宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13日、職員の業務用パソコン1台がウイルスに感染し、内部の情報が流出したと発表した。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送する無人補給機HTV(愛称・こうのとり)の情報などが漏れた可能性があるという。
JAXAによると昨年7月6日、筑波宇宙センターでHTVの運用に従事する30代男性職員が、「忘年会」と題されたメールの添付ファイルを開いたところ感染。同様のメールは数人に送られ、送信者が職員の知人の名前と同じだったため勘違いして開封してしまったという。
パソコンに異常が検出された8月11日に調べたところ、ウイルス感染が判明。駆除したが解消されず、今年1月6日になって、別の新種ウイルスによって昨年7月6日~8月11日の間に情報が流出したことが新たに分かった。
漏えいした情報は確認できていないが、HTVの組み立てや物資搭載に関する手順書▽取引先を含む1000人分のメールアドレス▽JAXAの業務内システムや米航空宇宙局(NASA)のISS運用計画書などにアクセスできるIDとパスワード--が含まれているという。【岡田英】
毎日新聞 2012年1月13日 20時54分(最終更新 1月13日 22時24分)