2011-02-22 18:58:32

大粒の涙~弟とわたし~

テーマ:*父のこと母のこと

そうやって 父が懸命に仕送りしていたお金を

弟はどんな気持ちで受け取っていたんだろう






当時弟は20歳で

法律上ではもう大人だったけど

慣れない東京での生活や 初めての仕事に


父も母も そしてわたしも

元気にやれているのか いつも心配していました


しかし 半年くらい経った頃からでしょうか


そんな心配をよそに

弟は 当時一緒に上京した女の子と

彼女のアパートで生活するようになっていました





『自分のアパートにはほとんど帰っていない』


わたしにだけ そう軽い調子で話した弟









頭の芯が 熱くなりました









誰も住んでいないアパートの家賃を支払うために

仕送りを続けていた父





100歩譲って

仕送りで親に苦労をかけてもいい





だけどせめて

父の苦労がいっぱいに詰まったそのお金を

無駄にするようなことだけはしてほしくなかった





修学旅行に行かせてもらえず

ひとりホームで友人たちの姿を見送った父の


将来の夢を 実の父親に打ち砕かれた父の


祖母を支え ひとり懸命に生きてきた父の


だから息子には

自分のやりたいことをやらせてあげたいと決めた父の



熱い思いが

いっぱい詰まったお金だったのに!!!







こんなこと わたしは父にも母にも話せなかった


間違っていたのかもしれないけど

父を悲しませるようなこと どうしても言えなかった





弟がこういう類の話をするたび 誰にも話せず苦しかった


久しぶりに帰って来る弟を何ひとつ疑わず

心から嬉しそうな顔で迎える父と母を見るのが辛かった


わたしのこの気持ちを何度ぶつけても

弟には1mmも伝わらなくて悔しかった






ある日 アパートの更新に必要な資金がないから

助けてほしいという連絡がきました


でも 本当に生活が苦しくて

すぐに用意できるお金はありませんでした


わたしは 父が更新料を負担してまで

弟がそのアパートに住む資格はないと思ったから

会社の寮に入ることをすすめたけど


弟はそれだけは絶対に嫌だと言い張り

何も知らない父は 頭を抱えながらも

更新料18万円をなんとか工面しました






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