2011-02-24 18:41:40

大粒の涙~家族と他人~

テーマ:*父のこと母のこと

まわりの方の力添えで

なんとか持ち堪えてきた父の美容室でしたが


辞めていった3人のスタイリストに

(悪い表現ですが)

顧客を持っていかれてしまってことで大きな打撃を受け

売上は落ちる一方でした


美容業界では

独立する時や他店へ移る時に

顧客を引っ張っていくことは 基本的にタブーとされていますが


実際はどこでも行なわれていることで

父もまた 目をつぶっていました





その頃 わたしはすでに結婚していて

家を出ていました


わたしたちの生活もこのとおりで

少しでも仕送りしたかったけど


旦那さまにも迷惑をかけてしまうし

父も母も そんなことをしたら絶対ダメだと言うので


旦那さまのボーナスが出て

わたしもお小遣いをもらえた時だけ

ほんのわずかですが

仕送りするようにしていました





それくらいのことしかしてあげられず

父も母も 『心配しなくても大丈夫だから』 と

言ってくれてはいたけど


母は会うたびに痩せて小さくなって

父は疲れやストレスからか帯状疱疹を患って


そんな2人を

やっぱりわたしは見ていられなくて

やむを得ず 弟に連絡をしました


2人で少しずつでも出し合って

仕送りできないかお願いするつもりでした





この頃にはもう 弟は美容師を辞め

美容関連の会社で営業の仕事をしていたので


お給料やボーナスは人並みにもらっていたし

生活にも少し余裕を持てているはずでした



父の日や母の日に

やっと贈り物をするようになっていたこともあって


弟が 温かい返事をしてくれることを

少しだけ期待して連絡しました








お店のことどのへんまで聞いてるのかな?

少し相談したいことがあるので

都合のいいときに電話ください







そう入れたメールに対しての

返信がこれでした








(本文そのまま)


とりあえず秋の時点までは聞いています


自分は同じ業界だから言いますが

今の時代 親父の経営では立ち直れないです


こうなったことに対しては

正直言いたいことがたくさんありますが

もう今更遅いので 差し押さえられる前に

権利ごと店を居抜きで売ることが最良と思っています


それが可能かはわかりませんが


無理なら自己破産も悪くない選択でしょう


とにかく対策も方法も特にないまま

営業を続けているのは危険すぎます


俺からも多少の仕送りはできますが

それを経営や返済に回してしまうなら

お金を水に流すのと同じです


親父の店の問題に一家全員が飲み込まれたら

一生誰も立ち直れなくなります


ねぇちゃん自身の人生もあるので

自分のキャパを越えるようなことはしないでください


俺もできることはします

ただ一線は引きます








一瞬 目を疑いました





心臓が1度 ドクンと大きく脈打ち


それから一気に涙がこみ上げてきました





怒りなのか 悲しみなのか 落胆なのか

今までの弟の行いとか 父の思いとか 悔しさとか


もう自分でもわからないくらい

いろんな感情が洪水のように渦巻いて

その感情が行き場を失い 

目から滝のように流れ落ちました













まるで他人だな










弟の言ってることは正しいのかもしれない








でもこの美容室は 街のとある美容室じゃない


わたしたちは他人じゃない


そこに31年分の

いろんな思いがたくさん詰まってることを知ってる

世界にたった4人だけの家族なんだよ


家族だからこそ 簡単に割り切れないことがある

割り切っちゃいけないことがある








弟は何を見て生きてきたんだろう

大切なもの全部見落として 何を手にいれたんだろう・・・








この時ばかりは

どうしても耐え切れなくて

悲しませることわかっていたけど

初めて母に打ち明けました



母は


お父さんとお母さんさえちゃんとしていれば

ちゃんたにこんな辛い思いさせることもなかったのにね

ごめんね・・・


と言って泣きました




弟とは その後何度かやりとりしましたが

結局仕送りする意志はないようで


なんの足しにもならないかもしれないけど

わたしひとりで仕送りすることを決めました




昨年の 年末のことでした







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