2011年11月13日 21時3分 更新:11月13日 21時9分
【ホノルル坂口裕彦】野田佳彦首相は12日午後(日本時間13日午前)、米ハワイ・ホノルルのホテルで、ロシアのメドベージェフ大統領と約30分間、初めて会談した。北方領土問題について、両首脳は「静かな環境のもとで解決に向けた実質的な議論を行う」方針で一致した。大統領は首相のロシア訪問を招請し、首相も「検討したい」と応じた。
首相は「領土問題を解決し、平和条約を締結する必要がある。交渉は両国で達成された諸合意に基づき行う必要がある」とこれまでの立場を強調。両首脳は「問題解決の必要性を再確認し、互いに相手を尊重しつつ議論を続けていく」ことを確認した。
また、ロシア極東地域での石油や天然ガスなどのエネルギー開発をめぐり、両首脳は協力を確認。大統領は「日本とのエネルギー協力を重視している」と期待感を示した。首相は「双方が経済的利益を得る形で、今後もエネルギー分野で協力を進めたい」と応じた。
安全保障に関して、首相が「アジア太平洋を取り巻く安全保障環境が変わる中、時代の求めに応えられる外交安保政策を進めたい。あらゆる分野で協力関係を拡大したい」と呼びかけたのに対し、大統領は「日本と安全保障分野の協力を強化したい」と述べた。今後、安保分野や防衛当局間の対話を進めることで一致した。
首相は、来年秋にロシアのウラジオストクで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の成功に向けた協力を約束した。ロシアは来年3月の大統領選でプーチン首相が復帰するのが確実となっている。