3月9日放送分の第18話で、いよいよ「相棒Season9」が幕を閉じる。映画「相棒劇場版II」のヒットとも相まって、今期の「相棒」人気はいつも以上に高かった。

 今回のゲストは「相棒―劇場版II―」でも活躍した神保悟志氏。神保氏演じる大河内監察官は、相棒の2人を呼び出しては詰問する怖い人として有名だ。警察内部の不正を捜査する話にはかならず登場する。

 神保氏に、大河内と杉下右京の関係、神戸尊との関係など、さまざまな話を伺った。

神保 悟志(じんぼ さとし)
1962年12月3日生まれ。静岡県駿東郡清水町出身。横浜歯科技術専門学校卒業。トライベッカGTZ所属

10年目にして「お化け番組」に

――神保さんはいろいろなドラマに出演されていますが、「相棒」みたいに10年間ずっと続いてる番組はあまりありません。どうして「相棒」は10年も続いたのでしょう。

神保悟志氏(以下、神保):「それは他の現場でもよく聞かれます。『相棒の現場ってどういう感じなの』ってものすごく聞かれるんです。僕がよく言うのはチームワークのことですね。水谷豊さんの雰囲気作りとか、スタッフのチームワークは他の現場とはちょっと違う感じがする。でも、具体的になにかということは伝えにくい」

――それだけ聞かれるということは、プロにとってもあこがれの番組なんですね。

神保:「他のドラマの現場でも『相棒に出たいんだけど』と俳優仲間に言われることがありますよ。僕に言われてもしょうがないんですけど(笑)」

――視聴率も高い。平均視聴率が20パーセントを超えています。

神保:「急激に上がったわけじゃないんですよ。だんだん浸透していった。『相棒―劇場版II―』の舞台挨拶で水谷豊さんが『ゾーンに入った』とおっしゃっていましたが、水谷さんはそういうお化け番組にいっぱい出演なさっているから、空気感を肌で感じると思うんです。『あ、来た来た、化けた化けた』って。作り手サイドを超えて、視聴者がどんどん想像して、それをもっと裏切って、という連鎖が起きてる」

(画像クリックで拡大)

――現場の空気はずっと変わらないものですか。

神保:「数字が上がると空気もよくなります。でも、面白いものを作ろうよっていう雰囲気は変わらないですね。面白いものを作るにはどうしたらいいだろうって、それぞれのパートの人たちが深く考えている。ドラマ作りが好きな人たちが集まっているんです」

――本を作るのにかなり時間をかけていますね。

神保:「それはもう大変だと思いますよ。あれだけやったらふつうネタがないですもん。どう考えてもやり尽くしてると思うんですが、もっと面白いものを作るじゃないですか。本当に頭が下がります。本をいただいて、よくこんなもの探してきたなと、そういう感動はいつもあります。10割打者はあり得ないけど、かなりのパーセンテージで面白い」

――大河内春樹の出てくるエピソードって、まずアタリという印象があります。

神保:「アタリ、かどうかはわかりませんけど(笑)、興味深い題材ではありますよね」

――自分が出ていない回もご覧になっているんですか。

神保:「リアルタイムで見られないものですから妻に『ちゃんと録っておいて』っていつも言います。『録り忘れた』って言われたときは『なにっ』って(笑)」