ムスーたん(;´Д`)ハァハァ

2012-01-06 久々すぎて使い方がよくわからん

[][] 『迷子のアリたち』 ジェニー・ヴァレンタイン 小学館

ささいな事情から家出した少年サムはロンドンで一人暮らしをはじめる。ろくでなし共が集まるアパートでサムは1一人の少女と出会う。十七歳の少年と十歳の少女との交流を描く青春物語。

このボヘミア(愛称ボー)ちゃんがとてもよろしい。赤毛で栄養状態も悪くてガリガリで歯並びも悪く、学校には通えず友達もいない。母親は酒と薬と男にだらしがなく社会のダニと、人生詰んでいる状況にもかかわらず、彼女は明るく元気に生きている。終盤、サムとケンカした彼女が一人で家出した時は、いつ変なおじさんたちにいたずらされやしないかと、期待しながら読んでしまった。

2011-08-29 なんのかのいっても、結局は海賊だって商売だ

[][]『海賊の経済学 見えざるフックの秘密』 ピーター・T・リーソン NTT出版

 大海原を我が物顔で航行し、逆らう奴は皆殺し。現代人からは暴虐非道極まりないイメージを持たれている海賊たちだが、そんな彼らのイメージは自らの利益を最適化させるために行った合理的な戦略だったのだ。矛盾に満ちた海賊行為を説明できるのは経済学を措いて他にはないと豪語する著者がどこまで本気なんだかかはわからないが、経済学というフィルターを通して海賊たちの蛮行を解き明かしていく。

 本書では海賊の民主制やら新兵補充のリクルート法、黒人との雇用問題など興味深いテーマを扱っているが一番面白いのは第4章「髑髏と骨のぶっちがい 海賊旗の経済学」だな。

 何よりも争いを否んだのは実は海賊たちのほうだった。金は命よりも重いが、自分たちの命は何物にも代え難い。そこで海賊たちは「陽気なロジャー」と呼ばれる髑髏と骨の海賊旗を掲げ、自分達の血腥い評判を喧伝した。商船の乗組員を10倍も上回る人員で取り囲み、大砲を20以上並べ立て「おとなしくしていれば命だけは助けてやろう。抵抗するならば仕方がない」と。そうすることにより海賊たちは無用な争いを避けたのだ。乗組員を殺そうが殺すまいが、海賊はどうせ捕まってしまえば縛り首になる。それならば殺しなんていうコストのかかることはしたくない。戦闘で船が傷つけば修理の間商売をすることができないし、新たに欠員が出れば遺族に支払う年金も只ではない。彼らはとても合理的なのだ。

 うっそでーと呟きながらも思わず説得されてしまう。ピーターお前海賊好き過ぎだろうよ。

2011-05-02 おぢちゃんのロケット鉛筆はマス目を描くのに最適ですお

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Come ti chiami di cognome, Kenji? Comesi scrive?

「賢二の姓はどう呼ぶのですか? どう書くのですか?」

 最近地元の県立図書館を利用するようになったんだが、学生の利用者が多いのか、借りてきた本に勉強した後のメモが挟まっていることが多い。上記のような文章が本の間に挟まっていた。しかし、何故に「若い読者のためのメルヘン」みたいな本にイタリア語が……。

2011-01-17 A Daniel come to judgment! yea, a Daniel!

[][] 『棠陰比事』 桂万栄編 岩波文庫

 チャイナの歴史上、様々な冤罪や拷問で悩む無辜の民を救う名判官たちの活躍144編が収められている。なんでも日本では江戸時代に流行ったそうで、西鶴の「本朝桜陰比事」もこいつをタネ本にしているとかなんとか。

「いかに悪事をごまかそうとしても、明確な証拠を示されてはかくしようがない」と、証拠を重視する姿勢が随所に見られるのがなんともすばらしい一冊。

 気に入ってるのは「腹中の証拠」というエピソード。二人の者が一羽の鶏を取りあって、お上に訴えた。裁判官は「今朝、鶏に何を食わせたのか?」と二人に訊ねると、一人は粟といい、もう一人は豆といった。そこで鶏を殺して腹の中を探らせると、豆がでてきたので、粟といったものを罰した。

 この話は、作中では神明であると裁判官を讃えているいるけれども、これが鶏みたいな動物ではなく人間の子どもだった場合、リアル大岡裂きみたいになってシャレになんねえよな。物証を求めることに拘りすぎなんじゃないか。証拠に拘る話が讃えられているのは、実際は証拠なんかよく調べもせず、賄賂が横行して真っ当な裁判が行われなかった反動なんだろうけども……。

2011-01-01 今は時期が悪い

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来年から頑張る。