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「広瀬くん。変わったよねえ」 「目付きとか変わりはないのに、なーんか前ほど怖くないっていうか」 「あれだね。海のこと見てる時が一番、
―――優しい顔してる」
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「っあ、りえない!ここ学校だから!」
この厄介者、広瀬空
「あんたが覗き込むから」 「反応ないから覗いただけなのに…、っみんなの前でキスする!?」
一年前まで世間一般的に怖がられていた人が今では違う意味で噂の人物
「海にべた惚れだね」 「い、苺!」
人の膝で寝るわ抱き枕変わりにするわ
挙げ句の果てには人目気にせずキスしたり舐めたり
ど、動物か!
「…嫌?」 「い、やじゃない、けど…っ」
ほら、すぐに困ったように覗き込むから私は何も言えなくなっちゃう
そんな厄介者を好きになった私はもっと厄介だ
「うーみ?」 「…………な、んでしょう」
名前呼びも反則、レッドカードだ馬鹿野郎
―――…でも、これからもずっと空といるんだろうな
確信や証明はないけど不思議とそう思えるよ?
「怒んないでよ。次は人のいないとこでするから」 「…あの。発言が、おかしい」
ま、こんな厄介な獣
扱えるのは私しかいないもんね
---- 「君は青色の獣」 Fin.
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