核戦争による地球最後の日までの残り時間を象徴的に示した、いわゆる「終末時計」について、アメリカの科学雑誌は、世界の指導者の核軍縮に向けた努力が足りないとして、時計の針を1分進め、残り5分にしたと発表しました。
これは、アメリカの科学雑誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」が10日、発表したもので、核戦争による地球最後の日までの残り時間を象徴的に示した、いわゆる「終末時計」ついて、時計の針を1分進め残り5分にしたということです。科学雑誌はその理由について、「核兵器なき世界への進展が乏しく、実現に向けた道筋が明確でない」として、アメリカや中国、北朝鮮など世界の指導者の核軍縮に向けた努力が足りないことを挙げています。「終末時計」は、核戦争による地球の破滅を午前零時に想定したもので、1953年にはアメリカと旧ソビエトが水爆実験を行ったことを受け、針が零時2分前まで進められましたが、冷戦終結後に針は戻され、オバマ大統領が核軍縮への姿勢を見せるなか、おととしには零時6分前になっていました。科学雑誌は、今回、東京電力福島第一原子力発電所の事故についても触れ、「原発のような複雑なシステムの安全を確保するうえで、重大な問題を提起した」として、核の平和利用であっても、対応を間違えれば人類への脅威となりかねないと警告しています。