広島 刑務所から受刑者が脱走

1月11日 13時11分

１１日午前、広島市中区にある広島刑務所から、殺人未遂などの罪で服役中の中国国籍の４０歳の男の受刑者が脱走し、警察が緊急配備を敷くなどして男の行方を捜査しています。受刑者は、当時およそ５０人の受刑者と共に運動場で運動をしていて、複数の刑務官が監視をしていましたが、確認するまでいなくなったことには気付かなかったということです。

警察によりますと、脱走したのは殺人未遂などの罪で平成２０年から広島刑務所に服役していた中国国籍の李国林受刑者（４０）です。刑務所によりますと、李受刑者は、刑務所の敷地内にある運動場で、午前１１時ごろ、職員が点呼で確認したところ、姿が見当たらなくなったということです。その後、近くに住む人から、刑務所の塀の外に白い服を着た人が倒れていて、その後、東の方向に走っていったと連絡が寄せられ、刑務所は警察に通報しました。広島刑務所は、現在、工事中で塀には足場が組まれていて、刑務所が塀に設置した防犯カメラの映像には、午前１０時半ごろに塀を乗り越える男の姿が映っていたということです。警察によりますと、李受刑者は身長１メートル７３センチ、体重６６キロくらいの中肉で、頭は丸刈りにしていて、脱走した当時は上下とも白っぽい下着のような姿だったということです。刑務所によりますと、李受刑者は、当時およそ５０人の受刑者と共に運動場で運動をしていて、複数の刑務官が監視をしていましたが、確認するまでいなくなったことには気付かなかったということです。警察は、現在、広島県内に緊急配備をするとともに、中国地方の各県などにも緊急配備を要請し、李受刑者の行方を捜査しています。広島刑務所の近くの路上にいた工事現場の警備員は「上下とも白い服を着た男が、刑務所の塀の下に転がってきたあと、すぐに立ち上がってマンションとマンションの間に入って行くのが見えた。男が塀を越えて逃げ出した瞬間だったのではないか」と話していました。

李受刑者は、中国人窃盗グループのリーダー格だった平成１７年５月、岡山市内で職務質問を受けた際に警察官に向けて拳銃を発砲したなどとして、殺人未遂などの疑いで逮捕されました。この３日後、けがの治療のため警察の車で病院に行き、勾留先の警察署に戻ってきた際、車から降りるため手錠を外された隙に警察の車を奪い逃走しました。そしてパトカーや乗用車に衝突したり接触したりしながら逃走し、その日のうちに逃走の疑いで逮捕されました。殺人未遂や窃盗、それに逃走など合わせて１０の罪に問われ、平成１８年に懲役２３年の実刑判決を受けました。広島刑務所には平成２０年６月から服役していました。