岩隈、イチローに“個人授業”請う　シアトル、マリナーズのこと教えて！！

　楽天から海外ＦＡとなって、マリナーズ入りが正式に決まった岩隈久志投手（３０）が１１日、仙台市泉区の楽天２軍施設で自主トレを行った。この日は新年になってから初めてというスパイクを履いての投球練習をブルペンで披露。終了後にはチームの先輩であるイチロー外野手（３８）からチーム事情などに関する“個人授業”を受けたいと熱望した。

　教えて、イチロー先生！！　メジャーリーガーとなって杜（もり）の都に戻ってきた岩隈がマリナーズを支えるあの男への思いを熱く語った。今のところは連絡が取れていないというが、“新入り”としての礼儀を欠かす気はない。それどころか、一対一で膝をつき合わせた個人レッスンをご所望だ。

　「（米国に）行く前にお会いしたいと思ってます。イチローさんからいろいろと吸収できたらいい。チームのことを聞きたいです」と岩隈。関係者によると、ファンフェスタに出席するために１月末に一度渡米する予定になっているが、その場でユニホームに袖を通す前に大先輩との対面を済ませておきたい口ぶりだった。

　日本で実績を残した岩隈だが、メジャーでは１年生。投球フォームやスタイルには「自分の投げ方でやりたい」と自信を見せる一方で、不安も多い。この日も「言葉だけは違うので、勉強しながらやりたい」とポツリ。英語以外にもチームの習慣や環境、試合使用球の違い、シアトルの様子など知らなければいけないことは山のようにある。

　しかし、イチローにかかれば、そんなことはお手のもの。今季がメジャー１２年目となる男はチームはもちろんシアトルの隅々まで精通。しかも、岩隈のマリナーズ入り決定後に「思いがけない良いニュース」と語るなど２００９年ＷＢＣで侍ジャパンの仲間だった右腕に厚い信頼を寄せている。「先生」としてはぴったりだ。

　もちろん、これは「やってやろう」と米国で成功したいという強い気持ちの表れでもある。この日はＷＢＣで使ったスパイクで５０球の投げ込み。日本開幕戦のアスレチックス戦（３月２８日・東京ドーム）の先発に「まずはそこを目標としたい」と再び意欲を見せた。クールな右腕が見せた熱き思い。きっと、イチローも応えてくれるはずだ。　（川越亮太）