野田佳彦首相は13日に行う内閣改造・民主党役員人事で、消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革を推進する態勢強化のため、岡田克也前幹事長を副総理兼一体改革・行政改革担当相に起用する人事を内定した。参院で問責決議が可決された一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員長のほかにも複数の閣僚を入れ替える中規模改造を検討しており、細川律夫前厚生労働相の再入閣などが取りざたされている。
首相は12日に首相官邸で開かれた政府・民主三役会議で「態勢を強化するため13日に内閣改造を行い、党役員の人事も少しいじる」と表明。そのうえで「党人事もあるので、私と(輿石東)幹事長に一任してほしい」と述べ一任を取り付けた。
首相は会議終了後、約30分、輿石氏と2人だけで会談。輿石氏は「内閣改造には大義も必要だ」として消費増税や震災復興に取り組むための態勢強化と位置づけるよう求めた。野党が交代を求める問責2閣僚の更迭色を薄める狙いもある。
また、国民新党の下地幹郎幹事長は12日、藤村修官房長官と首相官邸で会談し、同党の自見庄三郎金融担当相の続投を要請、自見氏の留任が固まった。
岡田氏には副総理として一体改革とともに、消費増税の前提として重視している行政改革も担当させる。首相から6日に打診を受けた岡田氏は一時、副総理就任に慎重な姿勢を示していたが、最終的に受諾した。これに伴い、古川元久国家戦略担当相の兼務から一体改革を外し、行革を担当している蓮舫行政刷新担当相は退任する。詐欺罪で有罪判決を受けた男性を秘書官にしていた平岡秀夫法相の交代も検討している。
山岡氏の後任には平野博文国対委員長を充て、城島光力幹事長代理を国対委員長に起用する案が有力になっている。一川氏の後任には小川勝也前副防衛相や東祥三衆院安全保障委員長ら、安全保障問題で経験のある議員の名前が挙がっている。
13日は、午前の閣議で閣僚全員の辞表を取りまとめた上で閣僚名簿を発表。同日午後の新閣僚の認証式を経て野田改造内閣が発足する。首相は同日夕に記者会見し、内閣改造の狙いなどを説明する。【小山由宇、高橋恵子】
午前9時半 閣議で閣僚の辞表を取りまとめ
11時半 与党党首会談
11時45分 組閣本部設置、閣僚名簿発表
午後0時 閣僚呼び込み
2時 皇居で認証式
4時15分 初閣議
6時 首相記者会見
7時 新閣僚記者会見
毎日新聞 2012年1月12日 22時15分(最終更新 1月13日 0時00分)