大手通信会社のソフトバンクのグループ会社「ビューン」がスマートフォンなどに提供している電子書籍のソフトが、利用者が読んだ雑誌や新聞の内容や閲覧時間などの情報を無断で記録していたことが分かり、会社では、指摘を受けて利用規約に明記するなどの改善措置を取ることになりました。
情報を記録していたのは、ソフトバンクのグループ会社「ビューン」がスマートフォンやタブレットなどに提供している電子書籍の閲覧ソフトです。利用者はこのソフトを使って、およそ40種類の新聞や雑誌などを画面で読むことができますが、会社によりますと、利用者が読んだ雑誌などの内容や、どのページをどのくらいの時間をかけて閲覧したかといった情報を無断で記録し、利用者のスマートフォンなどから会社に送信していたということです。これについて会社では、「雑誌や新聞の発行元と売り上げの配分を決めるために情報を記録していた。個人を特定できるような情報は記録していない」と説明していますが、外部からの指摘を受けて、近く情報を記録することを利用規約に明記するなど、改善を図ることになりました。スマートフォンのソフトを巡っては、無断で利用情報を記録したり、規約に書いてあっても分かりにくかったりといった問題が利用者の間で指摘されるようになっています。産業技術総合研究所の高木浩光主任研究員は「情報収集については利用者に分かりやすく明示して同意を求める必要がある。また、電子書籍の利用者の閲覧情報まで記録することが必要なのか、議論する必要もある」と話しています。
スマートフォンの利用者が急増するなかで、ソフトを提供した会社が利用者の情報を無断で記録したり、規約に書いてあっても分かりにくかったりといった問題が、利用者の間で指摘されるようになっています。このうち、大手広告代理店の電通などがスマートフォン向けに提供している電子書籍のソフト「マガストア」では、利用者が読んだ雑誌などの内容や、どのページをどのくらいの時間をかけて閲覧したかといった情報を記録しているということです。マガストアのホームページにある利用規約では、サービス向上のために特定のページへのアクセス時間などを集めていると説明していますが、インターネットのブログやツイッターでは、「説明が分かりにくい」といった指摘が出ているため、電通では「改善が必要な点があれば見直していきたい」と話しています。