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どうも、作者の赤夜叉です。
主人公の『死』と言うショッキングな終わり方をした『ナンバーズ〜魔法が使えない男〜』ですが、「隼樹は死なせるべきじゃなかった」「隼樹が生き残って欲しかった」と言う読者の声がちらほらあり、この度、物語を一新させて『塚本隼樹』を復活させました。

今作の塚本隼樹は、前作よりもダメさに拍車がかかってます。ダメ人間万歳!
今回は、主人公視点を中心に進行していきます。

では、『ナンバーズ〜魔法が使えない男リベンジ!〜』始まります!

あっ、タイトルの『リベンジ』は『Ⅱ』的なワードです。
プロローグ
 ペダルを漕いで、自転車を走らせてるところだ。
 季節は夏で、今日も日差しが強くて蒸し暑い。家を出る前に水を飲んできたが、十分も経ってないのにもう喉が乾いてる。汗も止めどなく流れてきて、物凄く鬱陶しい。自分の体から出てる物なのに、自分じゃ調整出来ないのが性質(タチ)悪いよ。あっ、今、目に入りそうになった。八月が終わって九月に突入したってのに、ウザイ暑さは全然引いてくれない。
 信号が赤に変わったから、自転車を止めた。その間にポケットからハンカチを取り出して、眼鏡を外して汗を拭く。周りを見ると、同じように汗を拭いてる中年サラリーマンの姿が、ちらほらと居る。
 ダリー、と思った。こんなクソ暑い中、俺は上下黒のスーツを着て、第一ボタンとネクタイを締めている。今すぐにでも脱ぎ捨てたいが、就活中なのでそうもいかない。これから企業の面接があるけど、この暑さのせいでやる気が大幅に削がれる。
 いや、例え暑くなくてもやる気は無い。マジ、ダリーんだって。就活なんてやってる暇があったら、クーラーの冷気が効いた部屋でゲームやったり、漫画読んでいたいな。ダラダラ、グズグズ、部屋に引きこもっていたいってのが俺の本音だ。でも俺がそうしたくても、親が許してくれないんだから仕方ない。
 信号が青に変わって、俺は自転車を走らせた。
 こんな無気力全開じゃあ、面接落ちるのは目に見えてるよな。もう適当に流すように面接受けて、終わらせて、とっとと帰ってゲームやろう。
 そんな事を考えながら、俺はいつも使ってる駐輪場に自転車を停めた。ダルさ満開の重い足取りで、最寄り駅に向かって歩く。
 マジ、ダリー。
 俺の名前は、塚本隼樹(つかもとじゅんき)。就活中の大学四年で、年は二十二歳だ。
 自分で言うのもなんだが、俺は何の面白味も特徴も無い平凡な学生だ。他の人より漫画やアニメを多く観て、『オタク』と言う泥沼に足を突っ込んじゃいるが、ソレ以外に何も無い。
 まあ、敢えて特徴を一つ挙げるとすれば、俺は酷く『マイナス思考』の持ち主であると言う事だけだ。マイナス思考主体の俺だから、今日の面接も落ちる気満々だ。好きで落ちようとしてる訳じゃないんだが、マイナスなイメージが拭えないんだよ。加えて、めんどくさがる性格だから、マジでダルい。
 ダルいと思いつつも黒鞄を片手に歩く俺は、道の途中で、ガッと音を立てて何か踏んづけた。俺は立ち止まって、足をどけて踏んだ物を見た。踏んづけた物は、一個の丸い玉だった。真っ赤なビー玉のようにも見える。
 俺は屈んで、何気なく赤い玉を拾った。

「なんだビー玉かよ……。どうせなら、金でも落ちてればよかったのに……」

 太陽の光に玉を当てながら、俺は落胆の溜め息をついた。
 その時、異変が起こった。手に持っている玉が、突然赤く光り出したのだ。

「え……?」

 不可解な現象に、俺は目を丸くした。太陽の光で反射してるとかじゃなくて、“玉自体”が輝いてるんだ。
 動揺する俺の手の中で、玉は赤い光を強めていく。周りを行き交う人達も、こっちを見てざわめいてる。
 光を間近で受ける俺は、耐えられずに瞼を閉じた。遮った視界は瞼越しでも赤くなって、次第に俺の意識が薄れていった。
感想お待ちしてます。


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