イランが新たなウラン濃縮活動を始めたことに対して欧米諸国が反発を強め、イランに対する制裁措置の準備を進めるなか、ロシア外務省の高官は「いかなる状況でも制裁には反対だ」と述べ、あくまでも否定的な立場を示しました。
イランが今月、中部コムの近郊に建設した核施設で新たにウランの濃縮活動を始めたの対し、これに反発を強める欧米諸国は、イランの原油を禁輸するなどの制裁措置に向けて最終的な調整を進めています。これについて、ロシア外務省のリャプコフ外務次官は11日、国営イタルタス通信のインタビューの中で、「イランがウラン濃縮を進めていても、いかなる状況でもそのような制裁措置を取ることには反対だ」と述べ、あくまでも否定的な立場を示しました。また、イランに対する武力行使について、リャプコフ外務次官は「最も重い過ちであり、非常に重大な計算違いになるだろう」と述べ、地域の安定や世界経済にとって深刻な打撃をもたらすことになるとして自制を呼びかけました。ロシア外務省は、今月10日にはイランの新たなウラン濃縮に遺憾の意を表明しましたが、この日のリャプコフ外務次官の発言は、伝統的に友好関係にあるイランの核開発問題は対話を通じて解決すべきだというロシアの従来からの立場を強調したものです。