【2010.9.29追記】コメントで酸化チタン・酸化亜鉛の粒径についてご指摘いただいたので、調べ直し、青色の箇所を加筆訂正しました。
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以前、オンリーミネラルのSPFパウダーについて感想を書いたのですが、その後、読者の方から「オンリーミネラル製品に配合されている酸化チタンは、コーティングされていないそうです」というメールをいただきました。
多くのミネラルファンデに含まれる「酸化チタン」と「酸化亜鉛」は、粒子がコーティングされていないと、紫外線に当たることにより、お肌を傷める「活性酸素」を発生させます(=光触媒効果)。特に酸化チタンは光触媒効果が高いそうです。また、酸化チタン・酸化亜鉛ともに、粒子が小さくなるほど光触媒効果が高くなります。
私は「お肌のお手入れと美容情報エトセトラ」さんのこちらの記事を読んで、日本のメーカーのMMUはコーティング酸化チタンを使っているものと思い込んでおりました。で、改めて販売サイトを調べてみると、オンリーミネラルのMMUって米国製だった!(汗)
「こうなったら、ミネラルファンデや日焼け止めに含まれる酸化チタン・酸化亜鉛について、コーティングの有無を調べてみないと!」と思って、とりあえず私が使っている製品&購入を検討している製品について、直接問い合わせたり、各公式サイトを調べたりしてみました。
以下、その結果です。ついでにナノ粒子の使用有無(酸化チタン・酸化亜鉛の粒径)についても調べました。
※「ナノ粒子」の定義は、現在のところ明確に定められていません。粒径100nm(ナノメートル)以下とする説もあれば10nm以下とする説もあり、メーカーにより解釈が分かれます。私は粒径100nm以下をナノ粒子とみなしています。ナノ粒子を吸い込むことによる肺の炎症(塵肺)については、下記サイトに記されています。塵肺は今のところ根本的治療方法がないので、予防が重要であり、ミネラル(=金属)粉末の吸い込みには慎重になる必要があると思います。
http://www.iph.pref.osaka.jp/merumaga/contents/12-3.html
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★ミネラルファンデーション(8社)
○オンリーミネラル
・酸化チタンのコーティング:なし
・酸化亜鉛のコーティング:なし
・ナノ粒子の使用:粒径は非公表。「マイクロメートル単位の粒子になりますので、万一飛散して吸い込んだとしても通常、異物として排出されます」とのこと。
○Etvos
・酸化チタンのコーティング:
プレスト・シアー・SPFパウダーは水酸化Al、ディアは水酸化Alとステアリン酸
・酸化亜鉛のコーティング:なし
(酸化亜鉛は活性が低く、コーティング材がポリマー等しかないため)
・ナノ粒子の使用:酸化チタン・酸化亜鉛とも粒径100nm以上→ナノ使用なし(以前SPFパウダーに配合されていましたが、現在は使っていないようです)
※参考サイト:http://faq.etvos.jp/ans.php?faq_id=42
○トゥヴェール
・酸化チタンのコーティング:水酸化Al
・酸化亜鉛のコーティング:水酸化Al
・ナノ粒子の使用:酸化亜鉛は粒径200〜500nm、酸化チタンは粒径1000nm→ナノ使用なし
※参考サイト:http://www.tvert.jp/diet.html
○MIMC
・酸化チタンのコーティング:なし
・酸化亜鉛のコーティング:なし
(サンスクリーンSPF50のシリカのみミネラルでコーティング)
・ナノ粒子の使用:サンスクリーンSPF50でナノ粒子使用。ミネラルファンデーションに配合している酸化チタン・酸化亜鉛の粒経は非公表で、「マイクロサイズを使用しております」とのこと。
○ドリーム(メイクさんのパウダーファンデーション)
・酸化チタンのコーティング:なし
・ナノ粒子の使用:粒径35nm
※酸化亜鉛は含有せず
○メリカ(ワン・ブラッシュ)
・コーティングについては社外秘
・ナノ粒子の使用:粒径は非公表。「ナノ粒子を使用しておりません」とのこと。
○スキンキュア・ラボ(ビューティフルスキン)
・酸化チタンのコーティング:なし
・酸化亜鉛のコーティング:なし
・ナノ粒子の使用:粒径は非公表。「弊社商品は経皮吸収だけでなく、医学的なスタンスで可能な限り肌にやさしい商品を目指した化粧品です。安心してご使用いただければと思います」「ビューティフルスキンのすべての商品において、ナノ粒子は使用しておりません」とのこと。
○ナチュラピュリファイ(24hファンデーション)
・酸化チタンのコーティング:なし
・酸化亜鉛のコーティング:なし
・ナノ粒子の使用:あり(粒径は問い合わせていません)
※参考サイト:http://naturapurify.jp/blog/2010/06/post_116.html
★日焼け止め(2社)
○松山油脂(日焼け止めローション)
・酸化チタンのコーティング:シリカ
・酸化亜鉛のコーティング:シリカ
・ナノ粒子の使用:酸化亜鉛は31nm、酸化チタンは34nm
○WELEDA(エーデルフラワーサンクリーム) ※廃盤商品
・酸化チタンのコーティング:ステアリン酸
・酸化亜鉛のコーティング:ステアリン酸グリセリル
・ナノ粒子の使用:酸化チタン、酸化亜鉛とも100〜200nm
○トータルヘルスデザイン(オードヴィーブ・サンスクリーン)
・酸化チタンのコーティング:ステアリン酸・シリカ
・酸化亜鉛のコーティング:同上
・ナノ粒子の使用:酸化チタン・酸化亜鉛とも130nm
調べてみて、改めて驚いたんですが、ノンコーティングの酸化チタンを使っているメーカーが結構多いんですね・・・
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さて、酸化チタン・酸化亜鉛についての私の考えですが、今のところは、
・ナノ粒子が使われている製品は買わない。
・酸化チタンはコーティングしたものが望ましい。
・たとえ酸化チタン・酸化亜鉛がノンコーティングであっても、日焼け止めやファンデを塗った方が、紫外線に直接当たるよりは肌ダメージが少ない。
といったところです。調べてみた8社のMMUのうち、「非ナノ」で「コーティング」という条件を満たしているのは、Etvosとトゥヴェールですね。でも、ノンコーティングの酸化チタンを使っているMMUも、下地に日焼け止めクリームを塗れば問題ないかな〜と思っています。
(私が愛用中の松山油脂の日焼け止めローション、粒径約30nmの酸化チタン・酸化亜鉛を使っています。もちろん100nm以上が望ましいですが、クリームに含まれるナノ粒子については吸い込みの心配がないので、手持ちの分は使ってしまおうかと思います。WELEDAは廃盤だし、オードヴィーブは高価だし、今後どうしようかなあ・・・)
酸化チタン・酸化亜鉛といった白色顔料は、化学的に安定している上にカバー力が素晴らしいので、やっぱりこれらを配合したMMUは手放せません。ホント、私はMMUのおかげで汚肌から甦ることができたと思っているので・・・
酸化チタン・酸化亜鉛の有害性を懸念するとしたら「吸い込み」、つまり、呼吸器から吸入することによる塵肺の問題だと思います(酸化チタンは、労働安全衛生法で「名称を通知すべき有害物質」に指定されています)。ナノ粒子化は、光触媒効果だけでなく、吸い込みの害という点からも問題があるといえます。
吸い込まないで使えるプレストファンデの方が、より安全といえるかもしれません。(ニキビ肌の人は、パウダーの方が肌への負担が少ないと思いますが)
Etvos「プレストミネラルファンデーション/SPF50 PA+++」
↑まだ試したことないんだけど、最近ニキビも出なくなっているし、今度買ってみようと思います☆
ナチュラピュリファイの「24hファンデーション」も、プレストタイプのMMUといえるけど、酸化チタンがナノ粒子でノンコーティングなんですよね・・・。それにしても、「24h〜」は、最近どこのお店にいっても置いててスゴイですね・・・
以上、酸化チタン・酸化亜鉛についてのリサーチ記事でした!
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検索結果より参りましたが、少し気になった点が…
2,3ヶ月ほど前に松山油脂に日焼け止めローションのナノ粒子の使用の有無を問い合わせたところ、私は「酸化チタン・酸化亜鉛ともに粒子サイズは約30nm」との回答を貰いました。コーティング剤は記事と同じでした。
「ナノ」と規定するサイズはメーカーによりバラつきがあるようで、たとえば欧米だと100nm以下をナノとするメーカーが多く見受けられますが、国産では10nm以下をナノとしているメーカーもあります。
しかし、人の皮膚から考えると私は30nmは立派なナノ粒子だと思います。
この辺り、hanaさんの見解をお訊きしたく、コメントさせていただきました。
こんにちは。貴重なご指摘ありがとうございます。
この記事は、もう一度調べてから書き直そうかと思います。
(とりあえず赤字で追記しました)
松山油脂さんからの返答には、たしかに
・ナノサイズ(10nm以下)ではない
・酸化亜鉛が31nm、酸化チタンが34nm
と書かれていました。
それを私が吟味せず、「ナノサイズではないのね」と、
安直に「ナノ不使用」と書いてしまいました。
100nm以下をナノとする解釈からすれば適切ではないですね。
粒径のことを考慮していませんでした。
メーカーごとに解釈の違いがあるようなので、
改めて調べてみようと思います。
ちなみにヴェレダは100〜200nmとのことでした(廃番ですが)。
100nm以上の酸化チタン・酸化亜鉛を使っていて、
よい日焼け止めがあればお教えいただきたいです。