Samsung について
  • DRAM、フラッシュメモリ他半導体や HDD で(時に良くない)実績とシェアがあるメーカー。SSDに関してはほぼ全てのコンポーネントが内製だが、PC用 DRAM では DDR までは鉄板だったものの DDR2 以降は品質的にも性能的にも目立たず、フラッシュメモリに関してもその品質の低さ/不良率の高さからスマートフォン市場でのシェアを失った。2010 年頃からメーカー PC や OEM の採用例が激減し転落中。現在では特に性能面で目立って他社より優れた点が無い上サポート体制や情報公開が不十分かつ導入事例が少ない為トラブルが発生した場合ハマる可能性が高く、余りお勧め出来ない。



Samsung の SSD

  • MLC の PB22-J や PM410、PM800、PM810 シリーズは互換性 (インターフェースレベルのバグ) は少なくトラブルは少なかった為かレノボや Apple 、東芝等の PC メーカーに採用され、CORSAIR (PB-22J、Performance シリーズ CMFSSD-*GBG2D として販売) や Kingston (RB22-J、SSDNOW V+ シリーズ SNV225-S2/*G 系として販売) 等の保守的で安定性重視のベンダーと OCZ (RB22-J、Summit シリーズとして販売) 等が OEM 販売していたが、あまり性能は高くなく、その上速度低下が非常に大きく特に空き領域が少なくなると特にランダムライト性能が大きく速度低下し、また専用の SSD 最適化ツール等は用意されていなかった。これは東芝は第一世代目 (2008/9~) から性能が安定していた事や後発の Intel が第二世代目から専用の最適化ツールを配布していた (2009/10~) 事から考えても長い経験の割には SSD コントローラー・ファームウェア等 (特に MLC 用) の研究が進んでいなかった事を示している。またここまでは Samsung は基本的に大口顧客のみを相手にしていた為 OEM 品かバルク以外に入手方法は無かったが、この後バグが少なく速度低下もしない上高速な東芝製 SSD に乗り換えるベンダーや PC メーカーが続出しシェアを失った為なのかは一切不明だが 2010年中盤頃から Samsung は個人向けに新型の 470 シリーズをリテール販売するようになる。
  • AnandTech - What`s Wrong with samsung?
    AnandTech は単にランダム 4KB だけを見て Samsung や Samsung を搭載する PC メーカーを批判しているが、当時のバグだらけの Indilinx 等をメーカーが採用するのはかなり難しかった

  • Samsung は HDD ではエンタープライズ向け機種はリリースして来なかったが SSD に関しては積極的にエンタープライズ向けの機種を開発・販売している。

  • Intel や東芝は最初の設計を徐々に熟成させ品質を向上させているのに対し Samsung は完全新設計の基板を投入しているが基板にはスタンプやバーコードが見当たらず品質管理体制への疑問が残る。またファームウェアの配布ページが毎回変わり、しかも修正点が大雑把にしか書かれておらずファームウェアを適用する事で現在ユーザーが抱えている問題が解消するかを判断する事が出来ない上、ファームウェアアップデートを適用すると全データが消える。また過去のリリースノートが参照できない点は企業の隠蔽体質を表している。このように長い経験と実績の割に性能が安定しておらず、全くのトラブルフリーではないのにも関わらず Intel や Crucial に比べてサポート体制も情報公開もぞんざい (これまで個人ユーザーを相手にして来なかった事から来る経験不足か) な為、他にサポートや情報公開が進んでいる Intel やメンテナンスフリー・トラブルフリーの東芝が有る上、特に目立った売りも無い Samsung の SSD は個人ユーザーが積極的に手を出す理由は無い。(Samsung は基本的に企業ユーザーや OEM 供給を主体にしている)。

  • 最近の Samsung 製 SSD は 2.5" 形状であっても PCB は 1.8" 用と共通の場合が多く、PCB の面積が狭い為に最大でも 256GB までのラインナップになっている場合が多い。
Samsung SSD 公式(英語)
Samsung SSD カタログ
Samsung SSD 旧機種


SSD コントローラー一覧 ※いずれもARMベースである
型番 インターフェース 搭載可能NANDフラッシュ DRAMキャッシュ 備考
S4LD178X01 PATAUDMA66 3.3V駆動
S3C49RBX01-YH80 SATA2.x 3GbpsNCQ SLC/MLC
(4ch接続?)
SDRAM搭載可 PB22-J 等が搭載
S3C29RBB01-YK40 SLC&MLC
(8ch接続)
DDR128MB~搭載可 PM800 等が搭載
S3C29MAX01-Y340 SATA2.x 3GbpsNCQ MLC? DDR2搭載可 SSDMagician対応
470 シリーズが搭載


470 シリーズ (MZ-5PA シリーズ)
  • 従来はメーカー PC やパーツメーカーへの OEM 供給のみで国内ではそれら以外ではバルク品で入手する他無かった Samsung SSD だがメーカー PC から採用される機会が減ったからなのかは一切不明だが、日本国内で 2010 年 8 月頃からリテールパッケージで供給され始めたのがこの 470 シリーズである。旧世代の MLC 採用 SSD からコントローラー・アルゴリズムを一新しており 30nm 世代の NAND フラッシュを搭載し、速度低下は非常に大きいもののアイドル時に GC (ガベージコレクション)により速度低下が回復する (最新ファームウェアでは速度低下自体しにくくなっている)。Intel の SSD TOOL BOX に遅れる事 10 ヶ月、ようやく 470 シリーズのみに対応した SSD Magician (Performance Optimization) という最適化ツールが提供されており、ファイルシステム上の空き領域分の Trim コマンドを発行する機能がある。

  • しかしメンテナンスツールや Trim コマンド無しでも全く速度低下しない東芝 HG2 や SATA 6Gbps 対応の RealSSD C300 が既に存在していた為、全くのトラブルフリーでもなければ (数回のファームウェアアップデートが行われた) 速度低下もある上圧倒的なパフォーマンスも無くそれ程安価でも無かった 470 シリーズは、わざわざ最大リード速度 250MB/s と最大ライト速度 220MB/s の数字を足して「470」というインチキ臭いネーミングの甲斐も無く、騙されてくれる情弱が少なかった為か SSD 業界では目立たず流通量も少なかった。

470 シリーズ特設サイト(英語)



  • スペック一覧
シリーズ名 型番 コントローラー
チップ
インターフェース 容量
(GB)
NAND
のタイプ
DRAM
キャッシュ(MB)
形状
470 MMCDE64G5MHQ-0AXBB
MZ5PA064HMCD-0AA00
S3C29MAX01-Y340 SATA2.6 3Gbps
Trim/NCQ
64 MLC
(3xnm)
256
(DDR2-667)
2.5"SATA
MMCDE28G5MHQ-0AXBB
MZ5PA128HMCD-0AA00
128
MMDRE56G5MHQ-0AXBB
MZ5PA256HMDR-0AA00
256
※保障書き込み量は 21.9TB (一日20GBx3年)

  • ファームウェア更新履歴
リリース日時 バージョン 更新内容
AXM0501Q
AXM0701Q SMART の項目が大幅に減少する
2011/02/07 AXM08B1Q Minor bug fixed, Improved compatability
AXM09A1Q APPLE SSD SM128C が搭載

MZ-5EA シリーズ

製品型番
MZ5EA100HMDR
MZ5EA200HMDR
MZ5EA400HMDR

Revision: 1137HP03