暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜

アメリカの思いのままに愚民と化し、むしり取られ、だまされ続ける日本国民への警鐘を綴る

【注目記事】 “最後の被曝医師”肥田舜太郎氏が語る内部被曝の脅威 〜放射線に対抗する唯一の方法〜

2012年01月10日 | Weblog

本ブログにて、“最後の被曝医師”と言われる肥田舜太郎氏を取り上げるのは、これで3回目である。

今回取り上げるのは、広島への原爆投下により自ら被曝した体験を持つ肥田氏が、改めて「内部被曝」の恐ろしさについて述べているものである。
3部構成になっている記事であるが、特に注目すべきは、【中編】にて語られている「放射線に対抗する唯一の方法」であろう。

本ブログも含め、ネット上のいたる所で福島原発による放射性物質について、「危険だ」「大変な事態だ」というものは多数目にするが、「ではどうすればよいのか?」ということについて具体的にコメントされているものはほとんど見かけないのが実情であろう。

当たり前である。
長期間に渡る低濃度放射線被曝が人体に与える影響については、世界中のどこを探しても、その医学的研究成果が(表向きには)存在しないからである。
即ち、我々は今、「未知の世界」を生きており、”原発マフィア”の手によって、今まさに低濃度放射線被曝の人体実験のモルモットにされているのである。

今回、肥田氏が指南する「放射線に対抗する唯一の方法」は、以下に転載した記事にあるように、「人間が潜在的に持ち合わせている放射線に対する免疫力を高める」ことである。
摂生した生活を送ることでその免疫力を低下させないようにすることが大切とのことである。

狭い日本、全国規模の物流網が完全に構築されている現状、福島周辺からいくら離れた場所に暮らしていようが、スーパーや外食産業に汚染食材が流通していることは自明であり、「内部被曝」から逃れることはもはや不可能であろう。
であれば、同氏が指南しているとおり、人間が本来備えているという放射線に対する免疫力を高める生き方を信じて、これを実践するのも1つの選択肢であろう。

現代の社会生活スタイルを考えると、同氏の言う「摂生して免疫力を高める生活」を送ることは容易ではないが、放射線と日々向き合う中、これにどう対峙してよいのかわからない我々にとっては、ひとつの”拠り所”として大きな意味を持つと感じる次第である。


※参考1「【注目記事】元広島陸軍病院医師・肥田舜太郎氏が「内部被曝の危険性」を警告」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/bbb2d989699e6657530e43190234c9d8

※参考2「【注目動画】 被曝医師・肥田舜太郎氏が語る『真実の原子力』」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/807a868f4766ee0f46b4c26e2783c720


(転載開始)

◆内部被曝の恐怖【前編】「何ミリシーベルト以下なら大丈夫」はウソ
 2012.01.05 「日刊SPA!」


 ― “最後の被曝医師”が語る人体に与える内部被曝の脅威 ―
 
【解説:内部被曝と外部被曝】
 内部被曝と外部被曝では、被曝の仕方が全く異なる。内部被曝では、透過性の低いアルファ線、ベータ線のエネルギーがほとんど体外に逃げることなく、人体に影響を与える。これに対して、外部被曝では透過性の低い放射線は届かず、主に透過性の高いガンマ線で被曝する。体内に摂取した際に危険なのはアルファ線、ベータ線を出す核種である。
 

◇「年間何ミリシーベルト以下だから大丈夫です」というのは大きなウソ
 
放射線というのは、人間には見えません。色も臭いもない。見た目には認識できません。
 

 肥田舜太郎氏
 

私はこれまでずっと広島・長崎で被曝した患者を診続けてきました。原爆のときは、火傷をしたり全身の粘膜から血が噴き出したり、頭髪が抜けるなどの急性症状がありましたが、今回の福島原発の場合は、長期的な「内部被曝」の影響が心配されます。
 
よく年間何ミリシーベルトだとか、毎時何マイクロシーベルトまでなら大丈夫だとか言われていますが、これは外部被曝の場合のことです。内部被曝というのは外部被曝と違って、放射性物質を体内に取り込んでしまい、1日24時間ずっと被曝し続けるというものです。
 
その影響は、その人の年齢や健康状態、生活態度、免疫の状態にもよりますし、その症状がいつでてくるかも、誰にもわからないことだからです。医者である私にだってわかりません。個人差があるので「必ず危険」だとも限りませんが、その人が病気になったり死んだりする可能性をアップすることだけは確かです。
 
日本の政府や学者がついているいちばん大きなウソは、「(外部被曝線量が)年間何ミリシーベルトなら大丈夫です」ということ。内部被曝のことを全く考慮していません。体内に入る放射性物質は「それ以下なら大丈夫」ということはない。少しでも体内に入ったら、長期的に被曝し続ける。微量な被曝であれば大丈夫というのは間違いです。
 
専門家というのは、政府の責任を隠したり、業界の利益を守ったりするために、ときに意識的にウソをつくことがあります。中には知らなくて言っている人もいますが。正確には、「今は大丈夫です。でも先々は病気になる可能性もありますし、何とも言えません」と言うべきでしょう。
 
福島原発事故後の例で私が実際に報告を受けたもので言えば、多くは放射線に敏感な子どもに初期の被曝症状が現れています。
 
下痢が続いて止まらない、しばらくしたら口内炎が出るとか、のどが腫れて痛いとか。多くの母親が心配していたのは子どもの鼻血です。鼻血がずっと続いて止まらない。そのうちに、両親にもそんな症状が出てくる。これは福島に限りません。私のところには、東京や神奈川、静岡などからもこういった相談が寄せられました。
 
広島・長崎でも、爆心地近くにいて大量の放射線を浴びたわけではないのに、時間がたつにつれて被曝の症状が現れてくる人が数多くいました。こうした長期被曝患者に特徴的だったのは、猛烈な倦怠感があって動けなくなり、働けなくなるという症状を訴える人が多かったことです。集中力がなくなったり下痢が続いたり。本人もどうすればいいのかわからない。勤め先や家族の中でも信用されなくなり、社会的な存在価値を失ってしまう。医学的にはどこも悪くないので、医者にかかると「ノイローゼ」(当時は神経衰弱)と診断されてしまいます。私たちはこれを「原爆ぶらぶら病」と呼んでいますが、この人たちは生きていくのが本当につらかっただろうと思います。
 
被曝をできるだけ少なくするために、「原発からとにかく遠く逃げろ」とか「汚染されてない食べ物を食べろ」などと言われています。でも、そんなことは誰にでもできるわけではない。
 
家も仕事も地元の人間関係も放り投げて逃げられる人が、どれだけいるでしょうか。事故がおきて9か月以上経っています。これまで1日3食として800食以上、まったく汚染されていない食べ物を食べ続けている人は少ないでしょう。
 
遠くに逃げても生活できて、汚染されていない食べ物を調達できるというのはごく一部の人々です。ほとんどの人々は、放射能汚染されたこの日本で生きざるをえない状況になっています。

 

◆内部被曝の恐怖【中編】「放射線に対抗する唯一の方法は?」
 2012.01.08 「日刊SPA!」
 
「被曝をできるだけ少なくするために、『原発からとにかく遠く逃げろ』とか『汚染されてない食べ物を食べろ』などと言われています。でも、遠くに逃げても生活できて、汚染されていない食べ物を調達できるというのはごく一部の人々です。ほとんどの人々は、放射能汚染されたこの日本で生きざるをえない状況になっています」と語るのは、広島市への原爆投下により自身も被曝した医師・肥田舜太郎氏。それでは、今後どうやって放射能から身を守ればよいのだろうか? 肥田氏に聞いた。
 
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
 
◇放射線に対抗する唯一の方法は、生まれつき持っている免疫力を弱めないこと

私は、「自分で自分の身体を守るしかない」とはっきり言います。特別な方法はありません。「放射線に対する免疫力を弱めないように、健康に生きる」という、この一点につきます。
 
人間の祖先は40億年前にこの地球上に現れてから、紫外線と放射線でどんどん死んでいきました。奇形もどんどん生まれていった。しかし、長い年月を経て進化を続け、放射線に抵抗できる免疫をつくってきました。その結果、いま紫外線や放射線の影響を受けても、地球上で毎年生まれれる新生児10万人のうち、1人くらいの奇形が生まれるレベルにまで免疫を高められたんです。
 
ですから、放射線に対抗する手段は、これまでの「動物としての人間の生き方」に学ぶしかない。夜更かしして夜遅くまで遊び回るなんて、せいぜいここ数十年のもの。その前は太陽とともに寝起きしていました。いちばん大事なのは「早寝早起き」です。そうしないと、先祖から引き継いできた免疫力が低下してしまいます。
 
それから、食べ物の食べ方。日本人の主食はコメですが、よく噛まない人はその8割9割を便として排出してしまっています。これは、口の中で唾液中の酵素ジアスターゼとコメが十分交わらずに腸がうまく吸収できないためです。ですから「食事のときによく噛め」というのは、人間の免疫力を保持するための鉄則なんです。免疫という意味で言えば、味噌や梅干しなど、日本の伝統食品である発酵食品が放射線から守ってくれるというのも頷ける話です。
 
人間は6つのことしかできません。睡眠、食事、排泄、働く、遊ぶ、セックスです。この一つ一つに、健康に生きていくための法則がある。これは広島・長崎の被爆者を長生きさせるために、被爆者と一緒に研究し、実践してきたことで得た教訓です。誰にどんな影響がでるかわからないからこそ、免疫力を保持し、健康を守って生きるしかないのです。
 
多くの学者はそのことを言わない。「年間何ミリシーベルトまでなら安全です」と言うだけです。内部被曝を受けていれば、先々は安全かどうかなんて誰にもわからない。彼らは「わからない」ということを認めたくないのです。
 

◆内部被曝の恐怖【後編】「日本の医学界が被曝の影響を無視してきた理由」
 2012.01.08 「日刊SPA!」


広島市への原爆投下により、自身も被曝した医師・肥田舜太郎氏。
原爆を投下された日本で、放射線被曝の研究が進まなかった理由をこう語った。
 
*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *
 
◇原爆の長期的な影響は、米国の「軍事機密」として隠されてきた

出征時の肥田氏。’44年に軍医となり広島陸軍病院に赴任、’45年に自らも被曝し、その後被曝者の救助にあたった
 

日本の医学界は、被曝の長期的な影響をずっと無視してきました。なぜそうなったかと言えば、広島・長崎に原爆が落ちてすぐ、日本が降伏して米国の軍隊が占領し、総司令官が統治を始めました。そして被曝の実態を、「米国の軍事機密」だとして、原爆の影響について研究したり論文を書いたり、学会で論議したりすることを禁じたからです。
 
その後、日米安保条約が結ばれ、米国の「核の傘」に守ってもらうために「被曝の実態は軍事機密」としておかなければならない時代がずっと続きました。ですから、日本人は広島・長崎の原爆で何人被曝し、どんな症状が出て、何人死んだのかという長期的なデータを持たずにきたのです。
 
日本政府は米国が「してはいけない」と命令したから、何もしなかった。被爆者が苦しんでいるのに、政府はまったくおかまいなしでした。そして占領軍が帰って5年後の1950年に、原子爆弾被曝者の医療に関する法律をつくり、本人が申し出た場合だけ「被曝者手帳」を発行するようになりました。
 
でもこれは、年に1回無料の健康診断をするというだけのものでした。多くの人にとっては、結婚とか就職とか生命保険に入るときとか、いろいろな場面で被爆者として差別されるようになってしまった。長期被曝の影響を受けたと思われる人が、名乗り出づらい風潮ができてしまったのです。そのうち、日本人は誰も原爆の問題で騒がなくなりました。
 
ソ連でも、チェルノブイリの患者を精密に調べた医師(バンダジェフスキー博士)が、「放射能の影響で心筋梗塞になりやすい」ということを論文に出しました。すると、政府の「放射線は無害」という方針に反したとして、別の冤罪で捕まって逮捕されるというような時代がありました。ソ連も核兵器を持ち続ける必要があったからです。
 
福島原発の事故でも、長期的な被曝の影響が心配されます。私が広島・長崎で診てきた症状が、先々に出てくる恐れがあります。
 
きちんと治療と補償が行われるためにも、「軍事機密」として調査を行わなかったかつての過ちを繰り返してはならない。私たちは政府や東電に徹底した情報公開を求めたうえで、正しい知識と効果的な対処法を身につけていかなければならないと思います。
 

被爆者に対して、わかりやすく解説された「被爆者健康ハンドブック」。
保険や補償の話から、長生きするための日常生活の心得に至るまで、詳しく書かれている


【肥田舜太郎】
’17年広島生まれ。医師。広島市への原爆投下により自身が被曝、その後被曝者の救援・治療にあたる。臨床体験をふまえて「原爆ぶらぶら病」と呼ばれる症状や、内部被曝、低線量被曝の影響に関する研究にも携わった。


撮影/大西史恵 取材・文/北村土龍

(転載終了)

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シーベルト 放射性物質 チェルノブイリ マイクロシーベルト
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