2011/08/16

3000枚以上の古代の硬貨を海中で発見 シチリア


シチリア海峡のパンテッレリーア島で3422枚の古代の青銅製硬貨が海中から発見された。
発見された青銅の硬貨
水中の遺跡観光のために行われたダイビング調査の途中に偶然発見されたもので、紀元前264年から241年のもので構成されていた。

シチリア島の110km南西に位置するパンテッレリーア島はその時代、ローマとカルタゴの不和の原因となっていた。

ローマ人は紀元前255年の第一次ポエニ戦争でこの島を占領したが、翌年には失っている。
紀元前217年の第二次ポエニ戦争では、最終的にローマが島を奪取し、記念コインや記念日を作ってその勝利を祝ったという。


水深20mから発見されたコインは、ローマとカルタゴの闘争を象徴していた。
驚くべきことに、3422枚のコインはすべて同じ肖像が描かれていた。

1つの面は古代の豊穣の神コレ(タニト)が描かれており、紀元前550年ごろカルタゴの人々がこの女神を島で崇拝していた。
反対の面には馬の頭があり、星、文字、カドゥケウスなどのシンボルによって囲まれている。
カドゥケウスとは神々の使者であるヘルメスが平和の象徴として持つ、上部に二つの翼があり、それに向かって下から2匹のヘビが巻き付いている杖のことである。

「全ての硬貨が同じ図像であることから、我々はこの硬貨が何らかの組織による支払に利用される予定だったものと考えている。通常の商取引では異なる種類の硬貨が含まれるはずだ」と発掘を指揮する考古学者のLeonardo Abelli氏は述べている。

 Abelli氏は、この硬貨はシチリアに向かうカルタゴの船に積まれていたもので、反ローマの運動に利用される目的のものだった、と推測している
しかし航海の途中で何かが起こった。
「彼らは後で取りに来ることを考えて、財宝を比較的浅い海の底に隠す決断をした。硬貨の近くからは石の錨も発見されている」

海中の発掘調査が9月に行われる予定だ。

SUNKEN TREASURE FOUND IN THE SEAS OF SICILY


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