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長田センターブログ - 最新エントリー

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  8日 No. 224
 
◇教会・付属施設情報
◇避難者・所情報
◇生活情報
東電福島第一原発の事故を受けて原子力損害賠償紛争審査会が決めた23市町村の発表がなされたが、昨日は23市町村に入らなかった福島県西白河の5市町村や宮城県の丸森町から批判の声が出ている。白河市で自主避難したのは126世帯286人、丸森町も17人が自主避難している。あくまでも全県損害賠償を求める福島県と県単位ではなく実害を被っている者にもすべて損害賠償の対象とすべきという丸森町の意見が出ている。
 二本松市の米からも基準値声の放射性セシウムが検出され、福島、伊達、二本松の3市5地区となったことで、二本松市渋川地区の農家に出荷自粛要請がなされた。まだ販売されずに施設に保管されているというが、本当に流出していないか不安になっている所が学校給食センターで、特に該当地区に給食センターのある伊達や福島では保護者から県産米を使わないように要望が出ているが、市や県は流通していないから大丈夫と言っているが、そもそも子ども達に不安を与えないためにも懸念のないものを食べさせるべきなのです。流通していないから大丈夫ということではなく、危険と不安を回避させていくことが大事なのです。
 
◇地域情報
 昨日は福島市大波地区で面的除染モデル事業が始まり、山地にある木の伐採や枝打ち、枯葉除去、住宅の屋根を高圧洗浄したりしている。どのくらい除染効果があるのかは開始前の測定値、開始後の測定値だけではなく、1週間、2週間・・・1ヶ月2ヶ月と継続的に経過を観察しないと意味がないのです。1階で数値が極端に下がったからと言ってそれで終わりではないことを説明するべきです。
 ステップ2を12月16日に終了するというが、なんでも拙速です。福島県知事の米に関する安全宣言も、警戒区域や計画的避難準備区域の見直しも、今回のステップ2の終了も、問題が山積みなのに終了にして先送りにしていいのでしょうか。そこには避難者、住民に対する配慮が「帰宅」にのみ集中していて「人への配慮」が後回しにされています。ステップ1が原子炉を安定的に冷却させることでした。ステップ2は原子炉の冷温停止状態にすることです。もともと冷温停止状態であるというのは壊れていない原子炉においてという前提があって、今回のような壊れている原子炉で原子力圧力容器の温度が安定していることを条件としていました。事故処理が進んでいますよというアピールはいりません。事実が知りたいのです。溶けた燃料棒はどこにどのような状態であるのかも分からない中で、本当に冷温停止状態が持続可能なのでしょうか?汚染水は垂れ流され、セシウムは不検出とか言ってストロンチウムが相当量流出しているのに健康に害はないと言われて、はいそうですかとはならない。東電福島第一原発は原発そのものが安定していないのです。それに廃炉作業なんて本当に出来るのでしょうか?それさえも疑問に思えてきます。東電福島第一原発の1~3号炉には燃料棒1496本、使用済み燃料プールに1~4号炉で3108本全てを回収できるのでしょうか。燃料1本あたり約170キロのウランが含まれているといわれていますから、原子炉内だけでも254トン(ドラム缶1270本分)のウラン回収を遠隔ロボットクレーンで作業するといいますが、場所の確保も含めて大変というか出来るのでしょうか。作業完了まで30年以上かかるといわれ、その費用が数兆円になるとも数十兆円とも言われています。廃炉に向けては東電の現場の方々に作業をしてもらうしかありませんが、それまでは帰還に向けた除染ではなく、少しでも不安が少ない地域への避難が望ましいのです。
 
◇雑記多感
 明日から11日まで東日本大震災や阪神・淡路大震災を扱った作品を上映する第3回神戸ドキュメンタリー映画祭が神戸市長田区腕塚町の神戸映画資料館で開催される。上映時間は各日13時から行われる。ミニシアターは被災地でも多く行われていますが、震災ドキュメントを上映することは控えられています。笑える映画の上映会や落語などが求められているのかもしれませんが、仮設住宅ではいろんな要請があったりして大きな仮設住宅でも全てを把握し切れていないのが当然といえば当然なのでしょう。
 昨日から第6師団44普通科連隊の車が国道114号線を飯舘村方面に向かって進んでいました。同時に警察車両も何台も入っていっていました。昨日はマスコミも入っていて、道路整理のために飯舘村役場方面に行くことが出来ませんでした。明日9日に飯舘村、福島大波地区を完全防備で行こうと思います。昨日の放射線でも国道4号線から114号線にかけては車の通行が多いのにもかかわらず0.28~1.08マイクロシーベルト/時がくるくる変わっていきます。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  7日 No. 223
 
◇教会・付属施設情報
 
◇避難者・所情報
東電福島第一原発事故の損害賠償を策定する原子力損害賠償紛争審査会は、自主避難への賠償に対して、福島県内23市町村の全住民(警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域だった地域以外)いわき市一部、田村市一部、古殿町、平田村、石川町、浅川町、玉川村、鏡石町、須賀川市、天栄村、小野町、三春町、郡山市、新地町、相馬市、伊達市、川俣町一部、二本松市、本宮市、福島市、大玉村、桑折町、国見町に対して一律8万円、18歳以下の子ども、妊婦は40万円とし、福島県の人口の4分の3、約150万人(子ども・妊婦は30万人)で賠償額は2160億円を超えるものとされる。自主避難を認めたことは評価できますが、自主避難でかかった費用は平均68万円とも言われています。それに比べるとあまりにもかけ離れた損害賠償額で、これなら東電も払えるだろうという東電側に立った方針である印象しか残りません。また宮城県丸森町など宮城県南部も空間放射線量は福島県の平田村、古殿町、石川町、浅川町、新地町とほぼ同じです。それなのに丸森町が距離も須賀川町と変わらないくらい、空間放射線量も他の地区と変わらないくらいの数値が出ているのに対象外となることは問題です。空間放射線量で言えば宮城県の栗原や登米、大河原、角田なども対象にならないとおかしいのに今回の発表では入っていません。どこで線引きしているのか根拠が全く分かりません。 
 
◇生活情報
  何もかもが性急過ぎています。来年9月末に避難区域を見直しとして「居住制限」「解除準備」に設定しても警戒区域はそのままとする一方で「激変緩和措置」で徐々に警戒区域解除を来年9月末から視野に入れるとしている。居住制限や解除準備の区域分けは来年3月末までに行い除染を急ぐという。区域設定後も立ち入り制限を継続するというが、それならまだまだ解除しないほうがいいのです。福島県や行政は福島県内から人口流失を恐れるあまりに事を急ぎすぎています。必ずしっぺ返しが来るので、今は急がずに遠い地区から東電福島第一原発へ向かって徐々に放射性物質除去に向けていくべきなのですが、まだ除染方法も確定していない今は区域解除よりも先にすることがあるはずです。
◇地域情報
伊達市は市議会で除染作業で出る放射性廃棄物専門の焼却施設を設置するためのプロジェクトチームを発足する準備を始めたと市民生部長が答えました。これまでの伊達地方衛生処理組合の清掃センターでは放射性廃棄物は受け入れられないので、近隣地域と連携して処理が可能な焼却施設を考えているというが、そもそも焼却したら放射性物質はフィルターなどをすり抜けていき、大気中に放出されてしまいます。撒き散らすことになる焼却施設よりも他に方法がないなら、せめて低温蒸し焼きで廃棄物の体積を縮小させ、容量を少しでも減らしながら保管し、早急に中間貯蔵施設を東電福島第一原発周辺の土地を国が買ってそこに設置するべきです。県内に最終処分場を作らないということを発表するよりも、まず先にやることをやるべきです。
 
◇雑記多感
福島市伏拝沼の上地域の放射線量を計測に行くのと、各地の除染作業というものを確認しに福島市内と川俣町をうろうろしていました。伏拝の沼の上地区はがけ崩れをしていたり、下水管や道路が今もなお寸断され、放置されたままの家や崩れかけた家がそのままになっていて、細い道も通行止めになっています。家の周辺や空き地の放射線量を測ると、地表1cmで1.0マイクロシーベルトを越える箇所がいくつも見つかっています。その後国道114号線沿いを川俣町まで進み、伊達市に抜けていくのですが、多くの柿の実が木の根元に山積みされているそのすぐ隣でリンゴの収穫をしている姿がありました。
 
 本当に除染マニュアルってあるのでしょうか?みんなマスクしていません。まぁ僕よりも相当年上の高齢者ばかりですから文句も注意もせずに見ていましたが・・・。でもやっぱり行政はちゃんと最低一人は監督者として、一緒に携わる者として装備のチェックをするべきです。
 

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  6日 No. 222
 
◇教会・付属施設情報
◇避難者・所情報
  加藤登紀子さんが命結い基金活動の一環として、被災学校の子ども達の言葉を歌にした「青いこいのぼりと白いカーネーション」を発表した。うつみ宮土理さんが歌を担当する。
 石巻市須栄の関の入団地仮設住宅に長田センターからの救援物資として水(2リットル×6)を25ケース、懐中電灯25個、手動式ラジオ付懐中電灯1個(集会所用)、ラジオ3個(集会所及び民間借受住宅用)、貼るカイロ(1箱30個入り)25箱、バラの折り紙、除湿剤(3個パック)30個、月間スケジュール記入ホワイトボード、ホワイトボード用ペン4色、エマオ石巻宛専用ポスト、ボールペンと封筒セットを届けました。ある程度交流と顔つなぎができたらエマオ石巻にお任せしていきますが、社会福祉協議会や民生との連絡もとりつつ、支援物資などではこれからサマリタン・パースにも協力してもらって継続的に関わりを持っていきたいと思っていますが、いろんなところから避難されているのでなかなか一致して行政に声を出したり要望したりすることが困難なようです。昨日今回の支援物資配給をきっかけとして皆さんが集まったそうです。なかなかスムーズには行かないものの、それでも回覧板をまわしていくこと、担当役員は3ヶ月交代にすることなどが話し合いで決まったそうです。物資配給をきっかけに、まとまりと、行政への要望などが出来ていけばと願っています。カセットコンロとカセットボンベ、長短脚付長テーブル2つは東北教区被災者支援センターが用意してくれることになりました。12日にアンケートを回収しますが、おおよそ25世帯60名弱となります。そして「どんぶく」にとても反応されていました。まだ暖房器具が回ってこない中で、できるだけクリスマスに間に合うようにお届けできたらいいなとも思っています。餅つきなどのイベントも大歓迎だそうです。
 
◇生活情報
 「やめて~!!」との反対の声を最初にあげたのは国見町です。何がやめて~!!なのかというと、福島県が昨日発表した農地や果樹、森林に対する除染方針です。福島県が午後発表した「全ての農作物から放射性セシウムが検出されないことを目指す」のはいいのです。ただ目指すための方法が違うというのに、それを各市町村の除染実施計画の目安にしようということが間違っています。
 基本方針では水田は放射性物質吸着剤をまいて吸着した後にそれを除去して、天地替え法を採用するというものです。いったい作付けするまでに何度耕すと思っているのでしょうか?休耕田や畑は土を入れ替える前に除草と表土を剥ぐというがその草や剥いだ土はどこに保管するのか、土の入れ替えをしたら土作りを1からしないといけないので、思ったように作物がならないことを続けていかなくてはいけません。果樹は樹木の皮を剥ぎ、幹を高圧洗浄機で洗い、牧草地は高い放射線量を検出した箇所は剥いで吸着剤をまいて上下入れ替えをするとしています。また森林も住宅街から森林側に20m入った所までの除染と落ち葉集めを優先するとしています。口の中に入れる作物を作る田畑で上下(天地)替え方式で行って、樹木は高圧洗浄機で周囲に撒き散らして、それが「除染」だというのは暴挙に近いです。国見町の果樹園農家の若い方々はそんなことで本当に大丈夫なのかと不安の声を上げながらも、生活のためにするしかないのか、それで本当に安心して安全なものを提供できるのか、表土を全部剥いで他に持っていくということは出来ないのかとの声が強い。
 除染計画で仮置き場を設置したのは福島市(1箇所)、伊達市(3箇所)、川内村(1箇所)の5箇所で、3市村は現在除染作業を実施している。他の計画を出している二本松市、田村市、南相馬市、桑折町は仮置き場が設置されていないために除染作業が行われていない。仮置き場の絶対数も足りていないことから、除染作業が停滞することは間違いない。
 
◇地域情報
福島県内では今後家屋の解体処理を行う数が1万3608棟となって、11月までのがれき量の7倍近く(約168万トン)になると予想されている。瓦礫は放射線に関する問題で処分が進まないことがあげられているが、徐々に処分業者が出てきているという。問題は処理業者が価格を引き上げたり、不法投棄などしないかが懸念されている。他府県の境や山間地に不法投棄に目を光らせるとは言いますが気をつけるにこしたことはありません。 
 
◇雑記多感

  早朝福島に行って、8時半に仙台若林区の七郷中央公園仮設住宅でラジオ体操して、周辺に挨拶を交わし、10時に石巻に行って、午後福島にまた行って夜帰る・・・。あるいは今日は福島、明日は石巻、明後日は宮城と福島・・・。軽トラでの移動は全く苦にはならないのですが、ドラえもんの「どこでもドア」が本当に欲しいと思えてきました。移動時間が限りなくもったいない気が時々してきます。毎日福島に入っている状況が当たり前のようにあるので、福島の地元紙を持ってきて欲しいとか南相馬市に今から行ってほしいとか普通に言われてしまいます。福島に入っていないときに限って要請があるというのも面白いなぁと思う反面、最近移動中渋滞なく目的地に早く着くための現実的ではない方法をあれこれ考えています。そうすると時間は同じでも、短い移動時間に感じてしまうから不思議です。不思議ですがあまり意識を飛ばして移動するのは危険ですので、現実に意識を戻す呪文のようになっているのが「あ~、どこでもドアがほしい」です。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  5日 No. 221
 
◇教会・付属施設情報
 
◇避難者・所情報
 
◇生活情報
 なかなか新しい環境に対応して生活習慣を変えるということは難しいと思います。特に高齢者の方は今までの生活習慣とは違う環境になると何も出来ずに家にこもってしまいがちです。仮設住宅で同じ地域の人ではない人同士が薄い板で隔てられたところでは家の中にいても他人の声や音に機を使ってしまいがちです。言葉を発する場もなく生活していくのは前向きに歩む気力はなかなかわきません。趣味を見つけようとしてもすぐに見つかるものでもありません。身近なことから体を動かしましょうといわれても一人でいるとなかなか出来ません。誰かと話をすることが大切なのです。
 東電福島第一原発の高濃度汚染処理施設から水が45トン漏れていて、漏れているのは処理後の水(放射性セシウム4万5000ベクレル/ℓ:基準値の300倍、ストロンチウムは処理できないので基準の100万倍とされている)東電は濃度を4月の低濃度より上の「中濃度」といっているが、その数値が海に流されているとなると、福島の底引き網漁の再開が来年出来るのかどうかがわからなくなってしまい、さらなる不安になっている。汚染土を海底に投棄するなどというふざけた案も出てくるようでは、すでに万策尽きたといっているようなものです。早く原発周辺半径10キロ圏内は人が住めないということを公表して国が土地を買い取り、そこに全ての瓦礫や汚染土を持ってくるべきです。海に投棄するなんてもってのほかです。
 
◇地域情報
 宮城県でも甲状腺検査が始まった。丸森町の筆甫、耕野地区で83人の子どもを対象(受診7割)に行われた。今後も継続するか未定ということもあり不安が残っている。宮城県でも南部にあり東電福島第一原発の影響があるので継続を望んでいるが、今後の課題として残っている。また甲状腺検査だけでなくホールボディカウンターや血液、尿の検査をしてほしいという要望が多いのです。 
◇雑記多感

 あまりの強風で瓦礫の仮置き場に設置されていたフェンスが倒れたり、宮城県でも4400戸が停電したりした。昨日は強風で車がグラグラ揺れていました。明日の石巻に行くための準備をするために今日は仙台を移動しています。石巻だけでなく宮城も福島もほとんど誰も来ない仮設住宅があるのでしょうが、ほとんど情報が入ってきません。福島はまだマスコミにも取り上げられたりしてほとんどの仮設住宅や民間借り上げ住宅に市町村の職員や民生が対応したりもしていますが、石巻市や気仙沼市ではほとんど対応できていないところの声を、たまたまではありますが聞くことが出来ました。あとは継続的に形になるまでかかわりつつ、エマオ石巻の働きとしてつなげていくことが出来ればと思います。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  4日 No. 220
 
◇教会・付属施設情報
 石巻栄光教会の礼拝に出席してきました。礼拝後に一緒に食事をしながら地域の状況や仮設住宅での情報などを聞くことができました。午後からは教会で仮設住宅に住んでいる田村さんと待ち合わせをして話を聞くことが出来ました。
 
◇避難者・所情報
七郷中央公園仮設住宅で息子とラジオ体操に出かけ、そのまま石巻栄光教会の礼拝に出席させてもらって、話を聞くうちに、田村さんという方の住んでいる仮設住宅には自治会も顔役もおらず、声を上げることも出来ないので社会福祉協議会もボランティアも来なくて忘れられた形になっていると話しておられました。仮設住宅の場所は石巻市須江字関ノ入にある関ノ入団地という場所に建てられた4棟に16世帯、近くの民間借り上げ住宅に5世帯が買い物に行くにも不便、行政の巡回もほとんどなく、12月3日に山形のボランティアの方が一人出来て餅つきをしてくれたという話を聞きました。水も急きょ引いたのでカルキ臭が強くお茶を飲むのも我慢をしているし、お風呂も追い炊き機能がついていないので、お湯を沸かして足すということを毎回しているそうです。行政が支給するはずの暖房器具もまだ届かず、断熱措置もいまだにされていないと話しておられました。そして被災地が同じ地区ということではなく、女川や雄勝、石巻市街地、その他いろんなところから集められているので顔見知りがなかなかできずにいるとのことです。物資支援もさることながら、忘れられていくことなしにつながりがほしいということを強く訴えておられました。実際にこの仮設住宅で転倒した高齢の男性は大腿部骨折していたのに部屋の中で助けを呼んでもすぐには誰も来てくれなかったということがあったそうです。高齢の一人暮らしの方に防犯ブザーを持たせることにしたが、一人で対応できないときにどこに連絡をしてどう対応していいのか分からないということでした。
 エマオ石巻のスタッフをしている浅見さんにも来ていただいて一緒に話を聞き、関ノ入団地の仮設住宅と近くの民間借り上げ住宅の計25世帯と寄り添いながら一緒に乗り切っていこうということになりました。エマオ石巻は連絡先一覧表(警察・救急・消防、役所、社会福祉協議会、エマオ石巻など)を大き目の紙に作って各戸に配布するのと同時に、全ての要望には応えられないかもしれないが必要なものアンケート用紙を作成して書いてもらう。回収するための要望ポストを設置する。週に1度は訪問するなどが話し合いで決まりました。できれば人が集まれるイベントや企画を月に1度はあると嬉しいという要望も聞いています。平日昼間は数人しか残っていないので、出来れば土日の午後に企画が出来ればとも伺っています。
 火曜日に石巻の現地へ1世帯1つということにして、1世帯に水1ケース、湿気取り1パック(3個)、懐中電灯、バラの折り紙を届けます。クリスマスカードは次週に訪問するときに持って行くことにしています。仮設住宅全体としては月間スケジュールの書けるホワイトボード、要望書の入れれるエマオ石巻専用ポストを持っていくことにしています。また火曜日は市役所と社会福祉協議会に出向いて広報(各地区の)や仮設住宅の人へのお知らせなど、行政の情報を集めてきます。
 避難所からそのまま来られた方もいて、衣類なども足りず、暖房器具も行政から届いていない中で耐えているのですが、昨夜から今日にかけての暴風なんかがあると耐えられません。サマリタン・パースとも連絡して衣類や生活用品、毛布、カセットコンロ、ガスボンベ(お風呂の追い炊きの代わりに用いているそうです)などなるべく早くに対応しないといけません。ご協力をお願いします。
 
◇生活情報
 
◇地域情報
 二本松市の米の予備検査で放射性セシウムが国の暫定基準値(500ベクレル)を超えたことで、更なる検査をしたところ、二本松市の水田では穂に近い新しい葉っぱになるほど数値が高かったことが分かった。通常は放射性セシウムを以前から浴びてたまり続ければ、古い葉っぱの方が放射性物質はたまりやすいのですが、二本松市の水田では逆です。新しい葉っぱは7月末から8月上旬育っています。原発事故から4ヶ月以上たった時期に何故放射性セシウムが増えたのかについて東大の栽培学の根本教授は高濃度セシウムが付着した裏山の落ち葉が夏に腐食が進んで分解され、水に溶けて田んぼに流れたと推測しています。ということは、放射性物質は時間の経過とともに汚染度は変わるということになります。今汚染度が低いから大丈夫とか、汚染度が高くても除染すれば大丈夫と考えられていますが、福島の山に囲まれた地形では、平面に降り注がれた放射性物質よりも立体になっている山に降り注いでいるほうが放射性濃度ははるかに高いのです。たまたま間違えて県道という名の険しい山道を車で移動することになったときにも、ガイガーカウンターの数値がいじょうにたかかったことを思い出します。山の中の放射線量をモニタリングしていませんから、これから雪になって、春に雪解け水が平地に流れ込むようになると、山のふもとの特に田畑の放射線量が一気に高くなるのではないかと思います。来年には消えるというものではなく、これから長い間向き合っていく人もいるのでしょうが、見えない、におわない、感じない猛毒を相手にするには根気という言葉は向き合うために用いるのではなく、そこから離れて待つために用いる方がいいと思います。
 
◇雑記多感 

なんか職場見学されている気分で1日が過ぎましたが、息子には現実を見てもらえたと思います。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  3日 No. 219
 
◇教会・付属施設情報
◇避難者・所情報
もしものときのために社会福祉協議会と地域のNPO団体が協力して自治会役員と顔つなぎして、震災などが起きたときにすぐにボランティアセンターを立ち上げ、地域の避難所への対応や各戸訪問やワーク体制などを早期に作るようにシステム作りをはじめるべきという反省点を元にして、仮設住宅、雇用問題、居場所作りをテーマに話していたのが昨日の東日本大震災支援全国ネットワークでしたが、やっぱりお金の話と利権がらみのような気がして違和感がありました。被災者を第一に考えるべきであって、ボランティアの活動資金を行政や中央共同募金があーだこーだいうのもおかしな話だと思います。特に中央共同募金って余っているなら他に回しなさいよって思います。
 民間借り上げ住宅の申請が今月末で新規停止要請を福島県が全都道府県に通知した件で、避難しようかどうか悩んでいる人たちにとっては早過ぎるとの声が出ている。自主避難しようかどうか悩むほとんどの理由が原発事故が収束していない現状、除染作業や方法が確立されていないこと、仮置き場の設置場所が決まっていないために、もしかしたら自分の生活圏内にできるかもしれないことを見定めてからという人たちもいる。にもかかわらず今年中に申請停止を打ち出すのは、自主避難させないための県の手段にしか思えません。あまりにも性急過ぎるのは問題です。せめて来年3月末までに延長するべきです。もっともそうさせないための方法なんでしょうが、弱い立場の人を支える姿勢が見えません。
 
◇生活情報
福島の米で新たに放射性セシウムの暫定基準値を超えた米が見つかり、信頼が揺らいでいるのをいいことに安価に米を仕入れようとする動きがあり、これもまた風評被害だと訴える農家の声がある。県は微量でも放射性セシウムを抽出検査で検出した29市町村2万5100戸を全戸調査するというが、安心をしてもらうためには全戸検査するべきです。労を惜しんでいるとまた不審の元になります。とっとと全戸検査して大丈夫なところからベクレル表示をして市場に出すべきなのです。
 
◇地域情報
 来年5月に盛岡で東北六魂祭が開催されることになる。正式には1月に決定するが、今年の仙台の盛り上がりを岩手県でも行い、復興に向けての歩みにしていきたいというもの。
 伊達市伏黒の飯舘村仮設住宅で兵庫のボランティア団体が今年ドラフト2位となった福島県聖光学院の歳内選手と一緒にクリスマスプレゼントを届けに来たそうです。兵庫のボランティア団体だからお宅だと思ったといわれましたが、残念ながら違いました。将来の大スターと一緒に記念撮影をした方々は笑顔だったそうです。
 
◇雑記多感
給食40ベクレル以下というのは誤解で、測定器の機種選定で40ベクレル以下の数値を測定できるものという意味であると修正したコメントをしていたが、40ベクレルが給食食品の1キロ当たりの目安とのコメントがいつの間にか変わってしまった。厚労省はこのコメントが出るまで知らなかったとして文科省に問い合わせたところ担当者が陳謝したという。こんなところまで文科省と功労賞が協力できていない体制が見えてくる。行政の調整不足のコメントは現場を振り回すだけになってしまいます。そもそも子ども達には○○ベクレル以下なら大丈夫ということよりも、子ども達には放射性物質が検出されないものを与えることが前提であって、極力放射性物質を内部に入れない努力をするべきなのです。
 放射性セシウムの半減期は約30年といわれています。あくまでも半減ですから、その半減の半減をして8分の1にするには約50年かかるとも言われています。ということは放射性セシウムが検出された土壌からの約50年の累計をしていくと積算放射線量は約2シーベルトになるともいわれています。健康影響が明らかな被ばく線量が100ミリシーベルト以上とされていますから、今数値が少ないと喜んでばかりもいられませんし、何よりも放射性物質を除染する方法が見つからないためにやっていることは人海戦術に頼らざるを得ません。その人海戦術も若い世代の人に頼ることも健康への影響を考えるとできません。さらに大量の汚染廃棄物をどうするのかということも問題になっています。要は放射性物質に対する具体的な除染や対応策はないということを押さえながら、生きるためにはその場から離れるという選択しか出来ない事実を早く知らせるべきです。

 今日から次男が仙台入りします。日曜日は石巻栄光教会の礼拝に出席し、月曜日は内勤、火曜~木曜日までワークをさせていただくことになります。なんだかバタバタしながら働いていただくことになります。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  2日 No. 218
 
◇教会・付属施設情報
 
◇避難者・所情報
仮設住宅に花を置きましょうという動きがあります。それ以外に乾燥機を集会場におきましょうという声も出てきていますが、乾燥機は東北地方では必需品ともいえます洗濯乾燥機も布団乾燥機も必要です。必要ですが集会場におくと使う順番や頻度で仲違いする可能性があります。必要なんですが設置場所や数などで問題が生じるので手が出ません。特に福島県内では乾燥機は必要なのです。集会場に1台といわず、外に洗濯物を干さないようにする施設を用意できればいいのですが、今回の福島での活動報告や第3部の分科会形式の語り場のときにも結局はみなさん頷くだけで報告のときに取り上げることもしませんでした。いったい誰のための会議なんでしょうか・・・。
 
◇生活情報
学校給食で1食材1キロ当たり40ベクレル以下とし、40ベクレル以上の食材は除いて対応し、複数品目の場合はパンと牛乳だけで対応すると言っていますが、それでは1キロ当たり39ベクレルならどれだけ食材を使ってもいいということになります。学校給食の場合保護者が求めているのは、1食の放射線量であって、使った食材の放射線量ではありません。1食あたりどれだけの放射線量なのかを示さないと保護者から安心の声は聞こえてきません。
 日本原子力研究開発機構が除染の実証実験の一環として、警戒区域の瓦礫を大きなプラントの中に1mのドラム式洗濯機のようなものを設置して瓦礫を水洗いし、放射性物質を含んだ水から放射性物質を吸着除去させて水を再利用する実験を1月に行うことになる。木片やコンクリートがどれだけ放射線量が減るのかデータを取るというもの。
 また広野町では大きな低温蒸し器プラントで放射性物質を含む汚泥を圧縮させて放射線量を凝縮させてドラム缶に入れて保存するという実証実験が始まった。
 宮城でも放射性物質を検査する民間機関「てとてと」が大河原町に測定室が作られた。測定には予約が必要で、1回2品(1品1000円)を3ヶ月、それ以降は検討するというもの。ホームページの申込用紙でメールか郵送、ファックスにて対応するというもの。
連絡先0224-86-3135(ファックス同じ)。sokuteimiyagi@kni.biglobe.ne.jp 
◇地域情報
 飯舘村に「ふるさとモニタリングカメラ」が設置された。防犯の意味と村の各地の映像を見ることで村民に希望を持ってほしいとのこと。今後村内25箇所に設置してインターネットで来年から見られるようにしていくというものだが、荒れ果てた村の四季を見られることが希望になるとは思えません。「防犯」の目的だけでいいのではないかと思えます。いや、むしろ現実を見て「帰ることができない」ことを示そうとしているのかもしれません。
 海岸線の砂浜で放射性セシウムが各地で検出されています。いわき市では永崎海岸で1キロ当たり4040ベクレル、南部の海岸線の砂浜よりも北部(原発に近い)の海岸線の砂浜の方が数値が高いことが分かった。これを受けて相馬市や南相馬市の砂浜(表面よりも地中のほうが数値が高い)の検査を始めることになる。
 福島県各地で夕方からイルミネーションが駅前で点灯された。郡山駅では18万球、福島駅では24万球などのLEDできらめいていたけれども、心から喜べないのは、放射線量がまだまだ高いところに人を集めようとすることです。行政が人を県外に出さないために必死になればなるほど高い放射線量の中に人を押し込めることになります。そのイルミネーションを嬉しそうに見ている若いカップルや家族連れの方々、学生さん達の笑顔が辛く感じてしまいます。
 
◇雑記多感
昨日は郡山市で東日本大震災支援全国ネットワーク現地会議in福島の集まりがありました。6月にも行われたもので、今回が2回目となります。今回初めて参加させていただきました。第1部は仮設住宅についてNPO法人しらかわ市民活動支援会の樋口葉子さん、雇用についてNPO法人コーヒータイム理事長の橋本由利子さん、居場所作りについてNPO法人ココネット・マムの鈴木美礼さんが現状報告と課題を話されました。時間が短く、その後第3部でブース形式で分科会(移動可能)が行われ、そこで細かいことを聞くことが出来ました。仮設住宅では地域のつながりのない仮設住宅(各地バラバラに集められた仮設住宅入居者の多い所)や小さな仮設住宅ではイベントがないとなかなか集まることが出来ないし、地域のつながりを持つことが出来ないのでイベントを多くやってほしいという声があることを報告された。その一方で大きな仮設住宅団地ではイベントそのものがなかなか出来ないこと、「有名」な仮設住宅ではイベント疲れで自治会長や役員、顔役が役職辞退を申し出てくるほどになっていることが指摘されていた。また第2部では政府・助成団体から第3次補正予算を受けて「資金」についての説明がなされた。話を聞いていて、この集まりは大きなボランティア団体、NPO法人、NGO団体が行政からの資金をいかに得るのかという集まりにしか見えませんでした。行政や助成団体が金を出すから「絆ネット」の傘下に入って活動資金の一助にしてくださいってことです。こういう集まりで資金は必要なのでしょうが、なんか参加してみた自分もハイエナになったようですっごく違和感がありました。さらに第1部が終わった後にJCNの古田さんという人が「除染」に関していいか悪いか議論をしていくと先に進めないので今日は言わないようにしますが、除染活動でボランティアが参加できる基準が現在ないことを指摘しながらも、12月下旬までにガイドラインを行政が出てくるのを見てから、公開の場で不備な点などを指摘していきたいとコメントしていました。そうではなくって、「福島」での活動をしていくときには切っても切れない問題が「放射線」の問題なのだから、行政がガイドラインを出す12月下旬までに、特に今回の集まりのときに最低限の要望を出すべきでした。せっかく行政の「東日本大震災復興対策本部事務局ボランティア班参事官の藤澤さんが来ているのですから、ボランティアが除染活動に参加するときの基本的決め事を話し合うこと・・・最初の一次除染は行政が全て行うこと、2次除染作業以降ボランティアが参加する場合の装備を含めガイドラインをしっかりとまとめ遵守すること、除染作業が確立されるまでボランティアに除染作業をさせないこと、活動する年齢制限を設けること、活動は東電福島第一原発が収束してからにすること・・・たぶん今回の集まりでは絶対に受け入れられない提言でしょうね。なんか行政の下請け的なイメージが抜けませんでした。
 この調子では今日行われる宮城での会議も同じことかもしれませんね。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  12  1日 No. 217
 
◇教会・付属施設情報
 30日に仙台市内でキリスト教系ボランティア団体が集まって「放射線対策」「福島」に対するボランティアの関わりについて意見交換する場が12時半から聖公会の「いっしょに歩こうプロジェクト」会議室にて行われ、16名が参加しました。その中の報告で郡山の聖公会のセントポール幼稚園や福島市のみその幼稚園で除染活動を行い、現在も朝と夕方に高圧洗浄機で建物を「除染」していると報告があった。東北教区被災者支援センター・エマオからは兵庫教区長田センター協力派遣として僕が出席してきました。耳が痛いコメントとして、セントポール幼稚園はすぐ目の前に薫小学校(一番最初に校庭の表土を剥いだ小学校で、処分先がなくずっと校庭にブルーシートをかけて放置されていたが、後日校庭に埋設された)があり、空間線量も高いところです。毎日朝夕2回高圧洗浄機で「除染」することは子どもたちを預かる施設としては当然かもしれないが、それはあくまでも自分達の敷地だけ線量を低くすればいいという行為であって、押し出された放射性物質が隣近所や側溝や下水に流れていけばいいのかキリスト者の集まりだからいえるが、それが本当にいいのか疑問を持っていること、若いボランティアを福島県内に派遣するのは間違いということを伝えさせてもらいました。またルーテルや日本国際飢餓対策、改革派は相馬・南相馬市を支えていくための下準備を始めているとのことでした。さらに福島市保守バプテスト教会から福島教会復興支援ネットワークの久場先生が来られて実情を語られ、除染は1回だけでは無理ということと、高圧洗浄は有効ではないこと、内部被ばくの問題、短期疎開プログラム、個人的避難支援、測定マップ作りを話してくれました。
 
◇避難者・所情報
 双葉町長の井戸川さんを応援します。このたび双葉町では除染モデル実証実験事業を当面行わない方針を出しました。理由は現状では除染そのものに信頼性がないとして、除染技術が確立されていないこと、インフラ整備が行われていないこと、汚染土、瓦礫など仮置き場が設置されていないことをあげ、そんな中でのモデル事業受け入れに疑問があるというもの。除染事業導入に関しては慎重に進めていきたいとし、除染方法が確立された後に町の復興計画を策定する予定を明らかにした。首長が除染に対して疑問を持ち、経過を見ると答えたのは初めてではありますが、普通に考えれば井戸川さんの考え方が「普通」だと思います。
 
◇生活情報
 仙台だけの問題ではないのですが、震災後家屋の解体をしていて、やっぱり問題になるのがアスベストの問題です。仙台駅近くのホテルサンルート仙台が解体工事を13日から28日まで行っていましたが、アスベスト対策をしていなかったことから、WHOが定めた基準値の13~36倍が大気中で検出されたというものです。この間どれだけ多くの人が解体工事の前を通行していたか分かりませんし、周辺のお店にも影響が出るかもしれません。アスベストの影響はだいぶ経ってから出てくるのですから、解体工事の際には細心の注意を払うべきです。粉塵飛散防止のために水をかけながら解体をするのですが、このホテル解体は見ていませんから分かりませんが、国道6号線沿いや南相馬で車を走らせているときには放水せずに解体しているところもありました。
 僕達にできることは、インフルエンザも含めて極力外気を直接入れないようにマスクの常着することになります。
 
◇地域情報
 今の福島県知事は被害者顔してあれこれ発言していますが、やっぱり「加害者」だと思います。福島県民を県外に避難させることをせずに留まらせ、早々に県産米の安全宣言を出してから3地区で暫定基準値を超えた数値の放射性セシウムが検出されても安全宣言を撤回せずにいる。たしかに流通しているのは限界値とされている5~10ベクレル以下の「不検出」の米に限定して流通させているので、販売されているものは安全だとしています。確かに安全なのでしょうが、安全宣言を出したのが早すぎたことと、国や県が買い取ることに関してまだ結論が出ていない不安を与え続けていることへの責任については言及していません。被害者顔していろんな所で発言している佐藤福島県知事が復興計画の中に全原発廃炉(県内10炉)を国と東電に求める内容を盛り込んで原発との決別を示すことになります。もともとこの知事が推進したのではないですか!その佐藤知事から「県民を守り、若者や子どもが安心して暮らせる県にするためにも県内の全原発を廃炉を目指す」と述べるとは、辞職して反原発を訴える知事に交代するべきです。
 石巻市のがれきを軽減することも含めて石巻港に護岸整備のために埋立てる形で処分をしようと計画している。がれきが海面処分されるなんて聞いたことないのですが、10.3ヘクタールの海面を締め切って、約100立方メートルの災害廃棄物を埋立てることが決まった。埋立てるものは石巻港に2次置き場で再資源化され、安全が確認されたコンクリートや土砂、津波堆積物で、埋立後は埠頭用地として利用する計画となっていて、2012年度末までに作業を完了させる。
 
◇雑記多感
 本日は郡山市で行われる「東日本大震災支援全国ネットワーク」に参加してきます。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  11  30日 No. 216
 
◇教会・付属施設情報
◇避難者・所情報
  ホームセンターのチラシで高圧洗浄機が目立ちます。各戸で購入や、仮設住宅で共同購入などが検討されているようですが、除染目的での購入ならもう少し待ってみたほうがいいと思います。今、実証実験では高圧洗浄機による除染の効果が疑問視されているからです。今までにないことですからいろいろと悩むこともありますが、高圧洗浄が有効というのは報道によるまやかしでしかありません。放射性物質を自分の生活範囲から一時避けるだけであって、放射性物質は減りませんし、流されて溜まったところ(側溝や下水など)では高線量になってしまいます。
◇生活情報
  フィンランド公認サンタクロースが12月14日午後2時半から仙台市青葉区一番町のエル・パーク仙台スタジオホールで先着180人、12月16日10時15分からいわき市アクアマリンふくしまマリンシアター(入館料が必要)で定員100人にやってくる。申し込みははがきで申し込むことになる。
◇地域情報
 石巻専修大にあった石巻市ボランティアセンターと石巻市ささえあいセンターが12月1日から石巻市勤労者余暇活動センター「明友館」(石巻市不動町2-16-10:?0225-23-3911に移転する。今後は石巻市社会福祉協議会災害復興支援対策課になる。
 
 桑折町で柿木の除染の指導会が行われ、桃や柿木を高圧洗浄をかけ、樹皮を剥ぐ作業が紹介された。参加者は約200名だが、伊達地方は一斉除染を行って来年には安全安心の作物をと希望を示している。しかし指導員の語る希望は確かに樹皮の除染に関して桃の木は約50%、柿の木は約70%除去できたと語るが、高圧洗浄で流された水は木の植えられている地面に吸収され、霧状の水しぶきは舞い上がって広がっています。はたして本当に除染は意味があるのか、希望を持つ反面疑問を持っている声があります。
 
 石巻市では毎年8月に花火大会が行われているが、来年に向けて「石巻の花火大会支援カレンダー」が明日から販売される。一部2100円で、収益は石巻川開祭実行委員会(石巻市商工会議所)に寄付される。長く伝統の花火大会として大正時代から続いているというもの。問い合わせは運営事務局のドリームエッジ:03-3710-0733。
 
 全国の被災者支援団体と被災県の支援団体が連携を深めて今後の支援を議論する「東日本大震災支援全国ネットワーク現地会議in福島」が明日午後4時から郡山市中町のホテルプリシード郡山で開かれる。12月2日は午後1時から「東日本大震災支援全国ネットワーク現地会議in宮城」が仙台市青葉区中央1のAER21階TKPガーデンシティ仙台で開催される。
 第一部が現地の団体が雇用などの現状報告や問題提起を行う。第二部が政府の復興対策本部や中央共同募金会が政府の支援状況や資金について説明。第三部が報告のあったテーマについて分科会形式で参加者が議論する。参加費は無料。申し込みは東日本大震災支援全国ネットワーク事務局。
◇雑記多感

 昨日は相馬市も南相馬市もガイガーカウンターのアラームが鳴りませんでした。原町駅前で0.22、南相馬市役所前で0.21マイクロシーベルト/時となっていて、洗濯物を外に干したり、ベビーカーを押しながら散歩している若い夫婦の姿を見かけました。町並みも店が再開されている所が増えてきています。ドライブイン花園で昼食を取ってから飯舘村に向かって走っていくと、原町区の信田沢から急にアラームが鳴り始め、徐々に飯舘村に近づくにつれて数値が高くなってきています。新聞などでは2.0マイクロシーベルト前後で報告されていますが、飯舘村のいたるところで2.6マイクロシーベルトを越えています。飯舘村に近づくにつれ、洗濯物が室内に干されていて、人が歩いていません。時折飯舘村方面から車が通過していくぐらいです。飯舘村に入ってすぐに山田電子工業の建物に電気がついていて、車が何台も止まっています。営業しているのでしょう。車を止めて数値を計ると2.88マイクロシーベルト/時でした。飯舘村役場の下に当たる田畑は10月には荒れ放題だったのですが、いまは刈り取られています。でも刈り取られた雑草などは集められることもなく田畑に細かくされて敷かれています。少し高台から飯舘村を見ると、周辺は紅葉といわれていますが、飯舘村の中は茶色の世界です。常緑樹も茶色に染められていくのではないかという怖さがあります。見事な紅葉ではなく茶色というのが、もうここには住めませんと自然が教えてくれているようです。足元の数値を計ると4.27マイクロシーベルト/時。本当は家屋の雨どいなどを測定したかったのですが、警察の巡回や見守り隊の巡回が多くて、一時停止しただけでも前後に車が止まるぐらいです。紅葉がきれいと思えなかったのは、柿の木も同じです。少し遠目から観ると丸いオレンジの花が咲いているように見える柿の実は、順番に実が落とされて木の根元に山積みにされています。食べることのできない収穫物に対する想いが丁寧に根元に山積みされた形に表しているかのようでした。

 

急 援 隊・神 戸 
~見た聞いた録~
 
2011年  11  29日 No. 215
 
◇教会・付属施設情報
 
◇避難者・所情報
 宮城県の公立小中学校の教員で3割が抑うつ傾向があると健康調査アンケートで分かったとされているが、他地域よりも石巻市のほうが高くなっていることも合わせて分かった。公立小中学校は震災直後から避難所になったりして、その働きも支援物資の受付・保管・配布、ボランティア受付、施設管理、生活補助、生徒達の所在確認と訪問、避難者名簿作成、避難所運営会議と対応などさまざまな働きがあり、疲れが蓄積している中での学校再開とあり、今はまだ自覚がない人でも2~3年後にうつ病を発症することが阪神淡路大震災のときにもあったことから、これからが問題だとされている。特に冬休み明けから3月の学年度終了時期にかけてと新入学が終わってほっとする大型連休前後に気をつけないといけないのです。教職員も公務員も交代でゆっくり休養できるシステムを今年度だけでも特例としてとっておかないと過労を含め肉体的精神的に擦り切れてしまいます。
 
 福島から自主避難したお母さんから聞いた話をまた聞きさせてもらったところ、何気ない日常会話で自分と同じ意識を持っている人と持っていない人との区分け方法が天気のいい日に「今日洗濯物(あるいは布団)を外に干したかどうか」だそうです。外に干した人には別の日常会話を、中に干したという人には放射線についての悩みなどを徐々に小出しにして話題の中に入れているというものでした。自主避難も含めて県外に避難した人たちもまた悩み苦しみ続けていると話してくれたのは、南相馬市の原町一小学校に子どもを通わせているお母さん2人です。子どもを安心して学校に通わせるために行う方法を除染だけに限定せずにいろんな可能性を柔軟に対応してほしいということで南相馬市役所に陳情書を渡しに来たときに、新聞記者の質問に答えていたのを聞いていたとき自分の友人の話として自主避難した人の悩みも含めて受け止めてほしいということでした。何人かの新聞記者もいたので明日以降に新聞記事になるかもしれませんが、自主避難した人も戻った人も、残った人も苦しんでいるのです。
 
 放射線から避難してきたのに、仮設住宅でも放射線の高い数値に悩まされているのが二本松市(杉田地区農村広場仮設住宅55世帯約130人)と本宮市(恵向仮設住宅114世帯約269人)です。二本松市は9月以降放射線量の高さから除染を求めてきたのに今月半ばに各戸の床下にコンクリートを流し込み、固まったら周辺部分に砂利を敷いて土をかける作業が終了した。また西郷村の小田倉団地仮設住宅でも同様の作業が終了したという。本宮市は昨日から始まったが、他にもこのような事態になっている可能性が高いので、できれば仮設住宅の住民が各戸のいろんな箇所を測定し、各ブロックにある集会所に一覧表を作ることをお勧めします。自分達の住むところは自分達で守っていくしかないのですが、そのためにも県や市町村は仮設住宅の各自治体に最低でも1つ、放射線測定器を貸し出して、これから継続的に測定してもらうべきです。
 
◇生活情報
 年末年始の東北道の渋滞予想が発表され、今年は10キロ以上の渋滞が各地でおきると指摘された。実際に夏の渋滞、秋の渋滞に加え、東北道の各地で行われている道路工事も年末までに終えたいと集中工事となっているが、もし終わっても最長35キロが予想されている。
 福島市大波地区に続いて伊達市小国地区、月舘地区からも暫定基準値を超えた米が見つかり、出荷停止と自粛を求めることになる。これで計13戸となった。県によると基準値を超えた米は農協や業者に保管されていて販売されていないということだが、いつもそういうコメントだから本当かどうか疑わしくなってきてしまいます。たぶん検査も上に積み上げられた部分からというよりは、下の部分を検査しているのでしょうが、どのような検査方法かも良く分かっていません。小国地区では直売所でもち米9キロが販売されたということです。12月にはいると各地でもちつきが始まるので、12月初旬までにもち米はよく売れるので、直売所では気にしないといけません。これを受けて県は大波地区、小国地区、月舘地区、霊山地区、相馬地区を含めて福島市、伊達市、相馬市、いわき市でも1農家1検体以上の全戸検査を実施しているが、今後二本松市や本宮市、南相馬市、郡山市も加わりそうです。県は地域拡大はショックだとか言っている前に、県知事の安全宣言の撤回と検査範囲を広げ安全性の再確認をするために全戸検査をするべきです。その福島県副知事が沖縄県を訪れ、沖縄県副知事と会談したときに、福島県産の米は2重3重の検査をして安全性が確認されているものだけを出荷しているから安全ですと説明し、沖縄県副知事も流通している米が安全なのが分かったからおいしく味わっていただきますと支援することを約束したそうな。そのやり取りの中で直売所とはいえ9キロのもち米が販売されているのですから、何を信じていいのか分かりません。自家消費米の検査が昨日から行われていますが、昼過ぎの報道から自主検査を行う予約や問い合わせの電話が多くなったといわれている。
 
 いわき市では底引き網による放射性セシウムの検査をしたところ、年内は県全域で沿岸漁業の再開について休漁が決定されました。相馬市では1月に試験操業を目指すことに決めた。試験操業は相馬市沖30キロ、水深50m以上の海域で行うことになるが、インタビューを受けた漁師さんは自嘲気味に笑いながら「売れない魚を取るのは虚しい」ということです。
 
◇地域情報
 昨日の夕方に道の駅南相馬にいたときに、近くの人たちの声が聞こえてきてなんとなく聞いてみると、東電福島第一原発の吉田所長が入院するために所長職を辞めるということだった。その噂をしている人たちがどこの何者かは知りませんが、「放射能だよ」「過労だよ」「がんになったのか」「やっぱり放射能は怖い」などと話していました。帰りにラジオを聴きながら帰っていると11月15日に東電福島第一原発の免震棟からすでに離れて24日から入院しているとのこと。そのことは原子力安全・保安院に連絡が入ったのは28日だという。所長がいなくても第一安定センター所長がしっかり対応しているので連絡が遅いとは受け止めていないとコメントしていたようだが、そういう連絡も含めて早くに伝えることが本来必要なことではないのでしょうか。その後官房長官の記者会見で原発事故収束に影響が出ないように政府としても十分に注視していきたいと述べていたが、まだ何か報告が遅いことがあるのではないかと不安視しています。吉田所長の後任は高橋毅原子力・立地本部原子力運営管理部長となる。
 
◇雑記多感
 高層マンションだけではなく、震災公営住宅でも、各自治会でも、食料と水の備蓄のための部屋をどこか1室持つようにするべきです。最初の3日をしのぎきるためには行政ばかりに任せているよりは、自分達の生活圏内でも備蓄しておかなければいけないと思います。最初の準備を市町村が用意して、補充分を自治会費、共益費などで出していくとかしないといけません。
 
 マイコ・プラズマ肺炎やインフルエンザが流行してきています。いくら予防してもかかってしまう可能性があるものでしょうが、それでも感染を軽減することは可能です。外出時のマスク着用、帰宅時のうがいと手洗い(できればアルコール噴霧器による消毒も含めて)、栄養のある食事、しっかりと睡眠をとる、そしてもしかかったときのためにひどいことにならないようにするために予防接種です。特にボランティアスタッフはいろんな人との接触もあるし、立場上の責任もあるので予防接種を受けるべきですし、そのためにはコーディネーターが近くの医者に予約するべきなのです。「まだです」「しないといけませんね」ではなく「何月何日何時から予防接種にいくのです」と指示をしない限り、自発的にボランティアスタッフが行くとは思えません。福島の社会福祉業議会は登録のあるボランティアセンターに電話連絡をして、そのボランティア団体からインフルエンザやマイコ・プラズマ肺炎など感染性の病気がボランティアスタッフから出た場合には連絡をするようにお願いもしています。感染を防ぐのはボランティアセンターのスタッフのためでもありますが、感染経路を広げない、関わっている人にも極力移さない努力をすることがボランティアで関わる意識だと思います。
長田センターへのお問合せ
被災者生活支援長田センター