母校の快進撃に刺激を受けたと語るグランパスのGK西村=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのGK西村弘司(27)が11日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで自主トレを行った。全国高校サッカー選手権で準優勝した三重・四日市中央工出身で、9日の決勝は国立競技場に駆けつけて応援。後輩たちの奮闘に刺激を受け、“第3GK”からの脱却を誓った。
西村に最高の発奮剤が注入された。高校サッカー史に残る名勝負となった9日の決勝。母校・四日市中央工が延長の末惜しくも敗れた試合を、西村はスタンドで見守っていた。「よく耐えていたんですけど、負けたのは仕方ない。よく頑張ったと思います。刺激になりますね」。後輩たちの試合ぶりに賛辞を惜しまなかった。
四日市中央工では高校屈指のGKと呼ばれた。全国高校サッカー選手権では正GKとして臨んだ2年の時はベスト8、3年時は不出場と結果はいまひとつだったが、高校時代の記憶は今でも鮮烈だ。西村は「朝練して、昼すぎからまた練習して…。ホント、サッカー漬けでしたね。あそこに行かなかったら、プロにはなれなかったと思います」と昔を振り返る。
国立のスタンドでは同級生やかつてのコーチと再会した。口々に「頑張れよ」と激励された。「同期でサッカーを続けているのは2人だけ。久々に会ってみんなの思いも知りました」としみじみ。好きなサッカーに打ち込める幸せを痛感した。
昨季はグランパス加入後4年目で初めて、1試合も出場できなかった。悔しさの分だけ2012年に懸ける思いは強い。「あれだけの舞台でプレーする後輩を見て、『うらやましいな』って思ったんです。すべてにおいてレベルアップし、試合に出たい」。正GK楢崎という分厚い壁に、西村が果敢に挑戦する。 (木村尚公)
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