●産経ニュース配信記事「産経ニュース」は13日、《「虚偽の捜査報告書作成」 検事への告発状提出 陸山会事件で市民団体》という見出しで次の記事を配信した。
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、民主党元代表、小沢一郎被告(69)の元秘書を再聴取した際に虚偽の捜査報告書を作成したとして、東京都内の市民団体は12日、虚偽有印公文書作成・同行使罪で、聴取を担当した田代政弘検事(44)に対する告発状を最高検に提出した。
田代検事は元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の再聴取を担当。昨年12月の小沢氏の公判で、再聴取した際に作成した捜査報告書に、実際になかったやり取りが記載されていることを認め、「記憶が混同した」と説明。市民団体側は「記憶の混同はあり得ない」としている。
●鷲見一雄の視点 田代検事は公益の代表としてやってはならないことをやったことは間違いない。しかし、田代作成の捜査報告書が何で検察審査会に提出されたのか。東京地検は十分な検証を経て出したものかどうか疑問符をつける。相手は小沢氏、政治権力の全てを駆使し、最強の弁護団を編成して潰しにかかってくることは予測可能だったはすだ。
私は東京地検は「十分な捜査をしたうえで不起訴処分にした資料」として提出したと捉える。検察審査会に2度目の議決に誘導しようとしたのでないことは確かだと思う。だが、政治権力と無関係な国民の感性とは乖離した、公益の代表に相応しい判断とは評価ではない。不起訴の当不当をチェックされる立場であることを軽視した、思い上がりの思考と評さざるを得ない。
ともあれ、告発が出た以上、最高検は「はっきりさせるべきははっきりさせなければならない」。最高検の姿勢は裁判所の証拠採否決定に重要な影響を与えるであろう。