Samsung について
- DRAM、フラッシュメモリ他半導体や HDD で(時に良くない)実績とシェアがあるメーカー。SSDに関してはほぼ全てのコンポーネントが内製だが、PC用 DRAM では DDR までは鉄板だったものの DDR2 以降は品質的にも性能的にも目立たず、フラッシュメモリに関してもその品質の低さ/不良率の高さからスマートフォン市場でのシェアを失った。2010 年頃からメーカー PC や OEM の採用例が激減し転落中。現在では特に性能面で目立って他社より優れた点が無い上サポート体制や情報公開が不十分かつ導入事例が少ない為トラブルが発生した場合ハマる可能性が高く、余りお勧め出来ない。
Samsung の SSD
- Samsung は SSD が一般化する前から他社に先駆けて多種多様な各種メモリーカード・シリコンディスクを設計しており、2007年初頭には HDD 互換形状の SSD、2007 年中盤には SLC 採用の SATA インターフェースの SSD をリリース、MMCRE64G5MPP-0VA 等は HDD を製造していた経験も生かし比較的完成度が高くファームウェアのバグが少ない点、高速である点 (現在の基準からすると特にランダムライトが低速な部類であるが当時の基準では高速であった) Intel X25-M/E G1 と並び鉄板とされており IO データが初期不良のみ二週間保証で SSDN-S64B として扱っていた事もある。(エロ寒と呼ばれた)
- 2007/11/6 Samsung、転送速度100MB/sec超の64GB SSD
- MLC の PB22-J や PM410、PM800、PM810 シリーズは互換性 (インターフェースレベルのバグ) は少なくトラブルは少なかった為かレノボや Apple 、東芝等の PC メーカーに採用され、CORSAIR (PB-22J、Performance シリーズ CMFSSD-*GBG2D として販売) や Kingston (RB22-J、SSDNOW V+ シリーズ SNV225-S2/*G 系として販売) 等の保守的で安定性重視のベンダーと OCZ (RB22-J、Summit シリーズとして販売) 等が OEM 販売していたが、あまり性能は高くなく、その上速度低下が非常に大きく特に空き領域が少なくなると特にランダムライト性能が大きく速度低下し、また専用の SSD 最適化ツール等は用意されていなかった。これは東芝は第一世代目 (2008/9~) から性能が安定していた事や後発の Intel が第二世代目から専用の最適化ツールを配布していた (2009/10~) 事から考えても長い経験の割には SSD コントローラー・ファームウェア等 (特に MLC 用) の研究が進んでいなかった事を示している。またここまでは Samsung は基本的に大口顧客のみを相手にしていた為 OEM 品かバルク以外に入手方法は無かったが、この後バグが少なく速度低下もしない上高速な東芝製 SSD に乗り換えるベンダーや PC メーカーが続出しシェアを失った為なのかは一切不明だが 2010年中盤頃から Samsung は個人向けに新型の 470 シリーズをリテール販売するようになる。
- AnandTech - What`s Wrong with samsung?
AnandTech は単にランダム 4KB だけを見て Samsung や Samsung を搭載する PC メーカーを批判しているが、当時のバグだらけの Indilinx 等をメーカーが採用するのはかなり難しかった
- Samsung は HDD ではエンタープライズ向け機種はリリースして来なかったが SSD に関しては積極的にエンタープライズ向けの機種を開発・販売している。
- Intel や東芝は最初の設計を徐々に熟成させ品質を向上させているのに対し Samsung は完全新設計の基板を投入しているが基板にはスタンプやバーコードが見当たらず品質管理体制への疑問が残る。またファームウェアの配布ページが毎回変わり、しかも修正点が大雑把にしか書かれておらずファームウェアを適用する事で現在ユーザーが抱えている問題が解消するかを判断する事が出来ない上、ファームウェアアップデートを適用すると全データが消える。また過去のリリースノートが参照できない点は企業の隠蔽体質を表している。このように長い経験と実績の割に性能が安定しておらず、全くのトラブルフリーではないのにも関わらず Intel や Crucial に比べてサポート体制も情報公開もぞんざい (これまで個人ユーザーを相手にして来なかった事から来る経験不足か) な為、他にサポートや情報公開が進んでいる Intel やメンテナンスフリー・トラブルフリーの東芝が有る上、特に目立った売りも無い Samsung の SSD は個人ユーザーが積極的に手を出す理由は無い。(Samsung は基本的に企業ユーザーや OEM 供給を主体にしている)。
- 最近の Samsung 製 SSD は 2.5" 形状であっても PCB は 1.8" 用と共通の場合が多く、PCB の面積が狭い為に最大でも 256GB までのラインナップになっている場合が多い。
Samsung SSD 公式(英語) Samsung SSD カタログ Samsung SSD 旧機種 |
SSD コントローラー一覧
※いずれもARMベースである
型番 | インターフェース | 搭載可能NANDフラッシュ | DRAMキャッシュ | 備考 |
S4LD178X01 | PATAUDMA66 | 3.3V駆動 | ||
S3C49RBX01-YH80 | SATA2.x 3GbpsNCQ | SLC/MLC (4ch接続?) |
SDRAM搭載可 | PB22-J 等が搭載 |
S3C29RBB01-YK40 | SLC&MLC (8ch接続) |
DDR128MB~搭載可 | PM800 等が搭載 | |
S3C29MAX01-Y340 | SATA2.x 3GbpsNCQ | MLC? | DDR2搭載可 | SSDMagician対応 470 シリーズが搭載 |
470 シリーズ (MZ-5PA シリーズ)
- 従来はメーカー PC やパーツメーカーへの OEM 供給のみで国内ではそれら以外ではバルク品で入手する他無かった Samsung SSD だがメーカー PC から採用される機会が減ったからなのかは一切不明だが、日本国内で 2010 年 8 月頃からリテールパッケージで供給され始めたのがこの 470 シリーズである。旧世代の MLC 採用 SSD からコントローラー・アルゴリズムを一新しており 30nm 世代の NAND フラッシュを搭載し、速度低下は非常に大きいもののアイドル時に GC (ガベージコレクション)により速度低下が回復する (最新ファームウェアでは速度低下自体しにくくなっている)。Intel の SSD TOOL BOX に遅れる事 10 ヶ月、ようやく 470 シリーズのみに対応した SSD Magician (Performance Optimization) という最適化ツールが提供されており、ファイルシステム上の空き領域分の Trim コマンドを発行する機能がある。
- しかしメンテナンスツールや Trim コマンド無しでも全く速度低下しない東芝 HG2 や SATA 6Gbps 対応の RealSSD C300 が既に存在していた為、全くのトラブルフリーでもなければ (数回のファームウェアアップデートが行われた) 速度低下もある上圧倒的なパフォーマンスも無くそれ程安価でも無かった 470 シリーズは、わざわざ最大リード速度 250MB/s と最大ライト速度 220MB/s の数字を足して「470」というインチキ臭いネーミングの甲斐も無く、騙されてくれる情弱が少なかった為か SSD 業界では目立たず流通量も少なかった。
- ようやくファームウェアが安定して来たからなのか、Mac Book Air late 2010 の 2010/12月頃以降生産のロットに Apple SSD TS128C として採用された模様。SSD コントローラーは 470 シリーズと同一だが 2.5"形状ではなく専用の特殊なスティック型のモジュール。(AnandTech)
470 シリーズ特設サイト(英語) |
- 2011/01/20 Samsungが個人向けSSD事業を本格化,米国に続き韓国市場へ展開
- 2011/01/21 Samsungが韓国でのSSDの新製品発売を前にイベント開催,パワーブロガーなど150人が集まる
OEM のシェアを失った事実との関連性は一切不明だが個人向け販売に力を入れる Samsung。
- 忘却の彼方: SAMSUNG 470 series SSD 「MZ-5PA064」
- こだわりのMONO Samsung 470 series SSD 「MZ-5PA128」のパフォーマンス(1)
- こだわりのMONO Samsung 470 series SSD 「MZ-5PA128」のパフォーマンス(2)
- こだわりのMONO Samsung 470シリーズ MZ5PA128のファームウェア更新とSSD Magician 1.03beta
- 不定期 [exa5] MZ5-PA (Samsung SSD 470) 128GB。>>http://www.exa5.jp/diary/eid395.html
- SAMSUNG 470 Series SSD MZ-5PA064 その2
- スペック一覧
シリーズ名 | 型番 | コントローラー チップ |
インターフェース | 容量 (GB) |
NAND のタイプ |
DRAM キャッシュ(MB) |
形状 |
470 | MMCDE64G5MHQ-0AXBB MZ5PA064HMCD-0AA00 |
S3C29MAX01-Y340 | SATA2.6 3Gbps Trim/NCQ |
64 | MLC (3xnm) |
256 (DDR2-667) |
2.5"SATA |
MMCDE28G5MHQ-0AXBB MZ5PA128HMCD-0AA00 |
128 | ||||||
MMDRE56G5MHQ-0AXBB MZ5PA256HMDR-0AA00 |
256 |
※保障書き込み量は 21.9TB (一日20GBx3年)
- ファームウェア更新履歴
リリース日時 | バージョン | 更新内容 |
AXM0501Q | ||
AXM0701Q | SMART の項目が大幅に減少する | |
2011/02/07 | AXM08B1Q | Minor bug fixed, Improved compatability |
AXM09A1Q | APPLE SSD SM128C が搭載 |
MZ-5EA シリーズ
- 去年プレスリリースが発行され、SATA IO に 2011/4/12 付けで登録されている新型。現在はまだサンプル品の可能性がある。
- SATA 3Gbps かつ NCQ 対応の 30nm 世代の NAND フラッシュメモリを採用したエンタープライズ向け SSD でランダム性能は 43,000/11,000 となっている。SLC 版も用意される。
- 2010/12/21 SAMSUNG Sampling High-performance MLC-based Solid State Drives for Enterprise Storage
- SATA IO
製品型番 |
MZ5EA100HMDR |
MZ5EA200HMDR |
MZ5EA400HMDR |
Revision: 1137HP03