小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、虚偽の捜査報告書を作成したなどとして、東京都内の市民団体は12日、東京地検特捜部検事だった田代政弘・新潟地検検事を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で最高検に告発した。虚偽とされるのは捜査報告書に記載された元秘書で衆院議員の石川知裕被告の供述だが、石川議員は出版物の中で勾留中にほぼ同様のやりとりを田代検事とした記載をしている。
告発状によると、田代検事は10年5月、東京第5検察審査会が元代表を起訴相当と議決したことを受け、石川議員から任意で聴取した。その際、石川議員が「検事から『(有権者は)小沢一郎の秘書ではなく石川知裕に期待して国政に送り出したはず』と言われたことが効いた」と述べ、元代表の関与を認めた経緯を説明したとする捜査報告書を作成した。しかし、石川議員の「隠し録音」に、そうしたやり取りはなかったとしている。
第5検察審は2度目の審査でこの捜査報告書も検討し、元代表を強制起訴すべきだと判断したとされる。
田代検事は昨年12月に元代表の公判に証人出廷し、弁護側から捜査報告書について追及され「勾留中のやり取りなどと記憶が混同した」と説明している。
石川議員は10年8月に出版された書籍の中で、勾留中の様子などを記した「獄中日記」を公開した。その中で「十勝の有権者は小沢一郎ではなく、石川知裕に期待して投票したと言われるのがつらい」などと書きつづっていた。この時に取り調べたのも田代検事で、証人出廷時に説明した「やり取り」は、この部分とみられる。
毎日新聞 2012年1月13日 2時42分(最終更新 1月13日 2時45分)