放射能汚染の主因は4号機燃料保存プールだと「ネイチャー」でスエーデンの学者が発表
今日はとてもうれしい記事を見つけた。「リュウマの独り言」が、事故当初から主張していた「4号機使用済み燃料プール主犯説」が、ノルウェーの研究者たちによって裏づけられ、「ネイチャー」に論文が掲載されるのだそうだ。
長かったナァー「孤独な戦い」。4号機の爆発の原因を「東電」は、3号機で発生した水素が原因だと言う説を「2度」にわたって主張し、それが定説となっている。それはあり得ないと何度も書いたが、「素人」の悲しさ、皆さんが納得するまではいかなかったろう。特に「ビデオ」で (上面が) 無傷の映像が公表され、使用済み燃料プールを疑うものは、私を除いてほとんど姿を消したのではないだろうか。 それでも地球は回っている、と言っても信じてはもらえなかった ……
-- 皆さんを除いて --
瓢漫亭通信の記事の一部を紹介する。
権威ある科学誌「ネイチャー」(電子版)に、ノルウェー大気研究所のアンドリアス・ストール(Andreas Stohl)氏率いる研究チームによる「フクシマ事故」の解析結果を紹介する記事が掲載された。→ http://www.nature.com/news/2011/251011/full/478435a.html
ストール氏やスウェーデン国立防衛研究所のラール・エリク・デ・ギーア氏(Lars-Erik De Geer)らが「大気化学物理学」誌に、ピーアレビューのためオンラインで発表した論文を紹介した。
それによると、「フクイチ」からのセシウム137の放出量は、日本政府の公式発表のほぼ倍にあたる、3.5 × 10・16 (10の16乗)Bqに 達していた。これはチェルノビリのセシウム137放出の半分に相当する。
The new model shows that Fukushima released 3.5 × 10・16 Bq caesium-137, roughly twice the official government figure, and half the release from Chernobyl.
ストール氏の研究チームはまた、セシウム137の主要な放出源として、4号機の使用済み核燃プールを挙げ、ここから大量のセシウム137が環境に放出されたことを突き止めた。
日本政府はプールからはほとんど出ていないとの主張を続けている。
研究チームは、4号機プールの海水の注水後、放出量が激減したことも指摘している。これは、より早く注水が行われていたら、セシウム汚染のかなりの部分を未然に防ぐことができたかもしれない、ことを意味する。
The new analysis also claims that the spent fuel being stored in the unit 4 pool emitted copious quantities of caesium-137. Japanese officials have maintained that virtually no radioactivity leaked from the pool. Yet Stohl's model clearly shows that dousing the pool with water caused the plant's caesium-137 emissions to drop markedly (see 'Radiation crisis'). The finding implies that much of the fallout could have been prevented by flooding the pool earlier. (引用終り)
もちろん、根拠はある。その最大のものは、事故から早い段階で公表された『汚染グラフ』である。
国民用に発表された下のグラフ、マスコミも、保安院も、東電も了解しているはずのグラフ、これを見てみよう。

このグラフが発表された当時は、4号機は火災が起きたと公表されていた。「爆発音」ともあるが、これについては、点検中の原子炉であるので、溶接に使うボンベか、塗料などのボンベが爆発したものだとの説明であった。したがって、2度とも「火災」が発生し、現在は鎮火している、そういう公式説明であり、マスコミもそう伝えていた。
官房長官は「直ちに健康への影響はない。」と言い続け、高名な学者先生は「1トン食べてもなんともない」とテレビで解説をしていたわけだ。納得いかない一心で海外の情報を探した。そして「ニューヨークタイムス」で、下のグラフを見つけた。

上と同じ、日本政府発表のグラフだと書いてあった。唖然とした。そして、上のグラフを「しげしげ」と見つめてみた。なんと、縦軸の目盛りの数値が「とんでもない」数(かず)ではないか。たしかに、それを置き換えると、下のグラフになる。上のグラフは「完全なマヤカシ」だ。これでは、国民にその重大さが伝わらない。
しかし、火災発生で、これだけの放射性物質が出るものだろうか。それはあり得ない。(ましてや、3号機の水素が入ってきて、その水素爆発で3号機以上の放射性物質が吹き出るなどあり得ない。) これは、爆発したに違いないのだが、誰も爆発したと言わない。そこで、アメリカの検証サイトを探してみると、ついに、写真があったわけである。

事故後、1ヵ月半以上「4号機」は火災とされ、爆発は頑強に否定され続けたわけだ。これが火災かどうか、見れば誰でもわかるのだが、この写真の公開は2ヶ月ぐらいあとではなかったかと記憶している。3号機が建屋上部だけであるのに対し、4号機は下部まで影響が及んでおり、単なる水素爆発だとすると、1号機の比ではないことが、一目瞭然である。が、この期に及んでも、いつ爆発したのか定かでないと言う。
初めての方は、カテゴリーの原発事故の検証を見ていただくと、この主張の根拠は多分書かれているはずだ。皆さんを裏切らずにすんでホッとしている。 (でたらめではなかった)
さて、もう一つ、昨日も書いたが、世の常識とやらを疑ったほうがよい、と思えることがある。それは、放射能の被害である。大半の意見が、癌の発病 (甲状腺ガン、乳ガン、白血病)や催奇性 (奇形児) ばかりに注目している。本当にそうなのか。 (当初は私もそうではないか、と思ったが……)
そうではなく、昨日取り上げたように、 再生しない細胞のほうがやられると言う「全く逆」の方が正しいと思える。−−現在は、 代謝が盛んなほうが影響を受けやすいと言う説の方が主流である。−−
脳や心臓のような「ほとんど一生」変わることのない細胞がダメージを受けやすいとなれば、知能障害、情緒不安定、ポックリ死(突然死)などが、放射能の影響で増えてこよう。
柔軟に自分で考えること、このことが今求められている。
長かったナァー「孤独な戦い」。4号機の爆発の原因を「東電」は、3号機で発生した水素が原因だと言う説を「2度」にわたって主張し、それが定説となっている。それはあり得ないと何度も書いたが、「素人」の悲しさ、皆さんが納得するまではいかなかったろう。特に「ビデオ」で (上面が) 無傷の映像が公表され、使用済み燃料プールを疑うものは、私を除いてほとんど姿を消したのではないだろうか。 それでも地球は回っている、と言っても信じてはもらえなかった ……
-- 皆さんを除いて --
瓢漫亭通信の記事の一部を紹介する。
権威ある科学誌「ネイチャー」(電子版)に、ノルウェー大気研究所のアンドリアス・ストール(Andreas Stohl)氏率いる研究チームによる「フクシマ事故」の解析結果を紹介する記事が掲載された。→ http://www.nature.com/news/2011/251011/full/478435a.html
ストール氏やスウェーデン国立防衛研究所のラール・エリク・デ・ギーア氏(Lars-Erik De Geer)らが「大気化学物理学」誌に、ピーアレビューのためオンラインで発表した論文を紹介した。
それによると、「フクイチ」からのセシウム137の放出量は、日本政府の公式発表のほぼ倍にあたる、3.5 × 10・16 (10の16乗)Bqに 達していた。これはチェルノビリのセシウム137放出の半分に相当する。
The new model shows that Fukushima released 3.5 × 10・16 Bq caesium-137, roughly twice the official government figure, and half the release from Chernobyl.
ストール氏の研究チームはまた、セシウム137の主要な放出源として、4号機の使用済み核燃プールを挙げ、ここから大量のセシウム137が環境に放出されたことを突き止めた。
日本政府はプールからはほとんど出ていないとの主張を続けている。
研究チームは、4号機プールの海水の注水後、放出量が激減したことも指摘している。これは、より早く注水が行われていたら、セシウム汚染のかなりの部分を未然に防ぐことができたかもしれない、ことを意味する。
The new analysis also claims that the spent fuel being stored in the unit 4 pool emitted copious quantities of caesium-137. Japanese officials have maintained that virtually no radioactivity leaked from the pool. Yet Stohl's model clearly shows that dousing the pool with water caused the plant's caesium-137 emissions to drop markedly (see 'Radiation crisis'). The finding implies that much of the fallout could have been prevented by flooding the pool earlier. (引用終り)
もちろん、根拠はある。その最大のものは、事故から早い段階で公表された『汚染グラフ』である。
国民用に発表された下のグラフ、マスコミも、保安院も、東電も了解しているはずのグラフ、これを見てみよう。
このグラフが発表された当時は、4号機は火災が起きたと公表されていた。「爆発音」ともあるが、これについては、点検中の原子炉であるので、溶接に使うボンベか、塗料などのボンベが爆発したものだとの説明であった。したがって、2度とも「火災」が発生し、現在は鎮火している、そういう公式説明であり、マスコミもそう伝えていた。
官房長官は「直ちに健康への影響はない。」と言い続け、高名な学者先生は「1トン食べてもなんともない」とテレビで解説をしていたわけだ。納得いかない一心で海外の情報を探した。そして「ニューヨークタイムス」で、下のグラフを見つけた。
上と同じ、日本政府発表のグラフだと書いてあった。唖然とした。そして、上のグラフを「しげしげ」と見つめてみた。なんと、縦軸の目盛りの数値が「とんでもない」数(かず)ではないか。たしかに、それを置き換えると、下のグラフになる。上のグラフは「完全なマヤカシ」だ。これでは、国民にその重大さが伝わらない。
しかし、火災発生で、これだけの放射性物質が出るものだろうか。それはあり得ない。(ましてや、3号機の水素が入ってきて、その水素爆発で3号機以上の放射性物質が吹き出るなどあり得ない。) これは、爆発したに違いないのだが、誰も爆発したと言わない。そこで、アメリカの検証サイトを探してみると、ついに、写真があったわけである。
事故後、1ヵ月半以上「4号機」は火災とされ、爆発は頑強に否定され続けたわけだ。これが火災かどうか、見れば誰でもわかるのだが、この写真の公開は2ヶ月ぐらいあとではなかったかと記憶している。3号機が建屋上部だけであるのに対し、4号機は下部まで影響が及んでおり、単なる水素爆発だとすると、1号機の比ではないことが、一目瞭然である。が、この期に及んでも、いつ爆発したのか定かでないと言う。
初めての方は、カテゴリーの原発事故の検証を見ていただくと、この主張の根拠は多分書かれているはずだ。皆さんを裏切らずにすんでホッとしている。 (でたらめではなかった)
さて、もう一つ、昨日も書いたが、世の常識とやらを疑ったほうがよい、と思えることがある。それは、放射能の被害である。大半の意見が、癌の発病 (甲状腺ガン、乳ガン、白血病)や催奇性 (奇形児) ばかりに注目している。本当にそうなのか。 (当初は私もそうではないか、と思ったが……)
そうではなく、昨日取り上げたように、 再生しない細胞のほうがやられると言う「全く逆」の方が正しいと思える。−−現在は、 代謝が盛んなほうが影響を受けやすいと言う説の方が主流である。−−
脳や心臓のような「ほとんど一生」変わることのない細胞がダメージを受けやすいとなれば、知能障害、情緒不安定、ポックリ死(突然死)などが、放射能の影響で増えてこよう。
柔軟に自分で考えること、このことが今求められている。
この記事へのコメント
- : 2011/12/28 (水) 10:27:41
みなみちゃん : 2011/12/28 (水) 12:00:45
たな : 2011/12/28 (水) 15:11:33
いつも貴重なご意見と情報ありがとうございます。
疫学的証明が現時点でなされてないいま、現実はより厳しく各自に降りかかってくる、降りかかってると思いました。
自身は甲状腺ホルモン異常が、なぜか今年3.11以降にでて、専門医と話す機会を頻繁に持つようになりましたが、ストレスというジョーカーがふるいまくりです。
蓮の華 : 2011/12/31 (土) 10:46:02
グラフの縦軸、、、やられた、、、。
あの写真、火災なわけないですね。いいかげんにして欲しい。
長い戦いの甲斐がありましたね。お疲れ様です。またいろいろ教えて下さい。
ご参考 : 2012/01/04 (水) 00:55:48
(11月4日 https://twitter.com/#!/HirasawaNochuri/status/132453354403151874)