2012年に再び世界的な景気後退が起きない方に大きく賭けるエコノミストはほとんどいない。経済見通しは今、初秋時点よりも相当暗くなっているというのが、エコノミストの一致した見方だ。
■危険な局面に入る世界経済
ユーロ圏の危機は悪化し、イタリアとスペインに波及、フランスの玄関にまで打ち寄せている。その他先進国の景気回復は依然、弱々しい。新興国も重圧を感じ始めている。
政策立案者たちは不安を抱いている。国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は9月に、世界経済が「危険な局面」に入ったと繰り返し警鐘を鳴らした。12月に入ると、脅威は現実になり始めたと言うようになった。ラガルド専務理事は今月ブラジルで記者団に対し「世界経済の見通しは、我々の当初予想より低くなる。一部地域では大幅に低くなるだろう」と語っている。
もっと暗い悲観論が経済協力開発機構(OECD)を襲っている。特に不安視されているのが、先進国の政治家の対応だ。OECDのチーフエコノミスト、ピエール・カルロ・パドアン氏は「政策立案者たちが、世界経済のリスクに即座に断固たる行動で対処する必要があると理解していないことを懸念している」と言う。
この評価には民間のエコノミストも同意する。投資銀行ゴールドマン・サックスが経済見通しを下方修正した際、同社の米国担当チーフエコノミスト、ヤン・ハチウス氏は、多くの先進国では増税と、家計・企業の債務負担によって成長が妨げられているとし「この組み合わせのせいで標準以下の成長があと2年続く可能性が高い」と述べた。
大手シンクタンク、ブルッキングス研究所のエスワール・プラサド氏は、もっと悲観的だ。「2009年初頭には、かすかな望みを見いだすのも難しかった。また我々は同じ状況にいる。だが、今の状況が異なるのは、2008年の危機が膨大な債務負担を生み出し、政策に対する制約が当時よりずっと厳しくなったことだ」
■12年の成長率は3%程度
しかし、エコノミストらが心配する一方、世界のすべての地域が苦しんでいるわけではない。ドイツの就業者数は10月に再び、東西統一後の最高水準を記録し、同国の繁栄とユーロ圏周縁国の苦痛のずれを浮き彫りにした。
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