国際結婚家庭の子どもたち、37%がいじめを経験

 ソウル市九老区の小学5年生キム君(12)は、母親がフィリピン出身だ。3年生のときまでクラスで1位になるほど成績が良かった。3年生のとき、担任教師がキム君に「お母さんに、学校に面談に来てほしいと伝えて」と言った。数日後、キム君の母親が学校に来なかったため、教師が直接母親に電話をかけ、学校に来るよう伝えた。しかしキム君は、母親に「お母さんのことは本当に大好きだけど、どうか学校には来ないでほしい」と懇願した。

 肌の色が浅黒い母親が学校に来て、級友からからかわれるのが嫌だったからだ。しかし、母親は学校に行き、その日からキム君の学校生活は180度変わった。キム君の母親を見た級友たちは、キム君を「黒人の子ども」とからかい始めた。キム君は母親と1カ月もの間口を聞かなかった。成績は大幅に落ち、活発だった性格も消極的に変わった。

■韓国語がつたなく肌の色が違うことでいじめられる

 行政安全部(省に相当)によると、2007年5月の時点で4万4258人だった国際結婚家庭の子どもは、昨年1月の時点で15万1154人と、4年弱で約3.4倍に増加した。結婚して韓国に移住する外国人や、外国人労働者が増加する中、国際結婚家庭の子どもが毎年約2万5000人ずつ増えている。しかし、彼らに対する差別と排斥は深刻な状況だ。

 昨年、国家人権委員会が国際結婚家庭の子ども186人を対象にアンケート調査を行った結果、学校で集団いじめに遭った児童・生徒が37%に達した。発音が不自然だという理由でからかわれたり(41.9%)、「自分の国に帰れ」と言われた(21%)など、ただ親が外国人という理由だけで、国際結婚家庭の子どもたちが排斥の対象となっている。

 韓国語があまり上手ではない上、その多くは家計の状況が厳しい国際結婚家庭の子どもたちは、学校の勉強についていけず、集団いじめに遭い、勉強に対する興味を全くなくしてしまったり、学校を途中でやめてしまったりするケースも多い。

キム・ヨンジュ記者
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