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村上憲郎のグローバル羅針盤

日本の若き技術者たちよ、テレビを面白くせよ
村上憲郎のグローバル羅針盤(19)

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2012/1/10 7:00
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 レイヤーは、下から「プラットフォーム・レイヤー」、「物理レイヤー」、「アプリケーション・レイヤー」、「コンテンツ・レイヤー」を想定しておけば、当面は十分である。

 プラットフォーム・レイヤーは、アップルやグーグル、マイクロソフトが担うと目されており、スマートTVの生態系は、この3社が主導するプラットフォームごとに3つ形成されることになる。

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 つまり、このレイヤーの競争とは、どのプラットフォームが、他の上位レイヤーの収益を極大化するように上位レイヤーを支えられるか、または、生態系を形成し得るかという点を巡って繰り広げられる。

■収益の極大化を目指した競争へ

 物理レイヤーは、基本的にはハードウエアを指す。前に紹介したニュースに登場した会社名からいうと、LG、サムスン、ソニーといった、TV受像機メーカーが代表格である。アップルTV(iTV)の生態系の場合には、この物理レイヤーもアップルが役割を演じることになる。また、このレイヤーには、目立たないがTV受像機用の部品メーカー(MarvellやMediaTekなど)も含まれる。

 アップルTV(iTV)はシャープがOEM(相手先ブランド)供給すると伝えられている。報道内容の真偽は程なく判明するだろうが、それが正しければ、シャープがこのレイヤーを代行するということになる。

 グーグルTVの生態系における物理レイヤー内では、LG、サムスン、ソニーが激しい競争を繰り広げることになるが、これら3社はアップルTVの生態系、つまり「iTV」に対しては共同で立ち向かうことになる。

 グーグルは、LG、サムスン、ソニーといった物理レイヤーの役割を果たす企業群の収益を極大化するという課題を抱えている。それはアップルが自社製品のOEM供給元の収益を極大化しなければならないのと同じである。プラットフォームのレイヤーを担う企業は、自らの生態系の繁栄を維持する使命を帯びているのだ。

 アプリケーション・レイヤーは、スマートTVの操作性の向上やコンテンツ課金、交流サイト(SNS)との連係といった機能を付加価値とする一群のソフトウエアで構成される。

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グーグル、アップル、ソニー、マイクロソフト、サムスン電子、CES、ユーチューブ

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村上憲郎(むらかみ・のりお)
元グーグル日本法人社長兼米本社副社長

1947年大分県佐伯市生まれ。70年京都大工学部卒。日立電子、日本ディジタル・イクイップメント(DEC)をへて、米インフォミックス、ノーザンテレコムの日本法人社長などを歴任。2003年から08年までグーグル日本社長を務める。

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