建設請負契約を装った偽装請負状態で、関西電力大飯原発の改修工事に男性労働者を送り込み働かせていたとして、福井県警捜査2課、組織犯罪対策課と福岡県警の合同捜査本部は12日、職業安定法違反などの疑いで、指定暴力団工藤会系企業の役員池上加奈枝容疑者(36)=北九州市若松区=ら3人を逮捕した。合同捜査本部は、偽装請負で得た資金が工藤会に流れていた可能性もあるとみて調べている。
合同捜査本部によると、ほかに逮捕されたのは、建設会社「太平電業」(東京)福井地区営業所長、一瀬秀夫容疑者(58)=敦賀市=と、建設業「高田機工」(高浜町)役員、富田好容疑者(59)=京都府舞鶴市。
池上容疑者は工藤会系池神組組長の妻。福岡県警は昨年2月、同容疑者が取締役を務めていた「総進工業」(現ドリーム)を工藤会の関係企業と認定した。
合同捜査本部は、2010年春から11年春かけて、総進工業から同工事現場に最大7人が送り込まれ、高田機工から総進工業側に計約1800万円が支払われていたとみて捜査している。
逮捕容疑は10年3月から9月まで、池上、富田両容疑者が、総進工業の30代従業員を大飯原発の改修工事現場に送り、一瀬容疑者の指揮命令下で働かせた疑い。
一瀬容疑者は当時、太平電業の大飯事業所長だった。