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訪問先宮城、岩手で野田首相に不満の声

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 野田佳彦首相は東日本大震災からの復興状況を視察するため10日、宮城、岩手両県を訪問した。8日の福島県訪問と合わせて震災復興と東京電力福島第1原発事故の収束に向けた取り組みをアピールする狙いだったが、被災者や自治体から不満をぶつけられ「最優先課題」が難航している実情も明らかになる結果となった。

 「あちこちで工場から煙が上がっている。生産が始まり、去年に比べて前進している実感があった」

 首相は10日、宮城県石巻市の工場などを訪れた後、記者団に復興への手応えを語った。

 ただ、視察先の仮設住宅の入居者からは「ここより困っているところがある」と、立て付けの悪さから寒さに悩まされる別の仮設住宅の存在を指摘された。仮設の出来具合の「格差」は入居者の間で問題視されているが、首相は「(自分たちだけでなく)全体のことを考えている。感動した」と応じるだけだった。

 同日の工場視察も再建にこぎ着けた水産工場やセメント工場が対象。将来像が描けない被災者が多い中で「首相が見て回ったのは被災地の光と影のうち、光の部分だけ」(自民党幹部)との批判も相次ぐ。

 8日に福島市で開かれた原発事故をめぐる閣僚や自治体幹部らとの会合では、地元の不満が爆発する場面もあった。

 特に福島第1原発を抱える福島県双葉町の井戸川克隆町長は首相に「私たち双葉郡民を日本国民と思っていますか。法の下に平等ですか。憲法で守られていますか」と政府不信をあらわにした。

 背景には、被災者の帰還や賠償問題の道筋が見えない被災自治体の焦りがある。首相が昨年、原発の冷温停止状態の達成を受けて原発事故の収束を宣言したことで、政府との現状認識とのずれが際立ち危機感を一層募らせた。

 双葉町は汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設を同県双葉郡に建設する政府方針に反対しており、政府が目指す早期の地元理解獲得はめどが立っていない。

 首相は今月下旬に始まる通常国会で「復興」の重要性を強調し2012年度予算案や関連法案の早期成立を目指す構えだ。だが、被災地で高まる不信感は野党側の政権批判を勢いづかせ、政権を一層苦しい状況に追い込む可能性もありそうだ。(共同)

 [2012年1月10日20時54分]


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