受刑者脱走、周辺住民に不安広がる
TBS系(JNN) 1月11日(水)23時53分配信
脱走した受刑者は今どこにいるのでしょうか。広島市の刑務所から中国人の受刑者の男が脱走。男は現在も逃走を続けていて警察は、警察が指名手配し、行方を追っています。現場周辺には不安が広がっています。ただひたすら、人々は男の確保を願うしかありませんでした。町は今も、行方の知れない男の影に怯えています。
「この辺りは、夜になると暗いので」(周辺住民)
白昼の脱走劇。今、男はどこへ・・・。現場は、マンションや民家が立ち並ぶ住宅街にある広島刑務所。午前10時40分ごろのことでした。
刑務所内の運動場で、刑務官が点呼をしたところ、1人の受刑者がいないことに気づきました。当時、およそ50人の受刑者が運動していて、複数の刑務官が監視していたといいます。午前11時過ぎ、広島刑務所の塀の外で男性がうずくまっていたのが目撃されています。住民からの通報で、脱走が発覚しました。
「倒れていて、起き上がってすぐ走って逃げた。出るところは見ていない。仰向けになって転がっているところから見た」(目撃者)
脱走したのは、中国人・李国林受刑者(40)。殺人未遂など10もの罪で懲役23年が確定し、4年前から広島刑務所に服役中でした。
李受刑者は、身長173センチ、体重66キロの丸刈り。脱走した当時は上下とも白っぽい下着のような姿だったといいます。刑務所内の運動場では、李受刑者のものとみられる作業服が脱ぎ捨てられているのが発見されました。
現場近くの小学校には、心配する親の姿が見られました。
「当分の間は用心。早く捕まってもらわないと」(保護者)
「犯人がまだ捕まっていないので、迎えに来た」(保護者)
どのようにして脱走したのでしょうか。刑務所によりますと、李受刑者はグラウンドの周囲にある高さ2.6メートルの内塀を乗り越え、2階建ての施設の屋上を伝って外塀へたどりついたと見られています。外塀の高さはおよそ5メートル。現在、工事中で、内側と外側には足場が組まれています。李受刑者は、その足場伝いに塀の外へ出たとされます。
塀の上には触れると反応する特殊な電線も張り巡らされていましたが、工事のため、作動しないようになっていたといいます。
刑務所は、記者会見で管理体制に問題があったことを認め、謝罪しました。
「結果として(塀を)乗り越えられたであろうということから、刑務所側としても反省すべき点があったと思います」(広島刑務所の会見)
李受刑者の足取りは、いまだつかめていません。しかも彼の逃走は、今回が初めてではありませんでした。逃走を続ける李受刑者。彼は過去にも逃走の経験を持っています。
中国人窃盗団のメンバーとして金庫破りなどを繰り返していた2005年。岡山県で盗み目的で民家に侵入した後、職務質問をしようとした警察官に拳銃を発砲しました。その場で逮捕されますが、警察署で隙を見て、警察車両を奪い逃走したのです。
「ものすごいスピードだった」(当時の目撃者)
警察は、逃走の疑いで全国に指名手配し、行方を追っています。(11日23:04)
最終更新:1月12日(木)5時55分