こんにちは、こんばんは。作者の赤夜叉です。
主人公はオリキャラです。物語は、ものっそいグダグダになると思います。キャラ崩れ等しないように頑張ります。今回はプロローグなので、話は短いです。
それでは、本編をどうぞ!
プロローグ
暑い。
自転車のペダルを漕ぎながら、彼は思った。雲一つない青空に昇っている太陽は、そんな彼の思いなど関係なく熱い陽射しを浴びせてくる。太陽の陽射しを浴びながら、彼は自転車を漕ぎ続ける。
八月が終わって九月になるが、暑さはあまり変わらない。
道路では、排気ガスを出しながら自動車が走っている。歩道では、スーツ姿のサラリーマンや制服を着た学生が歩いている。サラリーマンは、時折ハンカチで額から流れてくる汗を拭いている。
この暑さの中、黒いスーツはキツい。車のエンジン音と共に、蝉の鳴き声が聞こえてきた。
信号が赤になり、ブレーキをかけて自転車を停めた。
ポケットからハンカチを出し、眼鏡を外して汗を拭く。赤信号を見て、頭をぽりぽりと掻く。
「……暑い」
ハンカチをしまって、彼は呟いた。
白いワイシャツに赤いネクタイ、黒いスーツ。彼は大学四年で、現在就職活動中。今日は、これから企業の面接があるのだ。
信号が青になり、再び自転車を走らせる。駅の近くの駐輪所に向かい、自転車を停めて降りた。カゴから黒い鞄を取って、駐輪所を出た。
「はぁ……」
駅に向かって歩きながら、彼は溜め息をついた。
ダラダラと自堕落な生活を過ごしている彼は、就活に対するやる気がない。夏休み中、部屋にこもって漫画を読んだり、ゲームをしていた。要するに、彼は『オタク』なのだ。
早く面接を終わらせて、ゲームをしたい。そんな事を考えながら歩いていると、ガッと何かを踏んだ。顔を下に向けて、足を後ろに引くと、赤いビー玉のような物が目に入った。
彼は腰を曲げて手を伸ばし、赤い玉を拾う。
「ビー玉か?どうせなら、お金が落ちてればよかったのになぁ……」
赤い玉を見ながら、彼は言った。
すると突然、赤い玉が光り出す。
「え?」
彼は目を丸くした。
「何だコレ?電池で光ってるのか?」
そんな事を言ってる間に、赤い玉の光は、どんどん強くなっていく。
彼は目を開けていられなくなり、瞼を閉じる。そして赤い玉は強烈な輝きを放ち、彼の姿を包んだ。
周りにいる人達も、手で顔を隠したり、目を閉じたりした。
光が消えると、赤い玉を持っていた彼の姿は消えていた。
*
光が収まって、彼はゆっくりと目を開けた。
すると、彼は目を細めた。さっきまで駅前にいたのに、全く見知らぬ場所に変わっているのだ。キョロキョロと左右を見ると、建物の通路のようだ。
「どこ此処?」
呆然と立ち尽くし、彼──塚本隼樹は、ぽつりと呟いた。
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