大粒の涙~自己破産という選択肢~
テーマ:*父のこと母のこと自己破産という選択肢については
家族中が考えざるを得ない問題でした
弟に言われるまでもなく
もちろん父が一番良くわかっていること
でも 父が自己破産をするということは
保証人が父の借金を全てかぶるということで
最悪の場合
保証人の方もまた
自己破産しなければならなくなるのです
父の保証人は
父を信じて尽力してくださっている方の一人で
そういう有難い方の人生
そして そのご家族の人生までをも
狂わせてしまうということなんです
幸い 保証人の方は父の自己破産を望んでいません
借金をかぶりたくないからではなく
仮に 今自己破産した方が
彼への被害を最小限に抑えられるのだとしても
続けてみる価値を信じて
応援してくださっているのです
それが 父が40年あまりをかけて築き上げてきた 『信頼』 であり
その思いに応えようと
そして 少しでも彼への負担を減らそうと
父も必死で努力しているのです
そんな父の姿や
保証人の方の気持ちを知っていながら
『もう諦めた方がいい』 と どうして言えるでしょうか
弟は 自分が父や保証人の立場でも同じ決断ができるのかな・・・
究極の立場に立たされると
その人が 何を大切に生きているのか
はっきりと浮かび上がるものですね
父は 人を大切にしています
でももちろん
人は人情だけでは生きていけないから
時には 心を鬼にして辛い決断もくださなければならない
だけどその決断が
断腸の思いの末の決断であってほしいと
わたしは思うのです
そこに人を思う心や 温かみがあれば
今わたしが抱いている種類の悲しみは 生まれないのです
父はその温かさを持っています
しかし弟から わたしは
その温かさを感じ取ることができません
弟と話しをしていて
ひとつだけ気づいたことがありました
弟が一番大切にしているものは 『自分』 だったのだということ
簡単に言えば
自分に災難がふりかかることが 嫌なんです
それを悟られたくなくて 難しい言葉を並べるのでしょうね
もっともらしい言葉を並べて 自分を正当化している
弟は 自分に被害が及ばない一番良い方法を探しているんです
だから 彼の考えから人を思う温かさを感じることができなかったのです
『できることはする』 口ではいつもそう言いながら
(最終的に提示した) たった5,000円の仕送りすら拒否した
その姿が 彼の心の全てを物語っていました
そういう人間が
いくらこれが賢い道だと語っても
その道を一緒に歩こうとする人はいないでしょう
人情だけじゃ生きていけないように
人は 理屈だけでも生きていけません
そこに 人を思う心がなければ
それがどんなに優れた賢い選択肢であっても
人はついて行かないものです
だからわたしは 父を信じ 父について行くのです
だってそうじゃなかったら
神さまはどうして人に 『心』 を与えたの・・・?
弟には ほんの少しでいいから
苦労をかけた父のために
今度は自分が何かしてあげたいって
そういう 優しい気持ちを持ってほしかった・・・