ランニングを終えてクラブハウスに戻ってきた藤本=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF藤本淳吾(27)が12日、2012年の“自己中プレー”を宣言した。トヨタスポーツセンターで自主トレ後、新シーズンに向けて「自分が引っ張ってやっていく。もうちょっと自己中という感じ」と明言。12年型グランパスの中心として君臨する、それがチームのためになるという強い意思を吐露した。
穏やかな口調ながら、天才肌のレフティーからあふれる言葉は驚くほど自信と決意に満ちていた。移籍2年目。チーム内での立ち位置は変化する。藤本は「もう自分が引っ張っていかないといけない。それがチームにプラスになると思う」と言い切った。
昨年は33試合9得点。ただ、移籍1年目の遠慮や戦術理解に時間を要し、自身のプレーがチームになじむまでに半年ほどかかったという。ただ、シーズン後半には飛躍へのカギも見つけていた。「自分がボールを触っていればリズムが良くなる。自分のでき次第でチームが変わる」。だからこそ今年は「もうちょっと自己中という感じ。ボールをもらうときも持ってからも」と、プレーイメージを描いている。
ピッチ内での“自己中”には責任が伴う。ミスはピンチに直結し、軽いプレーは批判の的にさらされる。桐光学園高、筑波大、そして清水と、常に攻撃の中心にいた藤本は、百も承知だ。「やるからには責任を持ってやらなきゃいけない。ボール奪われたらすぐに自分で取り返しに行くとか」と、力を込めた。
闘莉王を筆頭に、玉田、小川、ケネディら強烈な個性を放つタレントが並ぶグランパス。しかし「お互いに生かし合えばいい」と、共存にも自信はある。頼れるエゴイストとなった藤本が攻撃の中心に君臨したとき、昨季無冠のチームはネクストレベルに達する。 (宮崎厚志)
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