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放射線医が語る 被ばくと発がんの真実

著  者 中川恵一
定価(税5%) \800
( 本体価格 \762 )
判  型 新書
刊 行 年 2012.01.06
ISBNコード 978-4-584-12358-4

 福島第一原発事故から10カ月が経とうとしています。
 2011年12月、政府は冷温停止状態に入ったとの発表を行いましたが、地元の住民の方々の帰宅問題やホットスポット、食べ物の汚染など問題は山積しており、私たちの不安はまだまだ解消されていません。
「内部被ばくは、外部被ばくの600倍危険だ」
「福島の野菜を食べてはいけない」
「西へ逃げろ」……。
 原発事故以来、さまざまな「専門家」たちの意見が飛び交い、かえって不安と混乱は増すばかりです。今最も必要とされるのは、正確な情報ではないでしょうか。
 本書の著者は、長年にわたって放射線医としてがん患者の治療に携わってきました。被ばくと発がんリスクの問題について語るに最も相応しい人物といえます。さらに事故後、福島で行った調査や、広島・長崎、そしてチェルノブイリ原発事故のデータ分析も踏まえて導いた結論は、大きな説得力をもちます。
 2011年、ロシア政府はチェルノブイリ原発事故25年目にあたり、総括報告書を発表しました。そこには住民の避難と健康被害の実態の分析がなされており、今の日本にとって示唆に富む内容です。本書に、その一部を翻訳掲載しています。
 原発事故以来、私たちは日常生活においてさまざまな「選択」を迫られてきました。本書が、選択を迫られるようなときに、一人でも多くの方にとって判断材料のひとつとなることを願います。


●主な内容
はじめに
第1章 放射線の真実
第2章 発がんリスクの真実
第3章 広島・長崎の真実
第4章 チェルノブイリの真実
資料:2011年ロシア政府発表『チェルノブイリ・25年目の総括報告』の最終章の訳文を掲載
第5章 放射線の「国際基準」とは
第6章 福島のいま、そしてこれから
第7章 非常時における被ばく対策
第8章 「被ばくと発がん」の疑問・不安に答える
おわりに ――福島を日本一の長寿県に
中川恵一(なかがわ けいいち)

1960年、東京生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部部長。東京大学医学部医学科卒業後、スイスのポール・シェラー研究所に客員研究員として留学。著書に『放射線のひみつ』(朝日出版社)、『自分を生ききる』(養老孟司氏との共著、小学館)、『がんの練習帳』(新潮新書)、『専門医が教える がんで死なない生き方』(光文社新書)ほか多数。
『放射線医が語る 被ばくと発がんの真実』の誤植に関するお詫び

以下の箇所について、編集上のミスにより誤植がございました。

●32頁、右から10行目:
【誤】 100ミリシーベルトの被ばくで発がんの危険は0.5%上昇しますから…
【正】 100ミリシーベルトの被ばくでがんによる死亡率は約0.5%上昇しますから…

●39頁、右から12行目:
【誤】 アメリカ駐在の商社マンが日本とアメリカを7回往復すれば、日本での自然被ばくの3倍にも達します。
【正】 アメリカ駐在の商社マンが日本とアメリカを15回往復すれば、日本での年間自然被ばくの2倍にも達します。

●104頁、右から10行目:
【誤】 たとえば、野菜の暫定基準値は1kgあたり500ミリシーベルトですが、単純に5分の1になれば、100ミリシーベルトが上限になります。
【正】 たとえば、野菜の暫定基準値は1kgあたり500ベクレルですが、単純に5分の1になれば、100ベクレルが上限になります。

●169頁、右から1行目:
【誤】 たとえば、野菜の暫定基準値はkgあたり500ミリシーベルトですが、単純に5分の1になれば、100ミリシーベルトが上限になります。
【正】 たとえば、野菜の暫定基準値はkgあたり500ベクレルですが、単純に5分の1になれば、100ベクレルが上限になります。

現在、初版が書店に出回っておりますが、第2刷以降は必ず修正いたします。
お買い上げいただいた読者ならびに著者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

KKベストセラーズ書籍編集局


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