2012年01月03日

中島と青木への提言

ポスティングのデメリットということで、岩隈と同じ問題として契約条件の厳しさを語られているが、考えて欲しいのはFAで行く川崎がマイナー契約で渡ろうとしていることだ。

野手に関しては、中南米からアメリカの方がパワー・身体能力の面でかなり優れている。だからわざわざ言語などのリスクのあるアジア人を取る必要が無いというのが実際のところだと思う。

投手に関して言えば、全身を使って力をボールに伝えることによってそこに対抗することを得ている。外野手であるイチローの肩も同様だ。

しかし、打つことに関してはバットでとらえて押し込むのが基本と考えると、やはり根本的なパワーというものが必要になってしまう。バットを介するだけにパワーを伝えられる場所が限られてくるので投球のようにはいかない。

内野手は打球が届くまでが早く、瞬間的になるのでそういう意味で外野手よりも身体能力の差が出やすい。だからアジア人というだけで基本的に不利なのだ。

メジャーにわたるのなら、契約条件は二の次で、マイナー契約でもいいからという意志で渡って欲しい。メジャー挑戦というのはそういうことなのだと。日本で儲ければいいなんてことはない、やはり日本人の可能性、身体の動かし方などを含めた技術革新をもたらすためには挑戦するしかない。若いうちに日本を離れて有利な条件を捨ててアメリカで挑戦するというロマンを僕らに魅せて欲しい!

posted by akai_ryuusei |19:48 | メジャーリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
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2011年12月30日

天皇杯準決勝回顧:横浜FM対京都サンガ ~テレビ中継の映像を見て~

テレビ中継ってのは必ずしも真実を伝えないな、というのが感想だった。

ものすごく拮抗したいい試合に仕上げられていた。これが編集の力かという具合に。スタジアムで見ていた感じだと、明らかにメインスタンド側の副審には5回はミスジャッジがあったし、主審やもう一人の副審にもミスがあったがリプレー流したのはハンドの局面一度だけで、いい感じで試合さばけたようになってたのがおかしかった。

京都のDFラインが高かったから松本怜を入れて裏をスピードで狙おうとしたんだろうけど、直前に勝ち越しを決められたのは不運だった。あそこは木村監督は交代カード変えても良かったのかもしれない。ライン下げることになって使えるスペース無くなったし。そういうDFラインの位置とかもどこかで伝えられればいいのにとか、無理なのかなぁ。

もう1つ、スローインなどのちょっとしたリスタートの場面に全て選手のアップなどの映像を差し込むのってどうなんだろう?
まあ、視聴者は引きこむだろうけど、日産スタジアムと比べるとボールボーイがボールを渡す一連の動きや担架の係員の動きがひどく緩慢で拙く、必要以上にプレーの切り替えを遅らせていたのに、その辺が全くカットされていた。京都からしたらもっと早くスローイン始めようと動いてるし、マリノスのリスタートの遅さに乗じて自陣でポジショニングを完了して相手の攻撃を迎え撃ってたのが表現されてなくてもったいなかった。
こういうのはテレビ局側のサッカー脳の低さなのかもしれないが、もう少しサッカーの本質的な部分を伝えられるといいのになと思う。

まあ、じっくり中身を見てみれば、どちらが勝ってもおかしくない試合ではあったけど、京都の方が球際に強かったし、あれだけのセットプレーを決められない中村俊輔はちょっと考えられなかった。流れの中では随所にいいパス出してるし、調子は悪くなかったはずなのに。
どう考えても上手くて強かったのはマリノスの方だったという意味では歯がゆい結果ではあったが、現代サッカーにおいては上手くて強いだけではなく頭の回転の速さや攻守の一体感が最も大切なんだなという意味では納得の結果でもあった。
この試合の結果をただのジャイアントキリングや幸運とせずに、日本サッカーの発展につなげていければいいなと。

マリノスに関しては、問題点は気持ちの部分であったり、試合への取り組み方の部分であると思われるので、そういう意味では監督解任・コーチの昇格では何も解決しないような気がする。OBではなく、空気が変わるような血の入れ替えが必要なんじゃないかと思う。

一方で、京都は祖母井GMを招聘して大木監督とともにプレッシングとポゼッションをしっかり出来るいいチームになりつつある。チーム戦略があれば若い選手を積極的に起用して結果に結び付けられるものなのだなと。来年、J1とJ2が曜日を分けて開催されるというし、こういういい取り組みをしているチームのサッカーを日曜日に積極的にスタジアムに見に行くようにしたいと思う。今、J2が熱い!

posted by akai_ryuusei |21:27 | Jリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2011年12月29日

天皇杯準決勝:横浜FM対京都サンガ ~チーム作りの大切さ~

国立競技場に初参戦してきました。

試合前のウォーミングアップ。
マリノスは名古屋戦の時のルーチンと一緒。スタメンの小野裕二が最後までピッチに残ってシュート練習を行っていたのが印象的。右45度の角度から何本も打ちこんでいた。でも、試合中ボールを受けられたのはそこから2mほど外の位置でコーナーに逃げていくボールばかり。試合の中ではシュートに持ち込むことが出来ずに終わるシーンが続きました。受け方の問題でもあり、出し手の問題でもあるのですが、チームとしての狙いの無さにもがき苦しんでいるというところでしょうか。このままつぶれて欲しくないんですが。

一方の京都は、やはり狭いエリアでの2色に分かれての鳥かご。名古屋よりもエリアを狭くしていたのが印象的。ただ、周りからボールを入れるスピードは名古屋の方が早く、切り替えの意識はまだなのかも。特徴的なのは2人ビブスをつけないフリーマンのような選手がいたこと。反対サイドだったのであまりよく見れなかったけれど、試合でも球際の激しさが全然違ったし、これが「トレーニング時から、実際の試合のメンタリティ」を備えていることの重要性なのだろう。

試合開始とともに、京都の戦術の徹底ぶりが際立つ。コートの手前半分に10人全員が収まるコンパクトぶりなのだ。本当に狭い範囲でプレスをかけてボールを奪おうとするし、繋ごうとする。そして、攻守の切り替えを早くしている。
冒頭でもふれたように、中央を締めてサイドにサイドに追い込み、ライン際で前後から挟んでボールを奪うのが京都の一貫した守備の狙いだった。それが功を奏して、前半はマリノスのシュートを4本に抑える。ただ、中村俊輔はさすがに止め切れず、何度か2人3人と抜かれてしまいピンチを作っていた。先制のシーンもまさにそれで、オフサイドになってしまったけど、もう1つこの形でネットを揺らしたシーンがあった。
ただ、マリノスは極端に連動ということを出来ないチームなので、俊輔がボールを持っても祐三は効果的に上がれないからあまりチャンスは多く作れない。プレスが来ると渡邉千は前に振り向けないし、兵藤はサイドに逃げることしかできない。小椋は前線狙ってもカットされちゃうし、救いだったのはDFラインからのフィードを前半は悉く渡邊千が競り勝って小野に落とすことに成功していたこと。だから、個人の力に差があってこのまま勝てるのかなと思った。

後半、京都はマリノスの弱点を突くべくさらに徹底した攻撃を試みてきた。それは、前半目についたマリノスのリスタートの遅さだ。自分たちの分ならまだいい。敵のリスタートに対しても習慣なのか気持ちを切ってしまう選手が目についた。そして、バイタルに入ってもマリノスはボールを奪いにDFがプレスをかけに行かない。京都の監督はその辺指示したのだろう、ファールをもらったら即座に縦にパスを出し続けていたし、果敢にDFに勝負を仕掛けていった。それが実ったのが同点に追いついたシーンであり、逆転のセットプレーを得たシーンだ。

ここで、一度マリノスの基本的な守備戦術を見ていきたい。基本的にはDFは撥ね返すのが仕事、ボールカットは中盤の選手の仕事となっているようだ。攻→守の切り替えだけは早い。渡邉はサボり気味だが、中盤の選手はよく戻ってDFと挟んでボールを奪っていた。当然、これは中盤の選手に負担がかかる、先制点のシーンは奪われてボールが工藤に渡ったところで兵藤がファールしておけば何でもなかったかもしれない。彼はサッカー脳が決定的に足りないのでそれは出来ないが。小椋だったらどうだったか。谷口が必死に下がる間に、ズルズルと栗原と中澤らはラインを下げる。そして、谷口が間に合わずにミドルシュートが決まったわけだ。

逆転される前に、松本を入れようとしていたが、そこで点を取られる。その後、木村監督が打った手は、谷口を大黒に変えて、さらに金井を青山に変えて栗原を前線に投入してパワープレーを試みる。
この策は結果的に成功した。さすがに日本代表だけあって栗原の高さはJ2相手には無敵状態で何度かチャンスを作り、押し込んで中澤のミドルから大黒が天性の嗅覚で押し込んで同点。これで流れは来たかに思えた。

延長になって、マリノスは3バックに変更、松本を左サイドに張らせた。これが本当に悪手。さっきのを結果的にと評したのは、そのあと全くいい攻めが出来なかったからだ。小野裕二の代わりにFWに入った松本怜は前線で自由に動き回り、GKまでボールを追い回し、相手が嫌がる存在になっていたが、左サイドに張り付けと木村監督に直接ピッチサイドから指示されて良さを殺されてしまう。3バックにしたことで、守備もサイドにボールが出ればCBの間、バイタルとスカスカになってしまうというざるっぷり、とても見ていられなかった。
それでも、この力の違い、勢いの差で延長開始から押しこんで吐いたのだが、久保という京都の切り札のゴールによってすべては決まってしまった。そして、さらに終了間際に、スピードとドリブル突破で完全に一人で崩してカウンターから2点目をおぜん立て、すごかった。個の力で差をつけはしたものの、ドゥトラのFK・そしてスーパーサブの久保のスピードという個の力で最後はねじ伏せられてしまった。ただ、京都の攻撃の中で、ドゥトラはもろ刃の剣ではあった。得点こそ決めたものの、持ちすぎる傾向があってそこがボール奪取のポイントになっていたし、リズムを崩す原因にもなっていた。

思えばマリノスは、開幕戦で名古屋の永井にぶっちぎられて始まり、今日の久保にぶっちぎられて終わった一年であった。組織的な守備も攻撃も何も身につけられぬまま、Jで順位が上のチームというそれぞれ組織のしっかりしたチームからは勝つことが出来ないまま実力の差をまざまざと見せつけられて、最後はJ2で牙を研いでいる若いチームにも組織力の差を見せつけられている。それは、とりもなおさず、チーム作りということが何も出来ていないということの証明に他ならない。「木村和司」という一定の説得力のある名前に隠れて全くチーム作りを考えないフロント・監督・コーチ陣の刷新が強く求められる。

マリノスユースからトップに上がれなかった選手たちが、移籍先のクラブで次々と頭角を現している中で、競争を勝ち抜いてトップ昇格を果たした選手が伸びることが出来ないでいるのは本当に歯がゆくて仕方ない。狩野健太をトップチームで初めて見たときに、「この選手がいたら乾も出ていかざるを得ないな」と思った日々が本当に懐かしい。このままでは、小野裕二や来期トップ昇格する熊谷アンドリューなどの才能も磨かれないまま終わってしまうだろう。

トレーニングの質の向上、新しいトレーニング方法の考案の出来ない人物に現代サッカーの監督は務まらない。早々に木村和司氏には辞任を表明していただきたいと切に願うばかりだ。

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posted by akai_ryuusei |23:25 | Jリーグ | コメント(4) | トラックバック(0)
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2011年12月28日

現在の欧州の攻撃戦術の潮流~ベルバトフというストライカーの悲運を巡って~

昨シーズンの得点王、そして今年も出れば点を決める印象のあるディミタール・ベルバトフであるが、ファーガソン監督はあまり積極的に起用していない。

イメージが重なるのは、バルセロナ時代のズラタン・イブラヒモビッチである。彼もペップに重用されず高額な移籍金で加入したものの一年でクラブを去ることになった。そのため、世界最高のクラブから袖にされたという烙印が押されて世界最高のストライカーというイメージが壊されてしまった印象がある。

この二人の共通点は何か、と考えると二つのことが浮かび上がってくる。それは、チームにいる絶対的な存在、そして縦の流動性を意識した戦術の信奉である。

メッシとイブラヒモビッチ、ルーニーとベルバトフ。どちらもそれぞれ甲乙つけがたい世界トップレベルのFWのコンビである。しかし、監督はどちらもより前者に自由を与えようとした。その結果、ゴール前で決定的な仕事をすることのできるタイプであった後者はそれぞれピッチの上で居場所を奪われていくことになったのである。

その戦術の肝は、相手のCBを無効化することである。すなわち、ゴール前にFWを常駐させず、中盤から素早く飛び出すことでゴールを狙う戦術だ。通常CBは相手のCFWを抑えるのが仕事として意識され続けてきた。今でも、ブラジルや日本などではそう定義されているだろう。FCWC後にブラジルサッカー界の関係者がしきりと口にしたこともこれであった。今の欧州の戦術の潮流は0トップとして一世を風靡したローマからの流れでFWを置かず、バイタルからその空いたスペースに適宜飛び出すことでゴールを狙うというものになっている。

バルセロナやマンチェスターUはもちろん、昨年のドルトムント、2トップがワイドに開くポジションをとるACミランなど各国リーグのトップクラブがこぞって採用している。イブラヒモビッチはその中でチャンスメーカーとしても活躍することで、ミランで新たな境地を見出した。今やバルサの時とは違い、さながらルーニーのような中盤でのボールさばきもこなしている。

ある雑誌では、「CFWのリベロ化」ということでルーニーを代表例にこの潮流を紹介しているが、それもまたいい得て妙の表現だ。


しかし、この煽りをもろに受けてしまったベルバトフの悲劇たるや、可哀相だ。得点王を昨年獲得したことからもその決定力は申し分ない。もし、生まれるのがもう少し早かったならと思わずにはいられない。

現在はレバークーゼンなどからオファーが来ているという彼が今後、どういう道をたどるのか。イブラヒモビッチのように転身することが出来るか、或いはもう1つランクを落としたクラブでストライカーとして輝きを放ち続けるのか、注目して見ていきたい。

posted by akai_ryuusei |10:45 | プレミアリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月19日

FCWC決勝 ~バルサはどうやれば倒せるか~

決勝は、大方の予想以上に一方的な結果となりました。

ガンソとネイマールはその才能の片鱗は見せたものの、チームとしての機能という部分で欧州一のクラブの底力を痛感させられる試合でした。

もちろん個々の選手を見れば、こんなに差がつくほどの実力差はありませんでした。では、何が両者を分けたのか。

それは、一言で言えば、ポジショニングの差という言葉に集約されると思います。

メディアはメッシに注目し、ボールを持った時の早さに目を奪われがちですが、このチームの最大の特徴はボールを持ってない選手の動きにあります。

ボールを視野の中心から少し外してみると分かるのですが、バルサの選手はサントスの選手よりも明らかにゆっくり歩いてるのです。試合に関係ないと判断したところでは休みながら、次どこにボールが行ったらどう動こうか、スペースを埋めるためにどこに行くべきかということを探しながらとは思いますが、しっかり休むところで休んでいるのが分かります。

次に、ボールに絡むところでは、日テレの実況が準決勝で「カーサ」の説明を繰り返したことで後ろからゆっくりと攻撃するのが持ち味だということは世間に浸透したと思います。その意図は、的確なポジショニングをすることでボールを失ったときに、最短距離で誰かがプレスに行けるということ、そしてボールを動かすことで相手の意識を外しながらどこかに攻撃のスペースが出来るのを待つことです。そして、スペースが出来るとメッシやシャビがパス交換しながら、セスク・チアゴ・アウヴェス・イニエスタらが裏に抜けようという動きを繰り返します。

バルサの選手が特異なのはこの裏を突く動きを本当に丹念に複数の選手が同時に繰り返すこと。そして、アウヴェスを除いてオフサイドラインを常に確認しながら動いていることです。事実、オフサイドポジションだとボールにかかわろうとせず、メッシがボールを追いかけるというシーンがこの試合でも散見されました。ここまで徹底してオフサイドラインを把握できているアタッカーを揃えているチームは皆無でしょう。

パス回しにも特徴があります。これもアウヴェスを除いてという但し書きが付きますが、逆サイドにフリーな選手がいても簡単にボールを回したりはしません。理由は簡単で、他の選手が改めてポジショニングしなければいけないので走る距離が増えるからでしょう。ボールを奪われた場合のプレスも問題になるので近くの厳しいマークを受けているメッシ・シャビ・セスク・イニエスタらでまずはボールを回しながら時間をかけて逆サイドに展開していきます。遅攻の時間帯は本当に徹底してリスク放棄を第一に考えています。

そして、守備の戦術ですが、敵陣深くでボールを奪われた場合(じっくりそこまでボールを運ぶので、他のところでは奪われない)、まず前線の選手がボールホルダーにプレスを掛けながらパス方向を限定します。そして、パスされた先でプレスの網をかける準備に入ります。もし、そこを突破されて敵のFWにボールを送られた場合、大概そこはセンターライン付近ですが、近くの選手がファールで止めます。FKを遅らせて自陣にほとんどの選手を帰すことで数的優位を築いて同じ守備を繰り返すのです。

こうして、90分間徹底的に同じことを繰り返す姿は機能美と呼ぶにふさわしい美しさを放っていると言えるでしょう。


さて、ここからバルサ攻略の方法論ですが、守備ではある程度マンツーマンをつけて相手にサッカーをさせないことを考えるしかありません。そもそも、バルサが相手にボールを渡さないことでサッカーをさせない方法をとっている以上、こちらも同じ意図で対抗することが不可避です。しかし、シャビに「アンチフットボール」と罵られたくないとしたら、この方法は取れません。

そこで提起したいのは、点の取り合いに持ち込むということです。まずは、世界一のGKを用意して、守備は彼のビックセーブに期待することにしましょう、そこから勝負です。攻めるときに大事なのは、ファールを受けても絶対に倒れずにボールに食らいつくということです。プレーを切ったら思うつぼなので、他のチームを相手にしてる時の感覚は忘れて、絶対にやられても耐える強さを求めます。サントスの選手たちはブラジル特有の「マリーシア」で派手にファールをアピールしましたが、それが完全に裏目だったことは明らかです。

そして、崩しの切り札は、サントスが一度見せたエラーノ→ガンソ→ネイマールという大きなサイドチェンジを伴うダイレクトパスを使うことです。ミランもCLGLで得点を奪いましたし、プレスをかけてくるバルサは狭い位置に密集する傾向があるのでつめようとしたときにダイレクトで大きく振ると完全にフリーでゴール前の味方に渡すことが出来ます。そこで、上手いことピケかプジョルからカードを奪えればしめたものです。

唯一の弱点は、ミラン戦でズラタンがほぼ100%競り勝っていたように、高さにあるのは間違いないので攻略のカギは、強くて上手くて高いFWをようすることといえるかもしれません。

結論としては、ノイアーをGKにして、ズラタンとルーニー、そして速さとフィニッシュ能力の高いロッベンのようなウイングの3トップを形成すればきっと勝つことが出来るでしょう。

ということで、石油王の誰かがバイエルンを買収してズラタンとルーニーを獲得することを切に希望して、この記事を締めさせていただきます。

posted by akai_ryuusei |15:15 | FCWC | コメント(3) | トラックバック(1)
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2011年12月15日

サントス戦で露わになった世界と日本との決定的な差

柏レイソルが南米王者サントスと対戦し1-3で敗れた試合、皆さんはどうご覧になったでしょうか?

柏の中盤より後ろの選手のコメントを紹介しながら、或いはボール支配率やシュート数などのデータを参考にしながら、Jリーグ王者は堂々と戦えたとか惜しくも敗れたといった論調の報道に違和感を感じるのは筆者だけではないはず。

試合をきちんと見ていた方は、スコア以上の大敗だったという印象を受けたのではないでしょうか?

確かに、柏はボールを奪ってシュートまで持っていってたし、前半の2点以外は相手をフリーにすることなく守れていました。あの瞬間さえなければ、そして、北嶋の頭がもう少し前に行けば、工藤のシュートがもう数ミリ内側ならというシーンはありました。
でも、そこが決定的な差だったのは無いかと思うのです。
そして、これを善戦、差はなかったと捉えがちになってしまう日本人の感覚こそがこの国のサッカーの抱える致命的なものなのではないでしょうか?

言うまでもないことですが、サッカーはゴールの中にボールを入れることを目的にしたゲームです。決して、どれだけ美しくシュートまで持っていくかを競うものじゃないし、ボールを保持している時間を競うものでもありません。

そう考えた時に、サントスが見せた3つのゴールはパーフェクトなものでした。全てがゴールの隅に的確に吸い込まれて行きました。
日本人でああいうシュートを打てる人がいるでしょうか?ともすれば、田中順也やボスナー、久保竜彦、古くは元日本代表の平野といった唸りを上げてネットにつきささるシュートをかっこいい、すごいと賛辞をつくすのにたいし、インサイドキックで決めたゴールなんかはあんなの決めて当然じゃんと見向きもしない傾向がある気がします。

サントスは少ないチャンスを確実に決める自信があったからこそ、立ち上がりから悠然としていて、その自信通りに前半柏イレブンが少し手ごたえを感じ始めたところで難なく先制点を奪い、そのショックを乗り越える前に追加点を奪ってしまったのではなかったか。

ゴール前の厳しさが無いと見きられたから、中盤からシュートまではボールを持たせてくれたんじゃないでしょうか?実際、ジョルジのシュートを止めたダニーロのタックルを例に挙げるまでもなく、ゴール前で脚を出されてシュートを満足に打たせてもらえない場面が終始していたでしょう。

思いだして欲しいのは、モントレイ戦でスタンドにいたサントスの選手たちが欠伸をしていたこと。ゴール前での迫力のなさ、両チームの決定力の無さに退屈を隠せなかったのではないでしょうか?
まずはゴールを決める力があってこそ、ポゼッションやボール奪取、シュート数が意味を持つ数字になってくるはず。そこを理解せずに昨日の試合をデータで語るのはナンセンスです。

おそらく決勝はバルセロナとの対戦になると思いますが、そこで正真正銘本気の南米王者の力が見れるはずです。その時を刮目して待ちたいと思います。

posted by akai_ryuusei |18:42 | Jリーグ | コメント(8) | トラックバック(0)
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2011年12月15日

冬の移籍市場で巻き返しを図るチェルシー

F.トーレスを2000万ポンドで売却かというショッキングな、そしてついに来たかというニュースが流れてきましたね。

このところドログバが意識改革したのか、コンディションがようやく上がったのか、何とかゴールを重ね始めたのと、人員整理してCL決勝トーナメントの切り札に誰かを補強しようという考えなのかもしれません。

そのほか、ロメウが出てきたとはいえ中盤の構成も定まらないままですし、テリーと戦術のかみ合わせの悪さもこのチームのアキレスけんになっています。

もし、本気でCLとプレミアリーグを取りに行くのだとしたら、冬の補強は必須事項といえるのではないでしょうか。

昨日の柏戦で見せたガンソとネイマールのパフォーマンスは、ヨーロッパでも即通用するレベルでしたし、アブラモビッチがまだ糸目をつけずに資金を投入するのなら是非にも獲得して欲しい選手たちです。

ともあれ、売りには出されないと思うので、現実的な線で行けば、モンペリエのジルーやフェイエノールトのクラシーあたりを獲得できれば得点力は改善できそう。

プレミアからならエバートンのロドウェルを獲得してロメウをCBにコンバートしても面白いし、フェライニとダビド・ルイスの共演も見たい(笑)。

でも、最低限低迷するボルトンのケイヒルだけは獲得して欲しい。マンチェスター勢やロンドンのライバルもCBは補強ポイントになってるので、争奪戦は激しくなりそうですが果たして。

posted by akai_ryuusei |15:45 | プレミアリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月12日

エル・クラシコ ~バルサの進化とトータルフットボール~

今日の再放送をバルサの選手の位置に注目して見た。

生ではレアル目線で見てたので、ラスやマルセロの守備、ロナウドの視野の狭さ・オフザボールの動きの質の低さに目が行ったのですが、バルサを見ていると全く異質なサッカーがそこにはありました。

リーガダイジェストでは4-3-3から3-5-2そして4-4-2へシフトしたというように解説し、岡ちゃんは後半開始時に3バックにしてきたと言ったのですが、そう単純な話ではない気がします。

画面に映らないところでは、多分3バックになっている時間はあったと思います。現地にいる岡ちゃんが言ってたんだから間違いありません。
しかし、映像を見る限り、守備になった時のバルサは最終ラインにほぼ必ず4人いました。
ただし、並びがアビダル・ピケ・プジョル・アウヴェスで試合を始めたはずなのに試合中に何パターンにも姿を変えました。アウヴェスが上がったところにプジョルとピケがスライドしてブスケツが最終ラインに入る形や、ピケが前線にいった時にブスケツがカバーに入る形は他のチームでもよくある形です。
しかし、ここからがバルサ独特で、ブスケツが前線でプレスに行けばアビダルがスライドしてセスクがSBの位置にいることもあり、誰が入っても綺麗にラインが出来るし、カウンターにあっても必ず4人がラインを作るということが出来るのです。
バルサの3点目も象徴的です。バルサのカウンターはイニエスタが素晴らしい動きをしていたとしても、定石通りのカウンターであり、レアルの守り方も通常のもので、コエントランがイニエスタに引きつけられたので、最終ラインは3人になりセスクのダイビングヘッドを許すことになりました。
ここで重要なのは、最後にセスクと競り合ったのがコエントランであるということです。もちろん右SBなので当然のことといえば当然のことなのですが、バルサであれば起点となるところでプレスに行った選手が最終ラインに戻って競り合うことは多分ありません。誰かがカバーしていたでしょう。だからこそ運動量が偏らずにハイラインハイプレス戦術を90分楽に展開することが出来るのです。


このバルサの進化にセスクの加入があることは疑うまでもありません。彼が入ることでイニエスタ・シャビ・メッシを加えた4人がポジションを埋め合わせられることでアウヴェスに自由な攻撃参加・ポジショニングをさせられるし、さらにサンチェスの献身的なチェイスが加わることによって守備の時間を作ることにも成功しています。
誰がどこでも守れる、攻撃時も守備時も常に誰がどこにいるか把握している、そして攻守の切り替えを早くする、一つのサッカーの究極の形が確かに存在しました。

posted by akai_ryuusei |23:15 | リーガ・エスパニョーラ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2011年12月11日

エル・クラシコ ~レアルの弱点はロナウド!?~

前半はレアルのペース、後半はバルサの試合と完全に分かれる試合だった。

スコアこそ1-3であったが、レアルとしてはほとんど歯が立たなかったと言ってもいいかもしれない。

得点はバルデスのミスから。前半はメッシをマルセロやラスが身体を張って何とか止め続けたけど、一度遅れた隙をサンチェスにスルーパス通されて失点。

前半唯一の隙を見逃さずにものにするバルサの強さ。


そして、後半頭からは完全にバルサの試合。レアルは10分たたずに中盤が間延びしてしまうし、失点シーンも完全に崩されてのもの、岡ちゃんも言ってたが「なすすべなし」。

もちろんロナウドが決めていればというものはあった。だが、ロナウドは消えてるシーンも多いし、ポジショニングが中途半端。前半の決定的なシーンも直前でものすごいスプリントをしてフリーでシュートはしたものの、普通にあのスペースにいても良かったはずだ。そうすれば余裕を持ってコースを狙って打てた。

なまじ出来てしまうだけに、他の試合では点を取れてしまうだけに、本気でフットボールを考えてないんだと思われる。そこが今のバルサの選手との致命的な差であり、ほとんどクラシコで活躍できない理由だろう。

カンプノウでは、ロナウドをベンチ起用するくらいの思い切りが無い限り、勝つことは不可能だ。

posted by akai_ryuusei |08:00 | リーガ・エスパニョーラ | コメント(0) | トラックバック(1)
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2011年12月01日

マンチェスターC × リバプール プレミアでベストスタートを切ったシティーの強さに陰りの兆し?!

開幕から12戦で11勝1分けという史上4チーム目の快進撃を続けるマンチェスター・シティ。その強さの秘密はなんといっても強固な守備陣にある。

昨季33失点でリーグ最少だった守備陣は今年も健在で、この12戦で11失点と今年もリーグ最少タイ。

そのスタイルは一対一でとにかく負けないこと、黒人系のDFとボランチを揃えて、高さと強さ、そして速さを兼ね備えた堅い守備を誇る。

さらに、今世界でもノイアーと並んで若手最高峰に位置するジョー・ハートの存在。これが大きい。この日も最後にキャロルのヘディングを逆を突かれながら左手一本ではじき出し、そこに詰めたスアレスのシュートも防いでみせた。まさに最後の砦として立ちはだかっている。

そして、課題だった攻撃面で、アグエロ・ナスリを補強してここまで得点を量産、首位を快走している。

この日は、得点した直後にミドルシュートがレスコットの足に当たって不運な失点。そのまま引き分けで終わった。が、前半はほとんどこの一本しかシュートを打たせずに圧倒、もう一点取れていればというところか。

一方で、後半はシルバの運動量が落ちて上手くもらいに行くことができなくなると、他の選手からうまくパスが通らなくなり、ポゼッションが落ちてしまう。

フィジカルに秀でた選手が多い分、視野が広いとかテクニックがものすごく優れている選手が少ないので、どうしてもポゼッションにおけるシルバの依存度が大きくなり、後半消える時間が多くなるのも課題なのかもしれない。バロテッリが不用意な二枚のイエローで退場してしまったのもこのチームの脆さの表れ。

さらに、弱点を上げるなら、セットプレーのシーンでゴールエリアにゾーンで選手が守っているものの、クロスがマイナスに入るとプレッシャーに行かずにボールウォッチャーになるシーンが目立っていた。変化をつけたセットプレーで今後失点が増えていくかもしれない。

冬の補強でどう動くのかにも関わってくるが、綻びは確かに見えているというような気がする。若さの勢いで突っ走ってはいるが、プレミアはここからが正念場の連戦が続く、ナスリがもっとフィットしてシルバと同じように司令塔として他の選手からボールを集められるようになるかが一つのカギになってくるのではないだろうか。

或いは、シルバ抜きのカウンターサッカーで勝つ試合を適度に織り交ぜていくことが今後の連戦を切り抜けるうえで大事なことになってこよう。

もちろん冬の移籍市場で、エジル・ゲッツェ・香川のようなブンデス仕込みの狭い局面で力を発揮できる選手をもう一人補強できれば攻撃に幅が出来てローテーション・選手交代に大きくプラスに作用するだろうし、リーグ優勝が限りなく近づくことになるのは間違いない。そして、その資金力はまだあるはずだ。

シティーは強い、それも今流行のバルサ流のポゼッションサッカーとは別のスタイルでの強さであるのが面白い。しかし、私から見ても弱点があると見えるから今後この強さは維持できない可能性が高い。ベストスタートを切った過去3チームは1チームしか優勝できていないという事実が、これから重くのしかかることになるのではないか・・・。

posted by akai_ryuusei |18:26 | プレミアリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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