第九話:答えは決まっている。
異形との戦闘があった路地裏に、ある部隊の隊員達が集まっていた。
機動六課。
スバル達が所属している部隊で、正式名称は『古代遺物管理部機動六課』。時空管理局の部隊の一つで、主にロストロギア関連の危険な任務を扱う所だ。
現場に駆け付けた局員達が現場検証を行い、医療班がスバル達の手当てをしている。エリオとキャロは大した怪我ではないが、スバルとティアナは大怪我を負っていて、ヘリで病院へ搬送される事になった。もちろん、エリオとキャロも。
それから、エリオとキャロが預かった、ボロボロの衣服を着た金髪の少女も、スバル達と一緒にヘリで聖王病院という医療施設に収容される事になった。
スバル達を乗せたヘリが飛び立ち、聖王病院へ向かう。
そのヘリの姿を、現場から二人の女性が見上げてる。
一人は、高町なのは。19歳。機動六課の前線フォワード部隊の一つ『スターズ分隊』の隊長。『エース・オブ・エース』の称号を持つ優秀な魔導師だ。ツインテールの栗色の髪で、白いバリアジャケットを身に纏っている。
もう一人は、フェイト・T・ハラオウン。19歳。スターズと同列の前線フォワード部隊『ライトニング分隊』の隊長だ。金髪のツインテールで、黒いバリアジャケットを身に纏っている。
ちなみにスバルとティアナは、スターズ分隊の隊員、エリオとキャロはライトニング分隊の隊員なのだ。
なのはは、悔しそうに顔を険しくして、握り拳を固める。
「……もう少し早く、私達が到着してれば……」
「なのは……」
隣にいるフェイトが、なのはの肩に手を乗せた。
「悔やんでも仕方ないよ。それよりも、これからどうすべきか考えよう」
「うん」
なのはは頷いて答えた。
*
同じ頃、異形と戦闘があった路地裏から離れた高層ビルの屋上。
少し強い風が吹いている屋上に、塚本隼樹とチンクの姿があった。しかし、屋上にいるのは、二人だけではない。
隼樹とチンクの前に、二人の少女が立っている。
一人は、紫色の長髪で、年齢はキャロと同じくらい、黒いドレスのような服を着てる少女。
もう一人の少女は信じられない事に、体が手の平サイズの大きさである。燃えるような赤い髪に、意志の強そうな顔をしている。
「大丈夫?」
黒いドレスの少女が、静かな口調で尋ねた。
「あ、ああ。大丈夫。ありがとう」
戸惑いながら、隼樹は礼を言った。
チンクのISで異形の視界を奪って、走って路地裏から出ようとした時、二人の目の前に突然、彼女達が現れたのだ。黒いドレスの少女は、隼樹達とレリックケースを見ると、転送魔法で高層ビルの屋上まで逃がしてくれた。
転送魔法とは、言葉の通り別の場所へ転送する魔法。
「助かった。ありがとう、ルーテシア嬢」
隼樹の隣にいるチンクも、礼を言った。
すると、隼樹がチンクに尋ねた。
「あの……この子達、誰?」
「黒いドレスの少女が、ルーテシア・アルピーノ。ベルカ式ベースの召喚魔法を操る魔導師だ。隣にいるのは、融合騎のアギトだ」
「……また知らない単語が出てきたけど……もういいや。聞かない」
隼樹は、溜め息をつきながら顔を伏せた。
知らない事が多すぎて、知るのが面倒になったのだ。
そんな隼樹に、アギトが声をかけた。
「初めて見る顔だな。誰だ、お前?」
アギトが怪訝な顔で、隼樹を睨む。
「あ……俺は塚本隼樹。スカリエッティ達の所で世話になってる」
「ナンバーズじゃねーのか?」
「俺は普通の人間。魔法もISも使えない、ザコです」
言ってて悲しくなったのか、隼樹はまた顔を伏せる。
「あんな変態医師と一緒に住んでるなんて、お前変わってるな〜」
アギトが珍しい物を見るような目で、隼樹を見る。
そこでアギトは、隼樹の足が震えてる事に気付く。
「おい。お前、足震えてるぞ」
「え?」
アギトに言われて、隼樹は震えてる自分の足を見る。
どうやら今頃になって、恐くて足が震え出したようだ。
「はは……。震えが止まらないや」
震えてる自分の足を見ながら、隼樹は苦笑する。
「そういえば、まだ礼を言ってなかったな」
隣に座ってるチンクが、隼樹を見た。
チンクの言葉を聞いて、隼樹も顔を向けた。
「お前がいなかったら、私は殺されていたかもしれん。お前のお陰で助かった。ありがとう」
隼樹に微笑み、チンクは感謝の言葉を言った。
「いや……俺は、何も……。ただ、逃げただけだから……」
チンクの感謝の言葉に戸惑い、隼樹は困惑の表情を浮かべる。
自分には、あの異形に立ち向かっていく勇気も度胸もない。だから真っ先に頭の中に浮かんだのは、“逃げる”事だけ。弱い自分にできる事は、これくらいしか……いや、これしかできなかった。
ふと、震えてる足に温かい感触がした。見ると、チンクが震えてる隼樹の足に、優しく手を乗せていた。
「そろそろアジトに戻ろう。ルーテシア嬢。お願いできますか?」
チンクが聞くと、ルーテシアは小さく頷いた。
紫色の魔法陣が足元に展開されて、輝きを放つ。四人は輝きの中に包まれ、次の瞬間、輝きは消えて四人の姿は消えた。
*
スカリエッティのアジト。
隼樹達は、ルーテシアの転送魔法で無事に戻ってこれた。
「やっと帰ってこれた……」
両脇にレリックケースを抱えてる隼樹が、大きく溜め息をついた。
「中身を確認するぞ。ケースを置いてくれ」
チンクに言われて、隼樹は二つのケースを近くの台の上に置く。
ケースの蓋を開けると、中には赤色に輝く綺麗な結晶体が入っていた。
この赤い結晶体が、超高エネルギー結晶体のレリック。
レリックを見ながら隼樹は、これを売ればいくらになるだろうか? なんて事を考えていた。
すると、傍で一緒にレリックを見ていたルーテシアが踵を返して歩き出した。
「あっ、待ってよルールー!」
ルーテシアの動きに気付いて、慌ててアギトが追い掛ける。
二人の背中に、隼樹が声をかけた。
「あれ? もう行っちゃうの?」
「うん。私が探してるのは、11番のレリックだから」
「11番?」
隼樹は、もう一度レリックケースを見た。よく見ると、ケースに数字が彫られている。
「ああ、ホントだ。どっちも11番じゃないな」
確認を終えると、チンクがケースの蓋を閉めた。
「それじゃあ私は、レリックケースを持ってドクター達に報告してくる。隼樹。お前は、部屋でゆっくり休んでいろ」
「……わかった」
チンクは二つのレリックケースを持って、スカリエッティの研究室に向かい、ルーテシアとアギトもその場を去っていく。
「あっ、ルーテシア」
慌てて隼樹が、ルーテシアを呼び止める。
ルーテシアは、足を止めて振返り、隼樹を見る。
「今日は、助けてくれて本当にありがとう」
「うん」
ルーテシアは小さく頷くと、前に向き直って歩き出した。
それから隼樹も、その場を離れて自分の部屋へ向かった。
部屋に着くなり、隼樹はベッドの上に倒れ込んだ。疲労が一気に襲ってきて、体が動けない。強い睡魔にも襲われて、瞼が落ちてくる。
意識が薄れていく中で、隼樹はある事を思い出した。
「あ……。食材忘れた……」
*
研究室では、チンクが二つのレリックケースをスカリエッティとウーノに渡して、街での出来事を説明していた。
「そうか。それは大変だったね」
「それで、隼樹さんは?」
「怪我はない。今は部屋で休んでいる」
「そうですか」
チンクの言葉を聞いて、ウーノは安心した。
「貴女は大丈夫なの?」
「私も大丈夫だ」
そう答えると、チンクはモニターを展開する。映っているのは、二人を襲った異形だ。
スカリエッティは、モニターに映ってる異形を興味深そうに見た。
「これが、キミ達を襲った異形かい?」
「はい」
チンクは、自分と異形との戦闘の様子を映し出す。
異形は、チンクの攻撃を苦もなく防ぎ、一方的に彼女に攻撃を加えてる。チンクが手も足も出せない姿を見て、スカリエッティは興味深そうに笑みを浮かべ、ウーノは表情を険しくする。
「私のISが全く通用しませんでした」
チンクの声には、悔しさがこもっていた。
「かなり防御能力が高そうだね。ふふ。面白い」
「すぐに解析を始めます」
そう言った直後、ウーノの周りにパネルが出現した。パネルを操作して、異形の解析を開始する。
「今回はご苦労だったね、チンク。ああ、隼樹にもご苦労だったと伝えといてくれ」
「はい」
「戻って構わないよ」
「はい。失礼します」
スカリエッティに一度頭を下げて、チンクは研究室を出て行った。
チンクが研究室を出ると、スカリエッティも異形の解析を始めた。
*
「チンク姉!」
チンクが通路を歩いていると、他のメンバーがやってきた。任務から帰ってきたようだ。
みんな慌てた様子で、チンクに駆け寄ってきた。
「ドクターから、街中で襲われたと聞いたぞ」
「大丈夫か、チンク姉!?」
「ああ、心配ない。まだ殴られた所が少し痛むが、大した事はない」
姉妹達を安心させるように、チンクは微笑む。
「よかった〜」
「心配したっスよ〜」
姉妹達は、ホッと一安心した。
すると、ディエチが聞いた。
「隼樹は? 確か、一緒にいたんだよね?」
「隼樹も大丈夫だ。ただ相当疲れていたから、今は部屋で休んでいる」
「……よかった」
どうやらディエチだけでなく、他のメンバーも隼樹の心配をしていたらしく、全員が安堵の表情を浮かべている。
みんなの表情を見て、チンクも微笑んだ。
直後、
「あっ」
チンクは、ある事を思い出した。
「どうした、チンク?」
トーレが尋ねた。
チンクは、しまったと頭を押さえて言った。
「食材を忘れた……」
「え?」
全員がポカンとなった。
その後、私服に着替えたウェンディとノーヴェが、街に買物に出て食材を買ってきた。
*
買物から帰ってきて、ノーヴェは隼樹の部屋へ向かった。
通路を歩いていき、隼樹の部屋の前で立ち止まる。
「隼樹」
声をかけるが、返事がない。
次にドアを叩くが、またも反応はない。寝てんのか、と思いながらドアを開ける。部屋の中に入って、ベッドの上で眠ってる隼樹の姿を見つけた。
「やっぱり……」
溜め息をついて、寝ている隼樹に近寄る。
「隼樹。起きろ」
隼樹の体を揺らすが、起きる様子はない。
なかなか起きない隼樹にイラつき、ノーヴェは大きく息を吸い込み、
「起きろォォォォォ!!!」
「わあああああおっ!!?」
耳元で大声を出されて、隼樹はビックリして飛び起きた。混乱しながら、頭を左右に振る。
ノーヴェは腰に手を当てて、ベッドの上で慌てふためいてる隼樹を見る。
「やっと起きたか」
「の……ノーヴェ!? 今のお前か? 急に大声とか勘弁してよ〜。マジでビビったよ〜」
「なかなか起きない、お前が悪い」
ノーヴェが部屋の外を示して言う。
「もうすぐ昼飯だ。食堂に行くぞ」
「は〜い」
頭を掻きながら、隼樹はベッドから降りて、ノーヴェの後を歩いていく。眠気は、さっきのノーヴェの大声で完全に吹き飛んでいた。
しばらく通路を歩いていると、前を歩くノーヴェが口を開いた。
「隼樹。……お前、チンク姉を助けてくれたみてぇだな」
「え?何で?」
「ドクターとチンク姉に聞いた。街で妙な化物と戦ったって。その時に、お前がチンク姉を助けた事も」
「ああ。いや、でも……俺は何もしてないから。ただ逃げただけだから……」
助けたなんて、そんな大層な行動ではない。隼樹は、そう思った。
だが、ノーヴェは違った。
「それでも……お前がチンク姉を助けた事に変わりはねぇ」
通路の途中で足を止めて、ノーヴェは振り返って隼樹を見る。
「チンク姉を助けてくれて……ありがとな」
少し恥ずかしそうに頬を赤くして、ノーヴェは礼を言った。
礼を言うと、すぐに前を向いて歩き出す。
一方、隼樹はノーヴェから礼を言われて驚いていた。驚いて困惑しながらも、初めてノーヴェから礼を言われて嬉しくなった。
チンクの時もそうだったが、やはり礼を言われるのは嬉しい。
*
昼食を食べ終えて、いつものように隼樹は台所で食器洗いをしている。最後の一枚の皿を洗い終わって、隼樹は手を拭いて台所を出た。
隼樹が食器洗いを終わらせたのを確認して、トーレが席を立った。
「よし。行くぞ」
全員が席を立つ。昼食が終わったら、研究室に集まるようにスカリエッティに言われてるのだ。
もちろん、隼樹も。
全員が食堂を出て、スカリエッティの研究室へ向かう。
*
隼樹達は、スカリエッティの研究室に集まった。
全員が集まったのを確認して、スカリエッティは口を開いた。
「それでは、早速本題に入ろう」
そう言ってスカリエッティは、後ろにいるウーノに目配せをした。
ウーノは頷くと、パネルを操作してモニターを展開する。モニターに映し出されたのは、隼樹達を襲った異形だ。
「調べた結果、異形が展開している障壁は、魔法や物理攻撃に対して絶大な防御能力を誇る事が解ったわ」
ウーノはパネルを操作して、機動六課の四人と異形の戦闘の様子をモニターに映した。
「これは隼樹さんとチンクが離脱した後に起こった、機動六課の隊員と異形の戦闘よ。管理局に潜入中の、ドゥーエが入手してくれたわ。異形の障壁は魔法攻撃を防ぎ、更に魔力を吸収して強度を強化しているわ。それにデバイス、鎖、武器や兵器等の攻撃も防ぐ強力な障壁よ」
ウーノの説明を聞きながら、全員が真剣な顔でモニターを眺めてる。
「相手の魔法を吸収して、障壁を強化。デタラメな能力ねぇ〜」
モニターを眺めたまま、クアットロが言った。
「しかも障壁はドームのように異形を包んでいるため、死角がないわ」
ウーノの補足に、ナンバーズは表情を険しくさせる。
「魔法も物理攻撃も通じないうえに、死角もない。まさに絶対防御だね」
ディエチが静かに言った。
場の雰囲気が重くなる。
「ただし、攻撃力はそれほど高くはないわ。それと攻撃の魔法も使っていない」
ウーノが説明を終えた所で、スカリエッティが口を開いた。
「チンクの話によれば、この異形もレリックを狙っているようだ。これからは管理局だけでなく、この異形も敵になるだろう」
「今のところ、この異形に対抗する手段はないわ。もし奴と遭遇したら、戦おうとはせず、その場を離脱しなさい」
「了解!」
ナンバーズは内心、複雑な思いをしていた。
自分達は戦う為に生まれた存在。故に、戦わずして敵に背を向けて逃げる事が納得いかない。
ナンバーズがそんな思いを抱いてる中、隼樹はジッと異形が映ってるモニターを見つめていた。
何かが引っ掛かる。自分が体験した状況を思い出しながら、モニターに映ってる異形を見て、引っ掛かってる“何か”を探す。
そして見つけた。頭の中で引っ掛かっていた“何か”を──。
「あ……」
思わず小さな声が、口から漏れてしまった。
「ん? どうした、隼樹?」
「あ、いや、何でもない」
隣にいるセインに返事をして、隼樹は考え込む。
隼樹の中で、一つの仮説が生まれた。だが、本当にこの仮説が合っているのか、自信がない。自分の考えに自信が持てず、発言する事が出来ない。これも隼樹の悪い所の一つ。
つくづく自分はダメ人間だなぁ、と隼樹は心中で呟いた。
異形に関する話も終わり、これで解散かと思った時にスカリエッティが口を開いた。
「ああ、そうだ。実は大事な話があるんだ」
「え?」
「隼樹に、我々の目的について話そうと思う」
とスカリエッティが言った。
そして、隼樹は思い出す。そーいや、スカリエッティって犯罪者だっけ?
「我々の目的は、古代ベルカの『聖王のゆりかご』を起動させて、我々の理想の世界を創る事だ」
「聖王のゆりかご?」
「古代ベルカ、聖王時代に生み出された究極のロストロギアだ」
スカリエッティが簡潔に説明した。
説明を聞いて、隼樹は自分なりに考える。
「あ〜、つまり……大昔に作られた古代兵器?」
「その通り。ちなみに、此処はその聖王のゆりかごの内部だ」
「えっ!? 此処って、その古代兵器の中なの!?」
驚いて室内を見回す。スカリエッティの言う通りなら、今まで兵器の中で生活していた事になる。
隼樹は心中で呟く。
──サプライズ。
「それにしても……理想の世界を創るって、要は今在る世界を壊して作り替えるって事ですよね? 物騒な事やろうとしてるな〜。悪だね〜」
隼樹の眼鏡が、不気味に光った。口元も僅かに歪んでいる。
隼樹の反応を見て、ナンバーズは少し意外そうな顔をするが、スカリエッティだけは笑みを浮かべた。
「さて、隼樹。キミはどうする? 選択肢は二つ。このまま此処に残るか、管理局に保護を求めるか」
「次元漂流者と言えば、管理局は貴方を保護してくれます」
ウーノが付け足した。
言われて隼樹は、周りを見回す。全員の注目が隼樹に集まっている。
此処に残るか、管理局に行くか。
答えなど、最初から決まっている。
「此処に残る」
迷いの無い声で、隼樹はハッキリと答えを言った。
隼樹の答えを聞いて、ナンバーズは少し驚く。
ウーノが隼樹に近寄って聞いた。
「本当にいいんですか?」
「はい」
「貴方も、犯罪者になってしまうんですよ?」
「それを言ったら、レリックを此処に持ち込んだ時点で犯罪者の仲間入りですよ」
隼樹は眼鏡を僅かに上げて、ニヤッと笑った。
思わずウーノは苦笑してしまう。
隼樹は、スカリエッティに顔を向けた。
「まぁ、スカリエッティは、俺が残る事を分かってたみたいだけど」
「なんとなく、だがね」
スカリエッティは、笑みを浮かべて答えた。
隼樹も笑って応えると、振り返ってナンバーズと向き合う。
「えっと……いいかな?」
遠慮がちに、ナンバーズに尋ねた。
ナンバーズは互いに顔を見合わせると、笑みを浮かべて隼樹に向き直った。
「いいに決まってるだろ!」
ナンバーズは声を揃えて、隼樹に答えた。
隼樹は嬉しさで笑顔になる。
「ありがとう!」
みんなに受け入れられて、隼樹は心の底から嬉しくなる。
拒絶されるんじゃないかと、少し不安があったので、嬉しさと同時に安心した途端、目から涙が流れてきた。
「あれぇ? 隼樹泣いてるっスか?」
「な……泣いてない!」
「ふふ。隼ちゃんは泣き虫ねぇ〜♪」
「クアットロ〜!」
泣いてる事をナンバーズ(主にクアットロ)に弄られ、隼樹は顔を手で隠す。
その光景を、スカリエッティは愉快に笑って、ウーノは微笑んで眺めていた。
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