 |
DRAMキャッシュ |
64GB版 /DDR3 128MB (?) 128/256GB版 /DDR3 256MB (MT41J128M16HA-15E:D) 512GB版 /DDR3 512MB (MT41J128M16HA-15E:D * 2) |
衝撃耐性(動作中) |
1500 G/1.0ms |
振動耐性(動作中) |
2-500 Hz at 3.1G |
動作温度 |
0-70度 |
インターフェース |
SATA3.0 6Gbps (ATA8-ACS) Trim/NCQ(QD=32)対応 |
コネクタ形状 |
SATA (1.8インチ版のみコネクタ形状は microSATA) |
消費電力(最大) |
2.3W/64GB~4.9W/512GB |
消費電力(待機時) |
0.08W |
動作電圧 |
5V (2.5"版) 3.3V (1.8"版) |
重量 |
73~75g/2.5"版 45g/1.8"版 |
※フラッシュメモリはTSOPパッケージとなり、それに合わせてPCBも変更されている。2.5"版と1.8"版は C300 同様別設計基板となっている。シンガポール製。
バージョン |
リリース日時 |
変更点 |
備考 |
Ver.0001 |
2011 |
- |
初期搭載 |
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