今日の日経のスピードラーニングの広告に長野清泉女学院中学・高等学校の校長と英語課の先生のコメントが出ております。
広告ではスピードラーニングの聞き流しで中一クライスの全員が驚きのリスニング力アップとなっております。これには大変に違和感を感じます。
私は長野清泉女学院中学・高等学校に電話をして副校長から事実を聞いております。この学校では英語の授業は通常の教え方をして、高校や大学入試に備えております。つまりスピードラーニングを教室で使っておりません。スピードラーニングの聞き流す学習方法は先生がいらない教え方です。
もちろん通常の英語教科書を使い、文法を教えております。これをしないと大学の進学に大きな問題を抱えます。スピードラーニングは福教本として使っているだけです。
スピードラーニングの聞き流しで中一クライスの全員が驚きのリスニング力アップとなっているのは大変理解に苦しみます。スピードラーニングの聞き流しは英語が話せると言う教材で、聞取りを練習するものでありません。英語の音声を聞いて練習するなら、スピードラーニングでも何でも英語を聞けば効果はあるでしょう。
しかし、スピードラーニングの聞き流しで英語ニュースなどが聞き取れるようにはなりません。英語ニュースがテストにでれば、ほとんどの効果は実感できないでしょう。
リスニングのテストが15.9から3ヶ月で21.1に上がったと言いますが、どのような英語の音声を聞いてテストしたかは分かりません。スピードラーニングのような内容なら3ヶ月もやればどんな教材でも数値は上がるでしょう。
英語検定でも中学生の26名が4級に全員が合格をしたと言います。英語の先生が「スピードラーニングを聞いていたから」と言っておりますが、これは嘘でしょう。学校で文法を教えておりますから、その教室での先生による英語教育の成果です。
スピードラーニングは音で学ぶ教材ですから英語の試験にはTOEICも含め、あまり効果はありません。英語の試験は文法や発音記号を覚えなければ良い点数をとれません。英語の試験は音で覚えるものでなく、いろいろなルールを覚えるものです。これはスピードラーニングでは効果的でありません。
長野清泉女学院中学・高等学校は普通の英語の授業をして、スピードラーニングは福教本として使っているだけで、英語力の向上をスピードラーニングの聞いたからと言っております。では英語の先生は教室で何を教えているのでしょうか。
私は音声英語だけを教えております。それは文字英語を教えるとそれなりの時間も教材も必要になります。音声英語に集中すれば短期間にある程度の効果が期待できるからです。言語の音の体系は文字と違いますから、英語が話せても英語の試験が良いとは限りません。
つまり音声英語だけでは英語試験にはあまり良い点を取れません。英語試験の目的が英語の知識を試験するものだからです。話せるかどうかは別なのです。
長野清泉女学院中学・高等学校がスピードラーニングを福教本として使わせているのは大変に常識的な考えです。高校や大学の入試にはスピードラーニングはほとんど効果がないからです。センター試験のリスニングのテストも、それなりの勉強した方がスピードラーニングより効果的です。
教材の良否の問題でなく、話す力は英語の試験とは目的が違うのです。TOEICは英語のネイティブでも満点をとれません。英語の試験は英語の知識を調べるもので、話せる話せないの問題でありません。
学校が事実を曲げてまで英語教材の加担をするのは私には理解ができません。中・高等学校教育が大学や高校の入試に備えながら、英語を話すようにするなど無理な事なのです。
英語文化圏の中・高等学校の教育は全部が英語を話せる事を前提に教えており、ほとんどが文字英語を教えております。これは日本もまったく同じです。英語文化圏の中・高等学校でさえ、音声英語と文字英語を教える事はしていないし、できないのです。
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