01/13 19:17 更新
HIV感染の検査結果を無断で勤務先の病院などに伝えられ退職に追い込まれたとして、看護師が検査結果を教えた大学病院と勤務先を提訴しました。訴状によりますと、看護師は自らが勤務する病院など複数の病院の診察を経たうえで、去年8月、九州にある大学病院でHIV感染が判明しました。そして大学病院は、検査結果を本人には無断で前に診察した勤務先の病院などに伝え、看護師は勤務先する病院からの退職を余儀なくされたとしています。看護師は、検査した大学病院の医師から「自分に刺した注射針を患者に刺すことは有り得ず、仕事を続けることは可能。上司に報告する必要はない」と言われ、勤務先に感染を伝えませんでした。しかし、勤務先の病院で「HIVが陽性と聞いた。患者への感染リスクがなくなるまで休職してほしい。90日以上休職すると退職扱いになるが、やむを得ない」と言われ、退職を余儀なくされたとしています。看護師は双方の病院を相手取り1100万円あまりの損害賠償を求めています。看護師の代理人弁護士は「HIV要請の情報を得た大学病院が、本人の同意なしにそれを第三者に提供することは、絶対あってはならないこと」と話していました。厚労省のガイドラインでは、医療現場を含めた職場でHIVの感染が就業禁止や解雇の理由にはならないと規定しています。双方の病院は「訴状が届いておらず、コメントできない」としています。