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14 フジテレビ側は、放送法に準拠して、外国人等の議決権を19.99%に調整していますが、この計算には法解釈の問題が残っています。そして、解釈によっては22%になるため、放送免許が即座に剥奪される要件を満たしている可能性があり、この問題はまだ法廷で争う余地があります
フジテレビは、公共性の高い地上波放送局ですから、放送事業者にあたる株式会社フジ・メディアホールディングスは、電波法によって、外国人が役員に就任したり、外国人株主による議決権が20%以上になったりすることで、外国勢力の影響を受けないよう、厳しく制限されています。
電波法は、直近の改正でも、外資による間接支配に対する項目を足した外資規制の強化でしたし、それだけ大変なことなのです。ちなみに、改正時の主旨は『改正電波法・放送法による外資規制の強化に関して』が判りやすい資料でした。
早速ですが、フジテレビの株式問題について説明したいと思います。
そこで、まず「電波法」と「放送法」の関連項目を知る必要がありますが、法律の文章は判りにくいため代名詞等を直すなど、要訳的に半引用します。まず、電波法の関連する箇所からいきましょう。
電波法第五条(欠落事由)
四項-二号
「外国人等(日本の国籍を有しない人 、外国政府又はその代表者、外国の法人又は団体)が業務を執行する役員であるもの又はこれらの者がその議決権の五分の一以上を占めるもの」
四項-三号
「外国人等が直接に占める議決権の割合と、外国人等が一定の議決権を持っている法人や団体によって間接的に占めれらている議決権の割合を足した割合が、議決権の五分の一以上を占める場合で、四項二号を満たした場合は、三号ではなく二号に該当とする」
電波法第七十五条(無線局の免許の取消し等)
「総務大臣は、免許人が五条四項に該当し、免許を受けることができない者になったとき、無線局の免許を取り消さなければならない。」
「総務大臣は、免許人が、五条四項三号に該当して、免許を受けることができない者になった場合においてのみ、事情を勘案して、必要があると認めるときは、当該免許人の免許の有効期間の残存期間内に限り、期間を定めてその免許を取り消さないことができる。」
要するに、外国人等によって直接、フジ・メディアホールディングスの議決権が二割以上占められている場合、総務大臣は即座に免許を取り消さなければならないということです。例外として猶予期間が許されるのは、五条四項三号に該当する場合のみ、総務大臣判断で可能という厳しいものです。
そこで、外資が大量に株を手に入れ、欠落事由に該当してしまうと大変ですから、そうならないための法があります。
放送法第百十六条(外国人等の取得した株式の取扱い)
「外国人等が有する株式のすべてについて、株主名簿に記載し、又は記録することとした場合に欠格事由に該当することとなるときは、特定外国株式については、株主名簿に記載し、又は記録することを拒むことができる」
とあるわけです。つまり、外国人等が大量の株式を保有した場合に、株主名簿に記録して株主の権利としての議決権を求める請求があっても、議決権の割合が20%になってしまうならば、その請求を拒否することで、議決権を持たせないことができる、という意味です。
さて、フジ・メディア・ホールディングスの『第70期報告書』から株主構成の実態を確認しましょう。
平成二十三年度三月時点の株主構成を抜き出しましょう。
発行済株式の総数は2,346,298株、議決権は2,072,792株です。
外国法人等は460,619株。自己株式は61,202株。
放送法百十六条による外国人持株調整分が230,304株。
外国人等の保有数合計は690,923株で、発行株式に対して29.44%です。
フジテレビ側は、議決権を有する外国法人等の460,619株が、発行済株式総数2,346,298株に占める割合として、放送法百十六条による調整の結果、19.99%になるとしていますから、欠落事由に該当していないという解釈です。これは総務省も公認している法解釈です。
しかしながら、電波法の欠落事由は外資規制が目的で、なぜ外資を規制するのかというと、外国勢力の過干渉が国益を損なうことになりかねないからでした。すると、上記の計算方法が意味する法解釈には奇妙な問題があります。その解釈を採用すると、次のようなことが起きるからです。
たとえば、発行株式が100株で、外国の勢力が90株保有してしまったとしましょう。この場合、放送法に準拠した調整によって、71株の名義記載請求を拒否すれば、議決権は全体の19%になりますから、フジテレビや総務省は合法と考えるようです。
これが、フジテレビ側の法解釈に基づく計算方法で、何かがおかしいように思いませんか?
そこで、電波法の欠落事由の第五条を精査すると、議決権の割合を計算するにあたり、分母を発行株式の総数にするとは書いていません。そして、分母を発行株式にするからこそ、仮に全株100%保有されても、合法という状況を許容することになっているのです。
つまり、本来の影響力という意味で考えれば、発行株式の総数ではなく、議決権を有する株式を分母にして、外国人等の議決権が占める割合を出せば、電波法の主旨に則る計算になるのです。
その解釈で再計算しますと、議決権を有する外国法人等が460,619株で、議決権を有する株は全体で2,072,792株でしたから、外国人等はフジテレビの議決権の22.22%を占めています。
つまり、この法解釈ならば、電波法七十五条で剥奪までに猶予を許しても良いという五条四項三号のケースではなく二号に該当することもあり、フジテレビは総務大臣によって、放送免許が即座に剥奪される必用があるわけです。後者の方が理に適いますし、少なくとも、議論の余地はあります。
ただ、もし後者を採用するならば、フジテレビ側は、あと2.23%の議決権を調整すれば良いわけですし、本質的な問題は違法性ということではありません。
問題は、外国人保有制限銘柄でありながら、こういった、ぎりぎりの状況になってしまうということが、すでに自覚が欠如しているということです。たとえば、外国人直接保有比率は、日本テレビは22.66%ですが、テレビ朝日は14.57% 、TBSは意外にも7.19%、テレビ東京は1.26%で、フジテレビは29.44%でした。
フジテレビは、株式の問題とは別に韓国偏向が問題視されているのですから、この30%近い外国人保有比率は、フジテレビの異常性を説明する要素の一つかもしれないとして扱われているのです。
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