ヨーロッパの信用不安の払拭(ふっしょく)に向けて、EU=ヨーロッパ連合は、各国の財政規律を強化するための措置の一環として、ベルギー政府が示した2012年度の予算案について、規律を守れないおそれがあるとして、改善を求めたことが明らかになりました。
EUは、先月開いた首脳会議で各国の財政規律を強化するため、加盟国に予算案の提出を義務づけたうえで、財政赤字をGDP=国内総生産の3%以内とする規律に従えない場合には自動的に制裁を科すことで合意しました。これを受けて、EUの執行委員会であるヨーロッパ委員会は、先月発足したばかりのベルギーの新政権が提出した2012年度の予算案について、政府の見込みに反して財政赤字がGDPの3%を超えるとして、財政赤字をさらに削減するよう予算案の改善を求めたことがNHKの取材で明らかになりました。そのうえで、ヨーロッパ委員会はベルギー政府に対し、遅くとも週明けの月曜日までに新たな予算案を委員会に提示するよう求めています。EUはベルギーと同じように財政状況が厳しいハンガリーやポーランドなどについても、財政規律が守れないおそれがあると懸念を示しており、収束の兆しが見えないヨーロッパの信用不安の拡大を防ぐため、加盟国の財政規律への監視を強化することにしています。