日本電産は10日、レアアース(希土類)を使わない次世代モーター「SRモーター」を、電気自動車(EV)やハイブリッド車の駆動用として量産する方針を明らかにした。2013年にも国内外の自動車メーカーに供給する。レアアースの価格高騰に対応し、代替技術の投入で自動車市場の開拓を加速する。
永守重信社長が本社(京都市)で会見し、明らかにした。SRモーターはレアアースを使った永久磁石を使わず、軸の周囲の電気の流れを切り替えて回転させる仕組み。構造が単純で発熱が少ないうえ、低コストで量産できるのが特徴。ただ電流の制御が難しく、振動や騒音が大きい欠点があり、自動車向けの実用化が難しかった。
日本電産は10年に米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業部門を買収。同部門が保有していた特許技術を活用し、製品化にメドをつけた。エマソンはこれまで振動や騒音をある程度許容できる建機や農業用大型トラクター向けに開発を進めてきた。
ジスプロシウムやネオジムなどのレアアースはモーターの性能を高めるのに不可欠だが、中国が生産の9割以上を占める。中国が輸出規制を強化していることから、TDKがジスプロシウムを使わない磁石の実用化を目指すなど、日本企業の間で「脱レアアース」の動きが広がっている。
また、永守社長は同日、タイの洪水で被災したハードディスク駆動装置(HDD)用モーターの工場が2月にフル稼働まで回復するとの見通しも明らかにした。当初は4月を予定していたが、現在は稼働率が約65%まで回復しており、2カ月前倒しできるという。
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