参加者名簿を入手しましたが、最終的な参加者数は64名、内訳は以下の通りです。
フィリピン 16名
シンガポール 10名
オーストラリア 11名
インドネシア 8名
ニュージーランド 7名
日本 4名
マレーシア 3名
バングラデシュ 2名
フィジー 1名
台湾 1名
タイ 1名
日本から私以外に参加表明された4名の先生方、ありがとうございました。当日を楽しみにしています。
それにしても、定員数十名の小規模病理セミナーで、これだけ多くの国(11カ国)からの参加者を集められるのはすごいですね。欧州は陸続きなのでもしかすると十カ国くらいから集まるのかもしれませんが、他にこれだけ多くの国から参加者を集められるは、せいぜい米国くらいではないでしょうか。
東南アジアからの参加者が多いのはもちろんですが、(私見ながら)特筆すべきはオセアニアからも19名もの参加があることです。以前に私はこのブログで、「既に南アジア・オセアニアで一つの文化圏ができている感がある」、と書きましたが、それゆえに今回のセミナーのオセアニアからの参加者数には密かに注目していました。結果はこの通りの数字で、私の予想をかなり上回って少し驚くとともに、やはりこの地域の人や情報の行き来は、私が従来考えていたよりも既にはるかに活発なのだろうと推察します。(ちなみにフィジーはオセアニアの国です。念のため。)
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以下、例によって病理とはまったく無関係な話です。興味のない方はパスしてください。
アジアの沿岸帯は、地理的・機能的に大きく三つに分けることができます。一つは東北アジア、すなわち日本を中心として韓国や中国沿岸部、台湾あたりが含まれる地域で、逆側はインド・パキスタンを中心とする西アジア、残る一つが両者の中間に位置する東南アジアです。(ちなみにいずれも古典的地政学上はクレセント(マッキンダー)、あるいはリムランド(スパイクマン)などと呼ばれる地域です。)
で、従来は日本を含む東北アジアが圧倒的な経済規模を誇っていたわけですが、躍進中の東南アジアとオセアニアの一体化が進んで一つの大きな地域ブロックが完成すると、近未来的にはこちらに経済活動の中心が移っていく可能性もありそうです。少なくとも一つの大きな経済ブロック、「極」を形成するのは間違いないでしょう。そしてその中心地がどこになるかと言えば、地理的にも経済的にもシンガポールが最右翼ではないでしょうか。(もちろん香港という可能性もありますが。)
脱線ついでに。現時点での世界の三大通貨は米ドル・ユーロ・日本円であり、世界の三大証券取引市場も(どこも崩壊中とはいえ)一応まだNY・ロンドン・東京なのですが、既にここ数年は上海や香港市場が取引高でもかなり肉薄してきていますし、経済成長率ではシンガポールがその中国をも凌駕しそうな勢いです。あたかも終章へ向かっているかのような昨今の欧・米・日の経済的惨状を見ると、数年後の世界がどうなっているかは、もはや誰にもわからない状態と言えましょう。もしかすると我々は今、世界秩序が大きく変わりつつある、時代の大きな曲がり角に立っているのかもしれない、やや大きな話ですが、私は個人的にそういう目で見ています。